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夕食での会話〜ルキウスは剣を習うことになった〜

「剣……を。何故ですか?」


「俺が剣の勇者だからだ。もう魔族は居ないし、事実上の引退はしたけどな。俺が教えてやれることなんてそれぐらいだけだし、ココナは女の子だから、教える相手が今まではいなかったが……お前はまだ3歳だ。普通は5歳から教えようと思っていたが。だがお前は普通の3歳ではない。もう文字を流暢に話して、本を読むのが趣味の3歳なんて普通は居ない。お前は天才だろう。てか、三歳児の喋り方じゃないぞ?さすがは俺たちの息子だ。この長所を生かすことも考えたが、俺が教えてやれることは剣だけだ。せめて、身を守れる程度にはと思ってな。せめて学校に入るまでは俺から習って欲しいのだが……嫌か?」


クラウスは剣の勇者だ。

俺が生まれた時に泣きながら叫んで変な踊りをしていた人とは別人のように思えてくる。


「ちょっとクラウス。ルキウスはまだ3歳なのよ?ルキウスは嫌でしょ?」


アリエスが俺に聞いてくる。


「大丈夫ですよ母さん。やりますので、お願いします父さん。僕が振れる木刀はありますか?」


「そうか、やっぱり無理か……え?やるのか?」


「ルキウス無理しなくても良いのよ?」


「いえ、自分からやりたいです」


「……そう。じゃあ頑張ってね」


「はい」


なんだ?父さんはやらないと思ってたのか?

当然やるに決まってるだろ。せっかく貰った命だ。父さんとの関わりは大事にしないとな。

ついでに自衛のためにも覚えておこう。

ていうか、もっと成長速度的に喋り方を幼くしておけば……いや、俺の方が耐えられん。

喋り方ぐらい驚かれるのは、小さいころだけだし別に良いか。


「そ、そうか。安心しろ。お前が生まれた時から木刀は買ってある」


準備のよろしい事で。でもありがたいな。


「じゃあ明日からですね?」


「そうだ。俺は厳しくいくぞ」


「3歳児にいう言葉じゃ無いですよ父さん」


「はっはっはー、俺はお前を半人前としては見ているんだぞ。本当はもっと甘えてくるのかと期待していたが、これはこれで良い。甘えてくるのはココナだけで十分だ。ココナが三歳の時は俺やアリエスの事を『くぁーうしゅ』とか『あいえしゅ』とか言ってたしな」


一人前じゃ無いのか。いや、当然だけど。

そんな事を考えていたらココナがムスッと両頬を膨らましてクラウスのことを見ている。


「ちょっとパパ。ルキの前で言わないでよ!私、パパに甘えてなんか無いからねルキ」


ルキとはココナが呼ぶ俺の愛称だ。


「分かったよお姉ちゃん」


「ココナお姉ちゃんでしょ」


「……分かったよココナお姉ちゃん」


「うんうん、ルキはそれで良いのよ。私はお姉ちゃんなんだから」


ふふんっ、と効果音が出てきそうな顔をしてココナは胸を張る。

ココナはドジだが、俺は初めての弟なのでお姉ちゃんぶりたいのだろう。


「それじゃあ後で僕がリーシェさんに伝えておきますね」


リーシェはメイドだからと自分の部屋で食べている。

一緒の方が楽しいので、今度頼んでみよう。

そう考えると夕食は早く食べ終わってしまった。


「母さんご馳走様でした」


「はい。偉いわねルキウスは。まだ3歳なのに」


アリエスはそう言って頭を撫でて俺を褒めてくれる。ちなみにこちらの世界にもご馳走様はあった。


夕食を食べ終わった俺はリーシェの部屋に向かった。

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