御前試合4
「では、
今から模擬戦を開始するがの、あくまで模擬戦じゃ。相手に無茶な攻撃は禁止じゃからな。」
「「了解です」」
「では、模擬戦開始‼︎」
「さぁ、来い!」
と、
ルゥはトライデント
を構えた。
「仕方ない、とりあえずやるか…」
「来ないならこちらから行くぞ!」
(思い出せ…
さっきの事…アイナがバカにされたこと…
あいつらの言ったこと…
「アイナ殿…正気ではないな…」)
一気に殺意が湧いてきた。
「嗚呼呍‼︎」
俺は、“威圧”を使った。
「ぐっ、はっ、はぁはぁ…
何だ今のは…
一気に意識が持っていかれそうになった…」
と、
ルゥが膝をついていると
「はい、 俺の勝ちだな。」
ドンはルゥの首筋に刀を添えていた。
「勝負ありじゃな。
そこまで‼︎この勝負ドン・フィードの勝ちじゃ!」
「ふぅ、威圧は中々疲れるんだよな…」
溜息をつきながら独り言を漏らしルゥを見る、まだ放心状態で空を見上げていた。
「えと、ルゥだっけ…
中々凄かったよ。威圧に耐えたのはあなたが初めてだ。とても強い精神力してるな。」
と、
握手をしようと手を差し出すと、
「う、うわぁぁぁん、
わ、私が、ま、負ける、なんてぇぇぇ!」
いきなり泣き出した。
「えっ、え、なんで⁉︎」
皇女様のとこを見るとやれやれという顔をしていた。
「ルゥは負けるとああなってしまうのですよ。
最近は見ませんでしたけど、ここまで完敗したら仕方ないのかもしれませんね。」
「え、いや、えと、
慰めなくてもいいんですか?」
「私が慰めなくても今は逆効果ですから…」
皇女様は苦笑いを返した。
このままだといつまでも泣いていそうなので
「あ、あのう、
ホント凄かったよ!威圧に耐えたのは本気で凄い!だからさ、その、泣くのやめない?」
「な、泣いてない‼︎」
と、涙目で抗議された
「あぁ、ほら、
可愛い顔が台無しだよ。
これで涙拭きなさいな。」
ハンカチを差し出した。
「き、貴様、か、可愛いなどと!
き、騎士に対する、ぶ、侮辱だぞ!」
と、
俺からハンカチを取り涙を拭きながら文句を言ってきた。
「いいじゃないですか…
見た目はあなたは可愛いですよ。
だから、泣き止んで下さい。」
「だ、だから、
な、泣いてない‼︎」
「え〜、だってさっき…」
「う、うるさいうるさい‼︎」
この繰り返しを散々やって、
ようやくルゥは落ち着いたのか
「この勝負私の負けです。
先の無礼をお許し下さい。」
ルゥは頭を下げてきた
「意外と素直なんだな…
もう1回とか言われると思ったけど」
「いや、お前の力は本物だった…
それに言いがかりをつけたのは私だ。
謝らねばならぬからな。」
「素直さは美徳だな。」
「そうでしょう。
ルゥは昔から素直なのです。
先程のことも私を思ってのこと許してやって下さい。」
皇女様が俺に言ってきた。
「まぁ、いいですよ。
終わり良ければすべて良しですし、
ルゥの可愛い顔も見れたし。」
「なっ、お、お前、
先程のは忘れろと言っただろうが!」
「え〜、あれを?」
「くっ、何故私は泣いてしまったんだ…」
「泣き顔も可愛いかったよ?」
「う、うるさい‼︎
そうやってお前はからかって!」
「はははっ!バレたか!」
この数分でルゥとはかなり仲良くなった。
元々の性格もあるだろうが、俺としてはかなり喋りやすい人物で会話が弾んだ。
だから、
鬼が後ろから近づいているのを気づかなかった。
「ほぅ…
ドン、貴様は私以外も簡単に口説くのか?」
後ろを振り向かなくてもわかる…
絶対、確実、100%、アイナだ。
「いや、あの、えと、
口説くというか、その、後ろ振り向いてもいいですか?」
そう、
アイナがレイピアを構えて後ろを取っているのだ。
「いいだろう…
言い訳があるなら聞いてやるが?」
「いやいやいや、誤解だって!
口説いてないから、ルゥもなんか言って!」
「え、わ、私⁉︎」
「ほぅ、もう名前で呼ぶ仲か…
私の旦那は相当な浮気者みたいだな‼︎」
かなり怒っていらっしゃる…
聞く耳持たないとはこのことか…
「あぁもう…
ほらこっち来な!」
と、アイナを引き寄せ抱きしめた。
「なっ、な、何をする!」
「だって、こうでもしないと話聞かないだろう?それにさ、まだ何も始まってない状態から浮気なんてするわけないだろう。」
「あ、あとから、す、するつもりか⁉︎」
「だから、しないからさ…」
どうすればいいのか考えていると名案が浮かんだ。
「こ、こんな、ことでゆ、ゆるされると「アイナ」
チュッ
アイナの頬にキスした。
「さっきのお返し。
どう?これで信じた?」
「ふぇっ、え、〜〜〜〜〜〜ッ‼︎」
ボンッと音が出るくらい顔を赤くして頷いた。
「やれやれ、儂の前やってくれるわぃ…」
「本当良いパートナーですね。」
「はわわっ、は、破廉恥な」
三者三様の反応をしていた。
しばらくして、
「なっ、皇女様いらっしゃったのですか⁉︎」
「えぇ、最初から見てましたよ。
小さい頃からの仲ですけど、あんなに可愛いアイナの顔をみたのは初めてです。いい旦那様に会えて良かったですね。」
「なっ、そ、それは、大袈裟です…」
「いえいえ、
良いものを見せて頂きました。
それでは、私の用は済みましたのでそろそろお暇致します。では、ドン・フィード様、アイナ、今度は王宮で会いましょう。」
と、皇女様はルゥを連れて颯爽と帰っていった。
「はぁ、嵐の1日だったな…」
「あぁ、色んな意味でな。」
(わ、私にとっては、色々と思い出に残る1日だったな…)
「さてと、
そろそろ戻るかのぅ、我が家に」
「「はい」」
御前試合これにておしまい




