† 二の罪――我が背負うは、罪に染まりし十字架(参)
俺の顔と差し伸べた手を、交互に凝視する三条。
「そ、そんなわけないもん……! 言われなくても立ちますーっ!」
そう言いつつも、口調とは裏腹にそっと握り返してきた。
「はは、若いっていいねー。ほら、後処理はなんとかしとくから、君はこの場を離れたほうがいい。幸い、彼はご丁寧に結界まで強化してくれてたみたいで、今のところバレてないと思うけどねー」
結界が解かれると、破壊された建物は元々なかった存在となる。外側に被害が皆無だったという事実を思い返して、これほどの大惨事を引き起こしてなお、彼が全力には遥か遠かったのだと実感させられた。
「お上には誤魔化しとくから二人は先に戻ってな。夜には傾向と対策を話し合おう。もちろん、お説教の後でね」
言われるとほどなく、ハッとしたように手を振りほどき、早足に歩き出す三条。苦笑いする上司に軽く挨拶し、俺も慌てて後を追った。
† † † † † † †
彼らが二手に分かれた後も、主役を奪われて久しい巨大電波塔から、並んで現場を眺望する二つの影。さすがに数キロも離れていては、多聞も気づかないようだ。
「ククク……いかがでしょうか? 地球の裏側よりいらしてみて」
鉄骨に腰かけて両足を揺らしつつ、粘着質の笑みを含ませて、群青色の外套を纏った優男が問いかける。
「フン。道化の悪趣味な遊戯だと思ってはいたが、少しは手応えがありそうじゃないか」
隣の威風堂々と佇立しながらも、子供のように軽やかな声の人物は紫煙を吐き出し、さらり、と――しかし、決して眼下から目を離すことなく述べた。
「それは何より。彼以外に、極東の地へわざわざお出でなさった理由ができたのなら――」
栗色の長髪を靡かせて、座したまま男が続けた途端、稲妻のように殺気が奔る。
「……その減らず口、閉じられんなら手を貸すが」
煙管を口元より離し、横目で見遣る眼光は、刃物の如く鋭かった。
「おお怖い。命がいくつあっても足りなそうだ」
主宰しているギャルゲーサークル“ConquistadoR”では、総括と演出を担当しています。
昨年秋に出演していた有村架純さん/東山紀之さん主演の舞台・ジャンヌダルクで、有名演出家・白井晃さんの仕事ぶりを毎日のように見ていて、何か吸収できていれば良いのですが…………
ちなみに、今は私と別のシナリオライターさんが脚本を手がけていて、三角関係を描いた日常ものを作っています。
まだ数人の小さな団体で公式ホームページもないゆえ、詳しくは私のツ○イッターの方までお気軽に!
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