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† 五の罪――運命(さだめ)との対峙(弐)


「異能に溺れる者は二流だよ。もともと僕らの力じゃないんだ。なんかの拍子に使えなくなるかもしれない。最後に頼れるのは己の身体と技術だけ。魔力も武器も失ったら戦えませんじゃ困るよね」

 この半年以上。思えば多聞さんは、妖屠を育成・運用する組織だというのに、対人の実戦を意識したようなことを何かと言っていた。

「……人間相手に戦う日が来る、っつーことすか?」

「どういう事情であれ、人間を殺した者はもう人間と呼べない。人生に失敗は付き物。多少転んでも、また歩き出す権利はある。けれどね……どんな理由があれ、人であることを捨ててしまったら――もう二度と、人には戻れないんだ」

 多聞さんは撃ち抜くような双眸で、俺を見据える。

「覚悟は、できているかい?」


――――覚悟もなしに、ここに立ってはいない。

「戻る気なんてねーよ。人以上になんなきゃ人は救えねーだろがああああ!」

 そう、俺は立ち上がっていた。大地を踏みしめ、渾身の右フックを放つ。

――一閃。



 Francfrancも「フランクフランク」だと思ってました。

「これだから非リアは」って、童貞に笑われたことは忘れない。

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