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決戦、ルキウスVSミドレファス

ふぅ、なんとか書き終えました。明日も更新します。

「なんだ……これ?」


俺がそう無意識に呟いた。地面には大きなクレーターが出来ていた。あの光はおそらくこのクレーターが出来たことで起こった事だろう。


それよりも、クラウスは?エレザは?ミドレファスは?ミファネリアは?どこに行ったんだ?……全員……無事だ。そして残念ながら、敵の2人も生きている。力の流れを感じる。


クラウスが1人離れている。ミドレファスの近くにエレザとミファネリアが一緒にいる。魔法で引きつけていたか?


とりあえず、クラウスの元に向かう。エレザの元に向かいたいが、俺1人では絶対に勝てない。だが、クラウスの力も弱まっている。まずいな。


……居た。見た感じは結構無事だな。鼻血と口を切った血、耳から血が出ている。一体何をしたんだ?急いで駆け寄り、念のために心臓の動きを確かめる。


トクン……トクン……。


聴こえる。意識は無いようだが、いずれ目を覚ました時に、自分で魔法を使って回復をすればいいレベルのはずだ。


「ん……ルキウスか?」


クラウスの目が覚めた。


「うん……父さん、無事でよかった。ミドレファスもミファネリアも生きているけど、どちらも虫の息だよ。起きれる?」


「あ、あぁ……もう、魔力も力もほとんど残ってないがな。少し肩を貸してくれ」


クラウスは息も絶え絶えでそう言う。一体どんな無理をしたらこんな事になるんだ?


「父さん……もう、絶対に無理はしないでよ?」


「……分かってる。したくてももう出来ない」


あーあ、これ絶対無理するパターンだ。まぁ、させないけど。クラウスは死なせない。俺はそう改めてそう心に決めた。そして、ミドレファスの元へと行き、2人を……殺して、エレザを取り返す。


ミドレファスの元に着いた。幸い気絶している。こちらは凄まじく重症だ。いや、外傷は激しいが、中身は無事かもしれない。逆に、もしかしたらクラウスは中身がボロボロかもしれない。


「く……くそ……」


ミドレファスが起き上がってしまった。もっと早く来て殺しておけば!ミドレファスはこちらを見て、少しだけホッとしたような顔をしてこう言う。


「ふっ……ふははははは!私は、私はまだ負けてはいないわけだ。残念だが、もう魔力がほとんど残っていないが、貴様1人を殺すことぐらいは出来るぞ」


「ちっ!」


ミドレファスの言葉に、俺は正直驚き落胆する。できれば魔力がスッカラカンの方が良かったのだが。クラウスを地面にゆっくり下ろして、剣を抜く。


「ふぅ……『斬刀流奥義!絶空』!」


俺は今日使えるようになったばかりの『絶空』をミドレファスに向けて放つ。


「それは上位互換の技を何度も見たぞ?ふざけているのか?《魔力障壁》!」


ミドレファスは《魔力障壁》を発動する。だが……薄いな。まるでティッシュレベルだ。サクッと斬れそうだが、以外にも持ち堪える。


「くぅっ!やはり、魔力が足りない!」


俺はミドレファスがそれを耐えている間に近づき、真剣を抜きミドレファスに向かって大振りする。


「甘い!」


ミドレファスはそう言ってそれを避ける。相手は武器が無く、魔法も無駄撃ちできない。こちらが圧倒的に有利やはずだ。だが、俺も結構消耗している。剣を持つ握力も、体力も残り少ない。……どうしようか?


「はぁっ!」


「っ!」


俺は真剣を投げる。ミドレファスはそれをまた避ける。良かった、さっきの体勢が崩れていなかったら、もしかしたら武器を奪われていたかもしれない。


まぁ、奪われないだろうと予測して投げたが。さぁ、これでお互い身軽になった。……こっからは体術の出番だ。


「行くぞ!」


俺はミドレファスにそう言って近づき、正拳突きをみぞおちに叩き込む。俺の体術は、言ってしまえば格闘技の良いところだけを取り込んだようなものだ。殴りも蹴りもするし、締めたり投げたりもする。


ミドレファスも、さすがに武器なし近接戦闘経験はないらしいな。魔法に細剣2本だから、無理もないか。


まぁ、俺の実力では、真剣を持った初級剣士程度ならいけるらしいが、それを言ったのはクラウスなので、実際には上級剣士程度だろう。


「くぅ!私は負けない!」


ミドレファスは、そんな足腰を使っていない、力が入りきっていないパンチを繰り出すが、俺はそれを最小の足捌きで避けて、カウンターに顔面パンチをする。


俺はそこを相打ちするかのように、拳を握ってパンチを連打する。ミドレファスはそれを両腕で防ぐが、腰が引けているので全然受けきれていない。


そして、両手が上がったところを狙って、本日何度目かの蹴りが、ミドレファスの腹に入った。


ガッ!


ミドレファスは地面を一度跳ねて転がる。そして、腕を使ってゆっくりと立ち上がろうとする。


俺はそれを待つことなく、さらに腹に蹴りを食らわす。


「がはっ!」


その衝撃でミドレファスは仰向けにひっくり返る。ミドレファスはその痛みを我慢して、そのまま転がって逃げ、中腰に立ち上がる。


「はぁ……はぁ……」


ミドレファスは腹を抑えている。本来なら魔法を使っているはずだが、そんなことに使える魔力も、もう残っていないのだろう。


「くそ……こんなはずでは……」


「そうだな。俺も家族を殺されて怒ってるんだ。……ミファネリアが俺たちにしようとした拷問でもしてから殺してやるよ」


俺はそう言って右足を前に出し、拳を構える。ミドレファスも顔の前に片手を、もう片方の手で腹あたりに構える。


「はぁっ!」


俺はそう叫んで近づく。大振りに右からの拳を、顔に向けて殴ろうとする。


「くっ!」


それに釣られて、腹にあった手を顔に向けて、顔を守ろうとする。


「やぁっ!」


俺はそのがら空きの腹に、回転を加えた左手の拳を叩き込む。臓物へのダメージもあって欲しいという工夫だ。


やはり、肉弾戦には慣れていないのだろう。いや、対肉弾戦なら慣れている。多少の動きからもそれは分かるが、自分自身は武器や魔法を使っていたから、自分が肉弾戦をするのには慣れていないのだろう。


「くっ!」


ミドレファスもパンチを繰り出してくるが、俺は右足が前に出ている状態から、左足を前に出してパンチを避ける。さらに、その無防備に伸びた腕を掴み、そのまま投げる。


「……がっ、はっ……」


本当なら投げ飛ばしたかったが、体格差的に無理だった。一般的な成人男性レベルなら出来たはずだが、一応は鍛えているらしいな。


「さぁ立て。まだまだ終わりじゃないぞ?みんなを殺したんだ。お前がそんな楽に死ねるわけないだろう?本当なら今すぐにでも、首の骨をへし折ってやりたいんだぞ?」


俺はミドレファスに向けてそう言う。ミドレファスは、少しだけ怯えた表情を見せた。良い、すごく良い。……はっ!俺は何を考えて……家族を殺されて、おかしくなっているのか?


俺がそんな動揺を見せているうちに、ミドレファスとは違う方向から、攻撃魔法が飛んできた。俺はそのことに気づくのが遅れ、避けはしたものの、掠って服が破けてしまった。


慌ててその方向を見ると、ミファネリアが起き上がっていた。俺の方に攻撃魔法を飛ばしたのはミファネリアらしいな。魔力も残っているだろうからまずいな。


……もし、ミドレファスに魔力を譲渡でもされたら、俺の負けは確定する。ミファネリアは、先に俺の方を無力化したいのだろう。クラウスは動けないから、いつでも()れるしな。


ミファネリアは立ち上がり、クラウスを睨みつけながらも、ミドレファスの元に行く。何か魔法でしゃべっているのだろう。残念ながら、俺には聞こえーー。


【すみません。遅くなりました。僕が気絶していたせいです。……先にクラウスを片付けてよろしいですか?】


【ふぅ……構わないが、奴を私が足止めできるかは分からないぞ?】


そんな声が聞こえた。なんだこれ?…………もしかして、魔法で現在喋っていることか?だとしたら、俺は2人の会話を傍受していることになる。


そして、ミファネリアはクラウスを狙うつもりということも分かった。俺は急いでクラウスの前に立つ。2人は少し驚いたような顔をした。


やっぱり間違ってなかった。俺は2人の会話を傍受していたのだ。……ちょっと待て、じゃあ、あれがミファネリアの口調?……嘘だろ!別人じゃないか!


「……つくづく僕をイラつかせるのが得意だね?さすがはゴミクズの息子か」


「そのゴミクズとその息子に良いようにされてたお前はそれ以下だな」


ミファネリアの暴言に、俺は暴言で返す。その言葉に、ミファネリアはひたいに青筋を浮かべた。


「ふぅ……殺す!《嵐槍(エアリアルランス)》!」


空気を凝固させ、槍の形にした《嵐槍》がいくつも作られ、俺に向かって突っ込んでくる。嵐のような風を纏って速度が上がっている。


後ろにジャンプしながら避ける。そしてそのまま一回転をして着地をした。その瞬間を狙われて、二本の《嵐槍》が上空から降り注ぐ。


「《魔力障壁》!」


俺がそう唱えると《魔力障壁》が発動し、ミファネリアの《嵐槍》を防ぐ。


「私を忘れてもらっては困る。2対1と、子供相手に卑怯な気はするのが心苦しいがな」


ミドレファスが俺の腹に向かって拳を放とうとしてくる。やはり近接戦闘、魔力はほとんど無いのだろう。


「くっ!」


とっさに後ろに飛ぶことで、威力を弱めた。だが、それでもダメージが0にはならずに吹っ飛ぶ。だが、それを受け止めた人がいた。クラウスだった。


「ぐぅ!」


「と、父さん!無理をしたらダメだって!」


「子供が戦っているのに、ただ寝てみているだけなんて出来るか!子供のために無理をするのは親の義務だ!」


クラウスはそう言って戦おうとする。俺はそれを止めたかった。だが、止めらなかった。その気迫と闘志の凄さでだ。


「ルキウス、やるぞ!」


「はい父さん!」


俺たちがそう言っている間に、向こうも話をつけたらしい。ミファネリアが、ミドレファスの心臓部分に手を当てている。ミファネリアの力が、ミドレファスに移っていくのが分かる。


「さて、魔力が戻った以上、早速お前にやられた借りを返せるようだ」


ミドレファスはそう言って、細剣を拾い直す。俺もまた、真剣を拾い直した。


さぁ、終わりにしよう……決戦だ。

面白かったら感想、誤字脱字報告、ブクマ、ptお願いします。

あと、私のもう1つの連載作品の

『目覚めて始まる異世界生活〜チートが無くても頑張って生きてみる件〜』

も、是非読んで見てください。

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