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誰のために2

「御前試合⁇」


俺は意味が分からなく、

イーさんに聞き返した。


「あぁ、エール家は王家と同等の歴史を持つ名家でな。その歴史の中で独特の制度が出来上がったんじゃ。その1つが御前試合というわけじゃ。」


「その御前試合とは何をするんですか?」


「まぁ、簡単に言うとアイナと決闘するんじゃ。」


「決闘⁉︎なんでまた物騒な事になるんですか⁉︎」


「昔な、エール家当主が女性だったことがあった。その当主はかなりの美人でまた武力も人並み外れていたそうじゃ。そんな女性じゃったからか、王家の皇子に見初められての、求婚をされたそうじゃ。

しかしな、時を同じくして貿易でやって来た1人の少年に当主は惚れてしまっての、皇子の求婚を断ったんじゃ。勿論振られた皇子は黙っているはずがない。かなりの嫌がらせをしたそうじゃ。そこで当主は自分に勝った者と結婚すると公言してな、皇子と少年と闘うことになった。元々武力に秀でた女性じゃったからの皇子を完膚なきまでに負かした。それを見た民衆は皇子も負かす人物にただの少年が勝てるわけないと全員が思っておった。しかし、結果は少年の勝ちに終わった。その少年はな当主を圧倒する程の実力の持ち主だった。それからは、皇子も何も言えなくなり民衆も認めざるを得ないという歴史があった。」


と、

いきなりイーさんがエール家の歴史を話すと、


「それから、御前試合で決まった結婚相手には王家であっても文句は言えないことに決まったのだ。」


と、

アイナが嬉しそうな顔をして言っていた…


「アイナさん、

顔がにやけていますが?」


「えぁ、い、いや、なんでもないぞ!

け、決して結婚が出来ることを喜んでいるわけではないぞ⁉︎」


と、

何故か慌てていた。


ジークさん、レアさんを見ると、


「そっか、やっとアイナも恋愛に興味が出てきたのか…」


「アイナ逃したらダメよ〜」


と、

どちらも感動しているようだった。



「ち、ちょっと待って下さい!

今の話から推測すると俺はアイナさんと闘わないといけないのはわかりました。

でも、

俺は記憶ないのでこの世界の魔法?は使えませんから闘いにならないと思います!」


「いや、しかし君は山の神を倒したのじゃろう?」


「いやいや!

夢中になってやってたらいつの間にか倒していたんです。」


俺が事実を言うと、

皆考えるように黙ってしまった…



「それにその御前試合は俺がアイナさんに勝たないといけないんでしょう?

流石にまぐれで勝てるとは思えません…」


追い討ちをかけるようだが、

事実を黙っているわけにもいかない。

皆が考えていると、




「では、貴様が私より強くなればよい‼︎

無意識にしても貴様は私が勝てなかった山の神を倒すほどの力を持っている!御前試合までに強くなれ‼︎」


と、

もはや解決策とも言えない暴論をアイナは言い放った。


「い、いやだから鍛えようにもどうしたらいいのか分からないのですけど?」


俺が当然の事を言うと、


「爺さまなら出来ますよね!

私達エール家全員の指導者役でしたもの‼︎」


と言った。

当の本人のところを向くと、


「まぁ、出来ないわけではないがのう…

御前試合は1ヶ月間の準備期間があるはずじゃから、かなりきついスケジュールじゃが特別修行やってみるか?」


と、

提案してくれた。


「お、親父の特別修行⁉︎

しょ、少年はやまるな!間違えたら死ぬぞ!」


「お義父さんの指導はきついを超しているからねぇ」


ジークさん、レアさんはどこか遠いとこをみるように思い出していた…



流石にそこまで言われて、

すぐにやりますなんて言えなかった。

この世界に来てそんなことに巻き込まれたくなかったし、そこまでする必要が分からなかった…

なんとなくアイナを見るとジッと見つめ返してきた。



その目は強くなにかを俺に訴えていた…




「あぁもう、分かった、分かりました。

そんな目をされて引き下がる程どうやら俺は強くないようです!

どうなるか分かりませんが受けます特別修行!」


俺がそう言うと、


「流石私が惚れた男だ‼︎」


と抱きついてきた。

気を抜いていたのでそのまま倒れてしまった。

只今の体勢、

アイナが俺を押し倒しているように見える。



「あらあら〜、

大胆ね、アイナ」


「流石にここではやめてくれよ、アイナ」


と、ジークさん、レアさんはニヤニヤしながら言った。


「ち、違う!

ち、違わないけどそういう意味じゃ…」

と今日何回目か分からないが顔を赤くした。


「すみません、

嬉しいのですがそろそろ離して下さい…」


俺が言うと、

アイナは顔を赤くしたままバッと離れていった。


「それで、イーさんいつから修行を始めるんですか?」


「ん、あぁ、今日からに決まっているじゃろ。」


と、

さも当たり前の様に言った…




次から修行編

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