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† 五の罪――運命(さだめ)との対峙(陸)


 多聞さんの冗談は的外れでもないのが、またタチ悪い。

「あんたも勝手に誤解を招くようなこと言ってんじゃねー!」


 多聞さんが野暮用だかで出かけ、満腹になったベルゼブブはおねむのようだ。

「きみ……変わったね。ここに来たときは、もっと片意地なかんじだった。正義はなにか見出せなくとも、自分の納得いかないことには挑まずにいられないような」

 一緒に食器を片づけていると、三条が話を振ってきた。

「今でも大して変わんねーよ。そもそも、正義の味方ってよく言うけど、その正義って誰のことなんだろな」

 彼女は掴んだままの皿に目を落とす。

「わからない……ただ、ぼくは恩人に救われたとき、ぼくが彼みたいに強ければ他の人たちも助かったんだって思って、戦いを教えてもらうことにしたよ」

「親代わりだったっつー人か。俺もあんたらと出会った日、似たようなこと考えて一緒にいくって決めた。こんな世界があるなんて思ってもなかったし、いきなりのことで驚いたが、意味があんなら進むしかねーって。これが運命なら、俺は剣で切り開いてやるって。そう、誓ったんだ」

「きみのそういうとこは最初からすごかったね。ぼくはいまだにわからない……あの人の目には、なにが映っているのか。その目指す先にはなにがあるのか――――」

 俯く三条のまなざしは、手元に注がれているようで、視ているのは遥か彼方だった。


                † † † † † † †


「……美味い。酒が美味い日は、いい風が吹く」

 闇夜にコートを靡かせ、これまで世界に存在した千数百名の妖屠で史上最強と呼ばれる男が、ブーツの音と共に、凍てつく外階段を上ってゆく。

「これまでは眼前の脅威を排除することに身を捧げてきたが、それでは救える者も救いきれん。排除するべき敵が巨大すぎて見えなかったのだな」



 映画“Fury”観にゆけず終わってしまった…………

ちなみに、ティーゲル(タイガー重戦車)よりパンテル(パンザー中戦車)派です。

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