† はじまりの罪――常闇の渦中に(肆)
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夜も更け、道行く人は続々と駅へ吸い込まれてゆく。
「じゃあ牟田口くん、うちらあっちの線だから。遅くなっちゃったし気を付けて」
「そんじゃ、おやすみー。おまえも早くいい女見つけろよーっ!」
改札前に展開されていた三角形が崩れ、一辺を成していた男女一組が遠ざかってゆくのを、残った一点の青年は見送った。
「……んだよ、三人の間に隠し事はないんじゃなかったのかよ。いやまあ、あいつらが付き合ってたことぐらい気づいてたけどさ」
段々と小さくなる彼らは手をつなぎ、別会社の改札に向かうことなく、繁華街へ消える。
(あいつら……俺を見下してやがったんだ! 今頃どうせ俺が空気読めない邪魔者だなんて話してるんだろ。いや、二人の世界でイチャイチャするのに夢中だもんな。他のことなんて考えてもないか)
「――――納得いきませんよね? 同じような無念を抱えている人間は多い。もっとも、ここで負け惜しみを言っているだけでは何も変わりませんが」
柔和な声と異様な気配に男は目を見開いたが、それ以上に驚くものが背後にいた。
音楽は妖精帝國、シド、陰陽座、ONE OK ROCK、ALI PROJECT、Sound Horizon、9mm Parabellum Bullet、聖飢魔Ⅱ、Rhapsody of fire、Yngwie Malmsteen、HIBRIA、椿屋四重奏などを聴きます。
体は厨弐で出来ている――――