† 一の罪――堕天使斯く顕現す(拾弌)
「なに撮ってんすか」
聞くだけ無駄か。
「そう言えば趣味でしたっけ、大昔の持っててよかったですねー。通信機のカメラ機能じゃデータどう扱われているかわかったものじゃないし」
そしてこいつは、いつまでパンツを見せつけているつもりなのだろう。
「ルシくん、写真は残念だったけど、サインとかもらえたりするかな? あとさっきのドーンってヤツ、どうやって撃つのかおじさんにも教えて」
双唇を開きもしないルシファー。冷たい――まるで氷のような瞳だ。ここに来て地雷を踏み抜くあたり、一方の中年もやはり計り知れない。
「……魔界にも黙秘権があるとは参ったなあ。いやー、ごめんごめん! まあアレだよアレ。おじさん冗談を言わないと死んじゃう体質なんだ」
「んじゃ可及的速やかに死んでください、マグロ丸さん。せっかく生き残ったのに、ここで機嫌を損ねたら港区が一貫の終わりじゃないすか」
「おルシさま、この生意気な小僧を煮るなり焼くなり好きにしちゃっていいんで、港区と主にわたくしは勘弁していただけますかね」
「余が望みしは筆だ。かの者が命運は元より余が決める」
意外と付き合いいいんだな、と印象を改めていると、彼と目が合った。威圧感の欠片も示していないのだろうけど、尋常ならざる近寄り難さだ。これは友達いないタイプ。
「貴様自身を代償にする、そう誓ったか」
……俺、この小説を完結させたら――グリザイアの果実をプレイするんだ。




