表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/60

SS〜ターニャの聖槍授与式、剣の勇者の師匠はエルフ〜

お久しぶりです。今回もサイドストーリーですね。タイトル通り、ヒロインであるターニャと新キャラが1人登場します。

なお、サイドストーリーは一旦、本編開始までありません。ですが、本編の更新は一体いつになるのでしょうか?作者も分かりません。

もう一つの作品が完結するまで、ブクマなどは外さずにお願いします。絶対に再開はさせますので。

そこは王城のうちの一つの部屋だ。1人の少女がそこには居た。手元には、見るものが見たら分かる業物の槍が立ててあった。


その少女の名前をターニャ・ハザミウムと言う。槍の勇者の……いや、元槍の勇者の娘にして、現槍の勇者でもある。


すなわち、ターニャの手元の槍は、勇者の聖武器、聖槍である。そしてターニャの父親、アルバス・ハザミウムの遺品とも言うかもしれない。


コンコン!


部屋の扉をノックする音が聞こえる。


「……どうぞ……」


ターニャが入室の許可をする。


「失礼します、ターニャ様」


そう言って入ってきたのは、この王城の筆頭執事、アルバンだ。


「なに、アルバン?……あぁ、そう言えば、今日が私の聖槍授与式……だったわね?」


「はい。ターニャ様には急ぎ、ドレスを来ていただき、聖槍授与式に出席して頂きます」


「……はぁ、分かったわよ。出れば良いんでしょ?出れば」


ターニャは面倒臭そうにそう言って立ち上がる。


「ターニャ様、あなたにはこのアークボルト王国の復興の指揮を上げる役目を担って頂きたいのです。……戦争で亡くなられたあなたのお父君の称号。

それを、実の娘が継ぐ。我が国民にとって、これほど盛り上がる展開はありません。7歳のターニャ様にはお辛いでしょうが……どうか、この国の未来のため、お願いします」


アルバンはそう言って頭を下げる。ターニャはそれを冷たい目で見つめ、『はぁ……仕方がないわね。やるわよ、やってやるわよ』と呟いて、部屋を出て行った。


ターニャには感情がほとんど無い。いや、無くなったと言ったほうが正しい。元々はあったのだ。だが、一番大好きだったアルバスが死んでから変わった。


王城で出される豪勢な食事も、無駄にとても広いお風呂も、アクセサリーも、今のターニャの心には響かない。


そんなターニャだが、アルバンの時だけは、言う事を文句を言いながらも聞くのだ。王城の間では都合が良いから、アルバンがターニャの身の世話を担当することになった。


アルバンはアルバスとどこか似ているのだ。名前も似ているが違う。喋り方も全然違う。だけど……雰囲気だけは似ているのだ。ターニャは無意識だが、それによって気を許せているのだ。


ターニャはドレスに着替えた。髪と瞳の色の薄いピンク色に合う?かは分からないが、黒いドレスだった。髪型もいつものツインテールではなく、さらりと長い髪にしてある。


そして、聖槍授与式が始まった。と言っても第一王子……今はハバウルゴス王の代理を務めている、ブルーノ・アークボルトと言う人に、群衆の前で聖槍を長ったらしい文を読み上げられ、その後に聖槍を受け取っただけだった。


ターニャはこうして、槍の勇者と皆に知れ渡った。そしてその三日後、ターニャは王代理のブルーノに呼び出しを受けた。


「……なんですか?」


「いや、君にも見せておいたほうが良いと思う手紙が届いたのでね。差出人は……剣の勇者の息子、ルキウス・グライガルス……だってさ」


ブルーノのその言葉に、ターニャの肩が震えた。ブルーノはそれを見逃さなかった。


「内容は僕が読んで、要約して君に話すよ。……まず……家族がお姉さん以外、皆死んだそうだ」


「……え?……剣の勇者……クラウスさんも?」


「えぇ。ついでに言えば、僕はもう知っていましたよ?この城の地下には、勇者が存命しているかどうかが分かる神器があるんですよ」


神器とは、魔道具の一種ではあるが、魔道具としての力を超える存在に名付けられる物である。ブルーノは再び読み続けていく。


「そして、もうあの村には居ないって事。……何故かとある商人に仕事の斡旋……これはどうでも良いね。

……村の復興支援のお願い。これは悪いけど、辺境の村にまで回すお金なんてほとんどないんだよ」


ブルーノはそう言う。まずは王都を復興させなければ、国としての示しがつかないからだ。そのための一つとして、ターニャと言う勇者がいるとハッタリをしているのだから。


「以上だね……いや、まだあったよ。まさか君について書かれているとは、偶然にしても驚きだよ。……12歳になったら、また王都で会おう。その時は負けないぞ……だってさ。君、なんの勝負するつもり?」


「……別に……」


(……生きてたんだ、ルキウス。……別に死んだとは思ってなかったけど……。私との約束、守ってくれるつもりなんだ。じゃあ、私ももっともっと強くならなきゃ)


そうターニャは思った。


「以上だね。君が良いなら、用事はないから帰ってもらっても結構だよ?」


「そうするわ」


ターニャはそれを聞き、速攻で王室から退室した。その後ろ姿を、ブルーノは見送った。そして、あたりが静まり返った頃に、ブルーノは腕を組んで考える。


(さて……剣の勇者が……クラウスお義兄さんとアリエスが死んだのか。まぁまぁ可愛い妹だったし残念だ。……それにしても、剣の勇者が死んだのに、地下の神器では、剣の勇者は存命していることになっている。神器が壊れたってことは無いだろうから……剣の聖武器は、ルキウス君が所持していると考えて間違いないね)


と、ブルーノは勘違いをした。ルキウスは、自分やナルカが国に戦力として利用されるのを防ぐため、勇者になった事を明かさなかった。


だが、神器の存在は知らなかったため、ブルーノの勘違いを生み出してしまった。ちなみにブルーノは、剣の勇者は杖の勇者に殺されたとも勘違いしている。


事実としては、剣の勇者、杖の勇者は共に死亡し、既に新しい持ち主へと受け継がれている。


そして、ターニャは槍の聖武器を所持している、槍の勇者として、幼いながらも色々活躍をする。師範としては、アルバスが基礎を教えていたため、あまり長くは存在しなかった。


そして、ターニャが気を許せる人物が、筆頭執事アルバンとルキウスの2人になった。


ルキウスとの約束は、無事に果たされるとだけは言っておこう。そしてターニャの生きがいの一つとして、ルキウスとの約束は、心に深く植えつけられた。


***


そこは濃い霧が常に発生している、とある森の奥底だ。そこにはポツンと一軒家がある。


見た感じは森で暮らす狩人が使う山小屋みたいだが、その実、ほとんどを魔道具が埋め尽くされていて、その魔道具を全て、1人の老人の魔力によって動かされていた。


その老人の耳はとんがっている。その耳から分かる通り、エルフだ。肌の色は白いので、ダークエルフではない。


「……ふ〜む、人族の首都陥落……ねぇ。どうせまた少し攻撃しただけで、こんな風に大げさに見出しをしているのじゃろうな」


その老人はパラパラと、新聞みたいに情報が映し出された魔道具を見ている。


「……なんじゃと!剣の勇者が……そうか、そうかのう……まさかあいつが……のう。あいつはとても賢かった。わしの教えをきちんと守り、人間とは思えないほどの魔法の適性を見せた。……その、剣の勇者が……クラウスがのう……寂しいものじゃのう。人間とはいえ、教え子が亡くなるのは」


その老人はそうしみじみと呟いた。寂しい、残念、みたいな感情が声から分かる。


そして発言から分かる通り、この老人はクラウスの魔法の師匠だ。出会った場所はなんと戦場だ。色々あったが、老人はクラウスに魔法を教えた。


そして御三家の一つ、当時はミギリウス家の当主にして、今は前当主である。そしてバレてはいないが、エルフ達のスパイとなった裏切り者でもある。


さらに、のちにルキウスの魔法の師匠にもなる人物だ。名前を、ガセフト・フォン・ミギリウスと言った。


「ふぉっふぉっふぉ。なんじゃろうな〜。時代がどんどん移り変わっていく。そんな感じがするんじゃのう。……嵐が来る、そんな予感もするのう」


ガセフトはそう呟いた。その嵐こそ、ルキウス達である。


面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜』

も、是非読んで見てください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ