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† 七の罪――劫火、日輪をも灼き尽くし(玖)
「――――そうか、承知した」
電話を切って、男は歩き出す。口元よりほのかにこぼれる笑み。
「この滞在は、長引くことになりそうだ」
明け方の微風に、包帯の先端が揺れていた。
「……もう追いつくとは、流石だな」
流れるようにビルの屋上を跳びながら、背後の気配に茅原が呼びかける。
「お戯れを。名残惜しさがその走りを遅めているのではなくて?」
横につき、妖艶に微笑んで顔を覗き込む柚木。
「もっとも――お前がその気になっていれば、どのみち既に鬼遊びは終わっていたさ」
「……お試しになりますか?」




