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「ユウくん、ユウくん。」

「ゆなくん、ゆなくん。」

 なんで、ぼくの名前は、、、みんなに忘れられちゃうんだろう。



「なゆお兄ちゃん。」

 妹・刹那(せつな)の可愛い声がした。

「どうした?」

「おねちゅでちゃったの、また。」

 悲しそうな顔で言う刹那が可哀想だった。

刹那は“周期性発熱”という病気を持っていた。

「お兄ちゃんがアイス買ってあげるよ。、、何がいい?」

 刹那が熱を出した時は、いつもぼくが刹那の面倒を見ていた。

コンビニが近いから、アイスやゼリーを買ってっ来てあげていた。

「んーとね、せちゅなはね、ちょこれーとあいちゅがいー」

 顔を真っ赤にさせる刹那はうまく呂律が回っていない。

「チョコアイスね。待ってて。すぐ買ってくる。」

 自分の部屋へ行って昔から使っている財布を持ち出す。親が刹那ように貯めている500円貯金から500円を二枚取り出すと、「行ってきます」と声をかけて家を出た。

家から走って5分もかからない場所にあるコンビニに入る。

「いらっしゃいませー」

 という声と共に店内に入ると涼しい風に当たる。走ってきた暑さにはちょうどよかった。

急いでチョコレートアイスを取ると、店員さんのところへ持っていく。

「ありがとうございまーす。袋はつけますか?」

 いいです、と言おうとしてエコバックを持ってこなかったことに気づく。

「あ、お願いします。」

 そういうと店員さんはニコニコ対応してくれた。

「630円です。」

 500円玉二枚を出して、370円のお釣りを丁寧に財布に入れる。

アイスが溶けないように、と走って帰る。

家が見えた時だった。

家の前には何台もの救急車が赤いライトを照らしていた。


後から知ったことだったが、家で仕事をしていた母が刹那のことを見にきた時、刹那が痙攣していたそうだ。

刹那は、熱生痙攣を起こしていた。

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