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第06話 業:カルマ

 お昼に友達と昼食を取りながら能力の確認をする。

 午前中の時間を使って経験値を溜めた結果、以下の様になった。


   ------

【恩田 拓斗】

 種族:人間 性別:男 年齢:15歳 職業:高校生

 状態:リラックス 所持金:¥3,550

 所属1:恩田家

 所属2:私立宇月高校1年A組

 Lv:1/---

 HP:10/---

 MP:6/---

 魔法:

 《鑑定》 Lv:7/--- (93/640) 1↑

 《意思疎通》 Lv:1/--- (2/10) STAY

 《格納空間》 Lv:4/--- (46/80)  3↑

 罪歴:なし (カルマ):0

 備考:異世界転移経験あり(2回)

 ***他の情報はレベル不足のため表示されません。***

 --------- 


 格納空間は伸びた効果はわかりやすく、視界の右下の”□”が4*4になっている。

 このまま使い続けると視界いっぱいに”□”が広がりそうな懸念はあるものの、今のところは問題ない。

 レベルアップの際に手が空になってしまう問題は、自動実行の設定で

 搬出対象:格納時間が一番長いもの → 格納時間が一番短いもの

 とすることで解決した。

 このまま消しゴムと芯ケースを右手の中で交換し続けることでレベルはあがるだろう。

 休憩時間に少し試したが、カバンに物をいれたまま格納すると1マスで事足りた。

 理想の手ぶら通学ができると思ったが、周りから不審がられるので手ぶらと言うわけにはいかなそうだ。


 問題は鑑定のレベルアップで現れた ”(カルマ)”だ。

 何をもって増減するのやら。

 鑑定がもう少し育ってきたら試そうと思ったことに影響しないといいのだけど。


 午後の授業の間もそのまま自動実行を続けた結果、帰宅時にパラメータはここまで育った。


 ---------

【恩田 拓斗】

 種族:人間 性別:男 年齢:15歳 職業:高校生

 状態:リラックス 所持金:¥3,550

 所属1:恩田家

 所属2:私立宇月高校1年A組

 Lv:1/---

 HP:10/---

 MP:4/---

 魔法:

 《鑑定》 Lv:7/--- (195/640) STAY

 《意思疎通》 Lv:1/--- (3/10) STAY

 《格納空間》 Lv:5/--- (60/160) 1UP

 罪歴:なし (カルマ):0

 備考:異世界転移経験あり(2回)

 ***他の情報はレベル不足のため表示されません。***

 ---------


 意思疎通の経験があがったのはお昼休憩の時にミーシャ先生と話してる留学生に使ったものだ。

 ただ他の留学生が日本語を話してるときには経験値は上がらなかった。

 なかなか意思疎通は育てる良い方法が思いつかない。

 こんなチャンスや一旦意思疎通をかけると鑑定同様しばらく効果が続くらしく重ね掛けできない。

 繁華街で外人の旅行客が話してるのを聞くしかないのかもしれない。


 ただ鑑定と違って自動実行しても無駄になる可能性が高い。

 失敗してもMPは1消費されるので大切に使わないと。


 普段だったらまっすぐ帰るところだが、この能力を得た今家でのんびり本を読むなんてしてられない。

 夕食の時間までは外で経験値をあげるべきだ。


 そう思いながら鑑定、格納空間を自動実行して経験値を積みながら繁華街に向かう。

 もちろんカバンの中は空なので歩くのは苦ではない。


 ◇◇◇◇◇


 荷物は軽かったせいか、目的の場所まではいとも簡単についた。

 目的の場所とは、”宝くじ売り場”。

 当たり券が鑑定でわかるのではないかと思ったわけだ。


 最大MPが10なので購入時には10枚しか鑑定できない。

 それに多分まとめて鑑定するわけにもいかないだろう。

 僕は魔法の自動実行を停止し、一旦MPが最大に回復するのを待つ。

 (厳密には回復を無駄にしたくないので最大の一歩手前の9までだ。)

 そして宝くじの販売スケジュールを確認するふりをしながら、ガラス越しに宝くじの鑑定を試みる。


 ”春うららかくじ”と名前の付いた数日後に結果がわかる大金のくじの価値は販売価格通り。

 だがその場で削るスクラッチ系のくじだと”¥0”、”¥300”など当選金額に応じた価値が表示された。

 しばらく待つ間に何人かが購入していく。

 その間にも通り過ぎる人に鑑定したり、荷物を出し入れしてMPを無駄にしないように経験をあげる。

 そして僕の待ち望んでいた瞬間がやってきた。


 ”¥5、000”


 スクラッチくじの一番上のものの鑑定結果が販売価格を上回ったのだ。

 おもむろに売り場にならび素知らぬ顔で1枚だけ購入する。

 売り場のおばちゃんが「ようやく買うのね。」と笑いながら渡してくれた。

 売り場をちらちら見ながらなかなか買わなかったので、逡巡してるように見えたのだろう。

 苦笑いしながら受け取り、少し離れたところでドキドキしながら削る。

 鑑定に誤りはなく、きちんと柄がそろった。


 4等だったみたいだが、それより上がそんなにポロポロ出るとも思えない。

 今回は検証も兼ねていたので、この方法が有効であることが分かれば十分だ。

 換金も買ったところではなく、別のところでする。

「おめでとう。」そう言う別の売り場のおばちゃんから折り目のない紙幣を受け取る。


 これからお小遣いに困ることはなくなるかな。

 そう思いながら自分のパラメータを見て愕然とした。


 ---------

【恩田 拓斗】

 種族:人間 性別:男 年齢:15歳 職業:高校生

 状態:リラックス 所持金:¥8,250

 所属1:恩田家

 所属2:私立宇月高校1年A組

 Lv:1/---

 HP:10/---

 MP:7/---

 魔法:

 《鑑定》 Lv:7/--- (215/640) STAY

 《意思疎通》 Lv:1/--- (5/10) STAY

 《格納空間》 Lv:5/--- (83/160) 1UP

 罪歴:なし (カルマ):-1 1DOWN

 備考:異世界転移経験あり(2回)

 ***他の情報はレベル不足のため表示されません。***

 ---------


(カルマ)下がってるじゃん・・・」

 世の中そう甘いものではないらしい。

誤字の指摘ありがとうございます。

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