表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/219

† 八の罪――剣戟の果てに(玖)


「まことに申し訳ございません! 茅原知盛は依然として行方知れず、空港には手を回しましたが、一向に情報がつかめずにいます」

 若者が深々と頭を下げているのは、豪奢な赤絨毯の一室。

「魔術で足取りを隠したか……まあ此方がその気になればいつでも見つけ出せる。捨て置け。それより、あれはいかがした?」

 手元の書物より軽く目線を上げ、男は目深に被った帽子越しに訊いた。

「案の定、喜多村氏が囮のほうに釣られました。今の二人があのお方を突破できる可能性は極めて低く、彼らの命運は決したかと」

「奴のことだ。土壇場で何をしでかすか知れたものではない。逐次、報告せよ」

 部下が退出すると、象山は本を閉じて苦笑する。

「所長殿も人がお悪い。あの男を放っておけば、彼らの元へゆくのは目に視えていたものを」

 彼の独白が吸い込まれてゆく部屋に、どす黒い気配が生じた。

「もう人ですらなくなってしまったようですがねえ」



 サミットのテーマソングがじわじわくるせいで、冷静に買い物できない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ