† 四の罪――現世(うつしよ)の邂逅(漆)
「なっ……にゃにを申すか! 魔軍の長たる吾輩がこのような小娘ふぜいに仕えるとでも?」
うとうとしていたベルゼブブが、たどたどしい呂律で割り込む。
「きみのほうが子どもっぽく見えるじゃん」
眉尻を下げて呆れる三条が言いたいのは、主に胸のボリューム的な意味だろうか。
「たわけが! 吾輩に命じることができるのはご主人さま、ただ一人! 召喚に応じてやったのも、ご主人さまがこちらに来ておるがゆえ。この者の魂なぞいらん! さあ、はよご主人さまを出すのだ」
出し入れする方法があるのなら、俺も知りたいぐらいだ。
「そーいや多聞さん、さっきこの仕事じゃなかったらって……軍隊にいたときはどうだったんすか?」
話題を変えたかったのと、ふとした疑問から、俺は悪気もなく口にしてしまった。
「そ、その話は――」
「うん、いたよ」
三条の顔色と、彼の用意したような微笑みから、今はいない、それも別れたからというわけではない、という推測が俺を後悔の淵へと叩き落とす。こういう渇いた作り笑顔をどれほど、この人はしてきたのだろうか。
「ごめんなさい、何も知らずに……」
「いや、いいんだ。ほら、これから先の建設的な話をしよう」
「そっ、そうですね……ぼくのせいでこんなことになっちゃったんだし」
「さっきの報告を聞いた感じだと他の悪魔も来ちゃってるみたいだし、今まで以上に鍛錬が必要だろうね。ゼブブっちが乗り気になってくれたとしても、桜花くんの身心が耐えられなければ――――」
タバコ吸ったことないのに、喫煙者の役になってしまった絶望感。
しかも、小道具でジッポ使用と台本に指定が……スタイリッシュにつけられるように練習しなきゃ




