〜Fancy Love〜
「おっはよ!萌香!」と話しかけてきたのは幼馴染の愛菜だった。
「あ、おはよう。愛菜。」
「おっはよー!なんか今日萌ちゃん元気だね。いつも朝だ元気ないのに」と愛菜がいう。
「そうかなぁ…夢見たからかなぁ…」と前髪を触りながら萌香は言った。
「夢?何かいい夢見たの?」と愛菜が聞く。
「ふふふっ、ちょっとね。」と笑顔になる萌香。2人は川沿いの通学路を歩き、学校へ向かっていった。
学校へ着き、教室へ入る。そして入った時に颯斗と目が合うがすぐにそらされた。
「今日…なのかな。」と萌香はつぶやく。席へ着くとバッグを机の横へかけ携帯を使う。コミュニケーションアプリに来ていたトークを返信していく。
一通り返信をし終えた。その時、愛菜が来た。愛菜は隣のクラスでちょくちょく萌香の元へと来ている。
「ねぇねぇ、読み終わった小説無いー?もう読み終わっちゃってさ…」
愛菜も恋愛小説が大好きだった。というよりも私が貸しているうちに好きになってしまったらしい。
私は、机から小説を数冊、机の上へ出すら。
「どれ読んでない?私ほとんど読んでるからどれでもいいよ。」と愛菜に言う。
「うーん…」と愛菜は迷う。
「じゃーこれでいいや。これ借りるね。」といい、1冊の小説を手に取った。
「うん!大丈夫だよ。」と私は言う。
そして、愛菜は教室を出て行き自分のクラスへと行った。
教室の扉の方へ視線をやり、戻そうとした時、颯斗とまた目があった。
「目合うの…多いなぁ…」とあまりに気にせず小説を読んだ。
そして、担任が来て朝のSHRが始まり今日の予定などを言っていった。
その日はみっちりと授業をやり疲れ切っていた萌香。
そしてついに運命の時。6限目の授業が終わり帰りの支度をしていた。
近づいてくる、黒い影に気づくことなく、ね。