表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太史慈転生伝~最上義光を放っておけないので家臣になって手助けしちゃいました~  作者: 黒武者 因幡
第1章 最上家の武将 鮭延秀綱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/62

寝覚めが悪いことはしない

家康を通じて、秀吉との面会を求める内容だけで、そこそこ字数が行ってしまいました。


しかし、この家康から最上家への信頼をを高めることは、後々重要になってくるので、書かせていただきました。



 秀綱は、京の徳川家康の屋敷にいた。光安も一緒である。豊臣秀吉に正式に臣従していない最上義光は京に屋敷を賜っていなかったので、家康邸の一角を借りて、滞在していた。


 そこに入って、数日のことであった。秀綱と光安は、家康に広間に呼ばれた。

――何事であろうか――

 秀綱は、不思議に思った。心当たりがあるか、光安に尋ねたが、光安も頭を横に振った。



「最上義光殿は、伊達政宗と合戦に及んだそうだ。最上家からの使者が、そう儂に報告をしてきた」

「はっ?!」

 家康からの知らせに、秀綱と光安は顔を見合わせた。


「やはり、お主らも知らなかったようじゃな」

 家康は、届いた書状を秀綱たちに見せてくれた。満茂の筆であった。


 天正16年(1588年)1月に、伊達政宗が、かつて従属勢力であった大崎義隆に対して戦をしかけた。この時点では、秀綱たちも把握していた。

 

 奥羽の諸将は、豊臣秀吉の存在を前に、従属か反発かの選択を迫られていた。

 伊達政宗は、豊臣秀吉に不服従の姿勢が強かった。しかし、天下人と目される豊臣秀吉に反発する伊達政宗の方針に不安を覚える国人衆たちは、伊達家から離れていったのである。

 その中でも、勢力の大きかった大崎義隆の離反を政宗は許さずに、大崎領に攻め込んだのである。


「大崎家は、北のきたのかた様のご実家でございます。我が殿も、支援せずにはいられなかったでございましょう」


 秀綱は、家康に向けて言葉を捻りだした。出発前に戦はしないように話をしていたのに、という想いが言葉に込められていた。


「身内を大事にする義光殿らしい話ではあるがな」

 家康は理解を示してくれてはいるが、総無事を出されようかという時期に無駄な戦は避けなければならない。戦をしたという事実を、どう捉えるかは秀吉自身の判断になってしまう。家康も、その部分に懸念を示している。


「早速に関白殿下に御目通りをしたいと存じます。直接殿下に我が殿、義光の立場を伝えたいと存じます」

 秀綱は、せき込んで家康に秀吉との面会の設定を願った。ただ、順番になるので、いかに家康とても難しいという話であった。


「我ら宿老は、もともとは殿下の配下ではなかったのでな。それほど、強い権力を持っているわけではないのだ。むしろ、常に殿下にお会いしている奉行衆たちの方が、力を持っているやも知れぬ」


「上杉家の取次は、どなたでございますか」

 光安は、家康に尋ねた。

「上杉家に取次は、殿下の側近中の側近 石田三成殿が勤めておる。もし、お主らが願うなら、儂の昵懇の浅野殿に取次役を代わっていただこうか」

 家康の提案であった。確かに、秀吉の側近である奉行衆に取次役を頼めれば、話は早いかも知れない。

――されど、信長公以来、度々骨を折ってくれた徳川殿に後足で砂をかけえるような真似はできぬ――

 秀綱は、頭を振った。


「我らは昔年より、徳川様にお世話になってまいりました。今、確かに殿下に頻繁に顔を見せる奉行につながれば得かもしれませぬ。されど、徳川様とのこれまでの恩義を考えれば、他家に頼るのも納得はできませぬ」

 秀綱は巌といった。光安も微笑んで何も言わなかった。

 家康は、フフフと愉快そうに笑った。


「なるほど、信義と誼を大事にされるじゃな。いくつかの家は、儂を離れて、浅野殿に取次を引き継ぐのを依頼したが、義光殿は違うと申されるのじゃな」

「左様でございます。信義をないがしろにして目先の利を図るのは、それがし自身がまず許せませぬ。そして、殿が利に走って義を忘れる者であると他国から謗られてしまっては、それがしの寝覚めが悪うございます」


 秀綱の言葉に家康が食いついた。


「ほう、寝覚めが悪いと申すか。面白い」

「左様、寝覚めが悪うございます。寝覚めが悪ければ、殿はそれがしの心配をして、重要な役目を他人に任せてしまいまする。さすれば、それがしは殿に最大限の忠勤に励むことはできませぬ。それは、殿の信頼に応えられないことになってしまいまする」


 家康は呵々大笑した。秀綱の言葉を気に入ったようであった。


「さすれば、秀綱殿は、今は義光殿の忠勤に十分に応えることができるというわけじゃな」

「可能な限り、応えるよう努力する所存にございます」


 家康は、秀綱をじっと見つめた。そして、再び微笑んだ。優しい微笑みであった。


「臣下を通してじゃが、義光殿のお人柄が感じられるようじゃな。この家臣にして、かの太守あり、じゃな。儂もそこまで期待されては、応えずばなるまい。上杉家はどれほど話を進めておるかわからぬが、義光殿に悪いようには致さぬ。ただ、無駄に戦火を広げるような真似はせぬように、義光殿に伝えて早急に伝えてくれ」


 秀綱と光安は畏まって、すぐに出羽山形に書状を認めた。


 


次回、大きく動き、秀綱は秀吉と面会にこぎつけます。

最上と伊達の争いは、全面戦争に発展する前に、ある人物が戦を停止させました。

大きく話が動きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ