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御前試合1

1ヶ月間という期間はすぐに過ぎた…

いや、

実際は修行中は長く感じたが終わってみたらすぐだったような感覚だ…


エール家にもお世話になり、それなりにうち解けて最近では敬語を話さないくらいに仲良くなった。


修行は朝から晩まで。

最初は死ぬ程きつく辞めそうにもなったがアイナのことを思い出すと何故か頑張れた。


1ヶ月間で気付いたが、

この世界は元いた世界と結構似ていた。

たとえば、平日4日に休日2日の6日で1週間。その1週間が6サイクルつまり36日で1ヶ月だった。



修行中夕食だけはエール家全員で食べたのだが、これから闘う相手と毎日楽しく食べるのは少し違和感があった。


だが、

アイナは気にしていなく、


「闘うと言っても敵というわけではない。どちらかというと力比べみたいなものだ。そう考え過ぎるな。」


と言ってくれた。


「そ、それに、

ドンと夕食を一緒に食べるのは私は嬉しいからな!そんな顔をしないでくれ…」


「あぁ、ありがとうアイナ。

気が楽になったよ。」


と、

この1ヶ月間でアイナとの仲はかなり良くなった。


元々同じくらいの歳なので話もあったから余計に仲良くなった。



「あらあら、

アイナも自然にドン君を気遣うようになったわねぇ。好きな相手だものねぇ、尽くしたくなるわよね〜。」


「は、母上、

た、ただ私はアドバイスをと!そ、それだけです!」


アイナとレアさんは小声で何か言いあっていた。


「ところでドンよ。

明日は遂に御前試合じゃが、服は決めているのか?」


「服?

何でですか師匠?」

俺はこの修行でイーさんのことを師匠と呼ぶようになっていた。


「御前試合はユード王国全土から貴族、王族が来るからの。服はそれなりにしなきゃいけんのじゃよ。この家にあるやつから選びなさい。」


どうやら服を選ばないといけないらしい…


「はぁ…

俺、服のセンスなんて多分無いですよ…」


困っていると、


「じゃ、じゃぁ、私が選ぶのを手伝う!」


と、

アイナが勢いよく手を挙げた。


「そうか。では、アイナに任せようかの。衣服室は地下じゃから気いつけての。」



「アイナいい服選べよ〜。初の服選びだからなカッコよくしなよぉ。」


「そうよぉ〜、元々カッコイイけど更にカッコ良くしないとねぇ。」


「う、うるさいですよ!いつも父上、母上は一言多いんです!」


と、

アイナは俺の手を握り部屋を飛び出した。


「はぁ、はぁ、

ま、まったく、本当に私の親は…」


「そ、それはわかるが…

アイナ、手を握って走るのは、や、やめて…」


走るのが早いから俺は息切れしていた。


「はっ、そ、それはすまない!ついな…」


「あぁ、いいんだが…

それより手をそろそろ離さない?」


「はうっ‼︎す、すまない!」


「大丈夫だからそんな慌てんでも…

それより早く選ぼう、明日だし。」


「分かった。

どんな感じのが良いとかあるか?」


この世界、この王国にいる人物はみんな違う格好をしているから中々自分のイメージがわからなかった…


俺が困っていると、

「色はいっそのこと黒にしたらどうだ?」

と言ってきた。


「いやいや、

黒髪で更に黒中心の服にするなんて流石にマズイでしょう…」


「んー、

でも、ドンはなにも悪い事してないし、むしろだからなんだ!くらいの姿勢でもいいと思う。」


「そうかぁ?

まぁ、確かに一理はあるけど…」


「よし!

そうしよう!後の事は後で考えればよい!」


「アイナはさ、

たまに惚れそうなぐらい男らしいこと言うよな…」


と、

褒め言葉かどうか怪しい言葉をおくると


「え、や、ほ、惚れるなど…照れるではないか…」


何故かかなり喜んでた。


黒中心はいいが、

どんなのにするかを迷っていると部屋の奥に気になるものがあった。


「これは、スーツ?」

俺が元いた世界のスーツによく似たのがあった


「確かに形はスーツだが、かなり伸縮性が優れてるな…。それに、なにより動きやすい作りになっている。元の世界のとは比べ物にならないくらい機能性抜群だ…」


「お、なんだ!

気に入ったのがあったのか?」


「ああ、これなんてどうだ?」

とアイナに見せると、


「あぁ、これは私達の家の魔導服製作所が作った失敗作だな。」


「失敗作?何故に?」


「魔導服はな、耐久性が求められるがそれは機能性に重点を置いたため耐久性が低いのだ。それに、ほらズボンの右足の付け根から膝にかけて紅い花の紋様があるだろ。それはエール家魔導服製作所が作った証で、紅い花はエール家の家紋だ。」


「なるほどな…

だけどこれにする!エール家の家紋をもつ意味で気合がはいるしな。」



「そうか、

ドンが決めたなら良いだろう。家紋を持つんだ。中途半端は認められんぞ!」


「分かってるさ。

エール家には泥を塗れないからな。」


というわけで、

黒スーツのズボンに白ワイシャツという前の世界なら何処にでもいそうな、しかし、今の世界ではいないであろうコーディネートになった。


「結局私は手伝う必要なかったな…」


「そんでもないよ、

これに決めたのはアイナの説明があったからだよ。」


と、

お礼のためにアイナの頭を撫でた。


「そ、そうか…」

何故か嬉しそうにはにかんでいた。



「さてと、

そろそろ戻るか…」


「あぁ、明日は遂に御前試合だ。

ドンよ、本気でかかって来い!

私も全力で迎え撃つからな!」



「分かってるさ、

お互い本気で行こうや。」




御前試合は遂に明日…





次からバトル展開です…

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