星と月
星々はささやいた。
何時になったら明るくなるのだろう。
どうしてここは暗いのだろう。
彼らはその答を持たなかった。
誰かに尋ねようにも、仲間との距離は思うより大きい。
だが、そこには月がいた。
1人の星が月に尋ねた。
どうしてここは暗いのか。
いつになれば明るくなるのか。
月は答える。
あなたがたはとても美しい。
その美しさを際立たせるために、わざと暗くしているのだ。
自分は輝くための力を持たない。
あなたがたの力を借りて少しだけ存在を示すことが出来る。
それはとても尊いことで、あなたがたにしかできないことなのだ、と。
星はその言葉に深く心を打たれた。
だから、仲間たちに伝えたいと願った。
しかし仲間たちとの距離は長く、遠くへ言葉を伝える術を彼らは持たない。
人にはそれぞれ、輝けるような物を持っていて。
それは周りの人を輝かせることも出来るのだ、という意味をこっそり込めて。