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天に唾吐き、地を駆ける一陣の星  作者: 柾木刹那
第一部 高天原武闘会
8/79

開催決定 2

「高天原武闘会とは、年に一回か二回、不定期で開催される学園内での模擬戦の事です」

 尼崎先生は当たり前のように言う。いや、教師からすれば当たり前なのかもしれないけどね?

 一回なのか二回なのかって決まってるもんじゃないのか? 普通。

 当たり前の疑問を抱きつつ、周りを見るがクラスメイト達は何も言わない。

 どうしてこんなときだけノーリアクションなんだよお前ら!

 星二はツッコミを入れたいのを我慢し、とりあえず大人しく様子を見ることを選択した。


「あまちゃん、今回のルールはー?」

 女子が先生に質問をする。

 ん? 今回のって言わなかったか今?

「今回は……クラス対抗男女タッグトーナメント形式になりました!」

 うん、尼崎先生はいい笑顔だ。

「「「「うぉぉぉぉぉぉっ!」」」」

「「「「えぇーっ……」」」」

 なにっ?! 統率の取れてるはずのクラスメイト達が男女で違うリアクションしてるだと!?

 星二は予想外の反応に、クラスメイト達に戦慄していた。


「はいっ、それじゃここまでで何か質問のある人はいますか?」

 手を叩き、場を仕切るように尼崎先生は言う。

 色々聞きたいことはあるのだが、星二は1つだけ確認することにした。


「武闘会ってことは、能力(メナス)の使用は有りってことですか?」

「そうですね、能力の研鑽も兼ねてますので」

「わかりました」

 それだけ聞くと、星二は内心安堵していた。

 能力ありきの戦闘なら、発現どころかどんな能力なのかさえ把握してない自分は参加しないだろうと。

「他に質問はありませんか?」

 

「「「…………」」」

「居ない様なので続けますね」

「今回はクラス対抗戦という事になるので、誰が出るのかを決めたいと思います」

 尼崎先生の声を聞きながらふと、そいやこのクラスに学級委員長はいないのだろうか? と星二は思っていた。

「まずは立候補者を募りたいと思います。我こそは! と思う人は挙手お願いします」

「「「…………」」」

 クラスメイト達はお互いに顔を見合わせ、お前がいけ! とアイコンタクトを送ってるように見える。

「……はぁ。まったく」

 そんな様子を見ていた最後部にいる星二の隣人である綾香がため息をつく。

 星二はお隣さんの様子に苦笑しつつ、雷牙の様子を見てみると……寝てやがった。


「立候補者が居ないようなので、推薦で決めて行きたいと思います」

「やっぱりこうなるのね……」

 尼崎先生の発言に綾香は再度苦笑した。

 

「男は雷牙で女子は鈴崎さんがいいと思います!」

「私も、雷牙くんと鈴崎さんならいいと思うわ」

「「「ら・い・が! ら・い・が!」」」」

 何故か沸き起こる雷牙コール、それでも本人は寝ているのだから関心させられる。

 そんな雷牙コールの中、綾香は言う。 

「なんとなくこうなるとは思ってたから私はいいですけど、寝てる間に決めてしまうのは流石に可哀想だと思います」

 「確かに鈴崎さんの言う通りですね、この状況でまだ寝ている風見くんには関心しますが、決めてしまうのは流石に可哀想ですね」

 尼崎先生も綾香に同意する。

「それじゃ鈴崎さん、誰か指名して貰える?」

「「「……まじかっ!」」」

 クラスメイトの男達が一斉に叫ぶ。

「それじゃ、星二を指名します」

「そうかそうか……っておい!?」

 自分には関係ないと思っていたのだから乗りツッコミになるのも仕方がなかった。

「ちょっと待ってくれ、俺は能力の発現どころか自分の能力すら把握してないんだぞ!?」

「うん、それはもちろん知ってるけど、だからこそ都合がいいと思うんだ私」

 慌てる星二に対して冷静な綾香。

「「「……そういうことか」」」

 一斉に声があがる。まったく、何に気づいたかはわからないが、俺のクラスの統率力は半端じゃないな。

 

 気づくとフライング気味で始まっていた、高天原武闘会の説明とメンバー選出は数時間経っていた。

「えー、それじゃ暫定で、男子は北条くん、女子は鈴崎さんということでいいですね?」

「「「意義無し!」」」」

 案の定クラスメイト達は統率がしっかり取れている。と思いつつ星二は机に突っ伏していた。

 そんな星二の様子を気にしたのか綾香が声をかけてくる。

「あの、星二? ごめんね? 巻き込んだみたいで……」

 みたいではなく、明らかに巻き込まれたのだが星二は既に諦めていたのか、左手だけをヒラヒラと振っている。

「と、とりあえず、食堂にご飯食べにいかない?」

「……そいや、腹減ったな。行くか」

 

 そう言われて星二は席を立ち、綾香と二人で教室を出て行った。

 星二が転入してきてから2週間、一人で居なくなるか、雷牙と食堂へ行っており、今まで綾香と星二が二人で昼食を食べるということはなかった。

 そんな二人のを見ていたクラスメイト達があれこれ騒いでいた事は二人は知る由もなかった。 

今回の話では武闘会の形式がわかりましたね。

選手に選ばれたのは案の定、星二と綾香です。

……結局形式がわかっただけで、あとは日常風景のような気もします。


さて、次回は星二と綾香の二人だけの昼食から始まります!

武闘会はいつになったら開催されるのやら。。。


毎度の事となりますが、応援や叱咤激励お待ちしております。


追伸

なろう勝手にランキングも設置しました。

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