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† 四の罪――現世(うつしよ)の邂逅(陸)


「……いや、だってお父さんって呼ばれたいじゃん」

「まだ何も言ってないっすよ」

「ほら、この前さ、同級生を見かけたら親子連れで……やっぱ憧れるよねー。いや、まあ僕だってこの仕事じゃなかったら、選り取りみどりでとっくに美女とゴールインしてるけどね」

「ま、こいつよりは望みあるんじゃないすかね」

 口を閉ざしたまま隊長を凝視している三条の肩に手を乗せた。

「き……きみだって似たようなものでしょ! って、勝手にさわらないで。今の犯罪だよ」

「軽くポンってしただけじゃねーか。くっそ、どうせ犯罪になんなら胸にしとけばよかった……」

「やっぱり下心あるじゃん。法廷で会おう!」

「あんた法廷がどんだけ大変か知ってんのかよ」

「そういうそっちこそ知ってるの?」

 繰り広げられる不毛な攻防を、ベルゼブブは楽しげに眺めている。

「おお、なんだかとても愉快なのだ。そちらは仲が良いのだな」

「……これ見てそう思えんなら、愉快なのはあんたの脳内だと思うぜ」


 夜も更け、三条の部屋で輪になって腰を下ろしている三人と一匹。

「つまり、桜花くんは力を欲するあまり、魂を対価にベルゼブブを召喚した、と。いちおう成功はしたみたいだけど、さすがに一から自分でやったわけじゃなく、アジトの最深部に高位の悪魔を召喚したと思われる術式の痕が隠されてて、霊脈にも沿っていたから流用したんだね」

 灯台下暗し、か。信じ難いことだが、初の悪魔召喚で地獄トップツーがこうもポンポンと出てきてくれる、なんて方が考えにくい。

「現場の状況が気になるところだけど、この件に深入りするのは危なそうだから、しばらくは見なかったことにしたほうがいい。で、これからは彼女?をパートナーとするつもりかな? 正式に契約していないとはいえ、この部屋の汚染されっぷりは見ての通りだ。これほどの大物と、呑み込まれることなくやってゆけるのかい?」


 カツカレー頼むと、普通のカレーより肉が少なくなる店は信用しないようにしています。

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