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魔法について

第8話

「あ”あああああああー」


飯屋で料理を待ちながら机に突っ伏すと思わずそんな声が出る。

非常に長い一日だった。というかスクエアタートル何か二度と狩らねえ、総心に強く決意する。

確かにモンスターがあれだけおとなしいことはないだろう危険はない、だが今日の作業で銀貨3枚は絶対に割が合わない。

というか駆け出しにしてはレベルが高い方の竜治でこれだけ苦戦するのである。他の駆け出し達では果たして倒すことができるのかハタハタ疑問である。

レベルと言えば今回のクエストでまた2上昇した、これでレベル9である。

たった数日で初心者卒業が見えてきたのだが果たしてこれでいいのだろうか。

因みに今回新しくスキルを獲得したおかげかじっくりステータスを確認することができ一応メモすることもできた。因みにこんな感じである


山中竜治

Lv 9

Str 67

Def 53

Int 32

Agl 49

Luk 67


スキル:異世界探索 加護(経験知獲得時?倍)  命中補正(少し攻撃が当たりやすくなる)

撲殺魔「鈍器攻撃時ATK1.5倍」


正直他に比べる人がいないためこのパラメーターが強いのかどうかが良くわからない。

こんな時に鑑定スキル的なものがあると比べることができるのだろうか。

スキルに関しては”異世界探索”、これは全くわからない。冒険をするときに何か補正がかかるということでいいのだろうか。

次に”加護”これは非常にありがたいのだが、まず加護がスキルというのがよくわからない。加護は加護なんじゃないのか、それに経験値?倍というのも怪しい。これは一回一回獲得量が変化するということでいいのだろうか。相手の経験値量がわからないので検証しようがない。

命中補正、これはめちゃくちゃありがたい、おそらくこちらに来て最初にお知らせのあったスキルだろう。結構大ぶりな攻撃でもしっかり相手に当てることができていたのはきっとこれのおかげだ。拝みたくなってくる。

最後の撲殺魔、これには何も言うまい。ただ好き好んで撲殺をしていたわけではないということだけははっきりと主張させてほしい。

とまあ今のスキルはこんな感じである。意味のわからないものもあるがこれからの生活に役立つ有用なものも多いのはありがたいことである。

そんな事を考えているとようやく食事が運ばれてくる。今日の食事は唐揚げ定食、銅貨3枚である。このあたりの食文化が日本と同じであるというのは非常にありがたい。

肉もきっと普通のニワトリであってほしいと思いながら、空揚げに齧り付くのだった。



昨日も止まったのは前回と同じ宿だった。なかは狭くてぼろいが、あまりお金がないのでそこは贅沢を言っていられない。

今日も日課になりつつあるパンを買って街を歩く。

今日の目的地はいつもの冒険者ギルドと違い図書館だ。

というのも昨日スキルを書き出していてふと気が付いたのだステータスの項目にある”Int”の文字、これはゲームなどで言うところの魔法関係のステータスになる。

今まではろくにステータスも見れなかったため気にすることもできなかったのだが、これが実際に魔法に関するステータスであるのならこの世界には魔法が存在することになる。

魔法、魔法である。これにテンションが上がらないはずがあろうか。

子供のころにゲームやアニメの技を真似した記憶がよみがえる。その力を使うことができるかもしれないのだ。

そこで考えたのは図書館である。竜治は意気揚々と図書館を探して歩き始めた。


ようやく目的の場所を見つけ中に入る。どうやらここも日本と同じようにPCで本を検索することができるらしい。

取りあえず”魔法”と打ち込んでみる。”検索結果 45,281”流石に多すぎる。次に”魔法 初心者”と打ち込む。”検索結果 385”どうやら初心者用でもかなりの数があるらしい。

取りあえずその中から”サルでもわかる魔法講座” ”始めるなら今、一週間で身に付く魔法”の二冊を選んで探しにいく。そこはかとなくバカにされているようなタイトルだが、他意はないと信じたい。

本を探し出しあいてる席に座り本を開き竜治は読書に没頭していった。


「ふぅ」


読んでいた本から顔をあげる。お腹のすき具合から結構いい時間夢中になっていたようだ。

ここまで本で得た知識によるとこの世界の魔法は竜治の考えていたようなものとは少し違うらしい。

この世界の人には皆魔力を持っている。ただしその魔力でそのまま魔法を発現出来る人は非常に珍しいとのこと。

なので国のお抱えになったりと将来の進路には苦労することが全くないらしい。人生イージーモードである。

この人たちはそのまま魔法を使うことができるのだが、それ以外の人には補助器具が必要らしい。

それがマジックカードと呼ばれるもので、魔石と呼ばれる石を砕きそれを加工してカードに呪文を書いたもの。

これに魔力を通すことで一般の人でも魔法が使えるようになるらしい。

ただこれには欠点がいくつかあり、必ずカードを手に持たないと使用できない点カードの呪文から魔法が出るため、カードの向きを間違えると見当違いの方向や自分に向かってくることがある点、複数枚重ねて使用すると複数の魔法が暴発し爆発する点、回数制限がある点など様々な欠点があるようだ。

更にこのマジックカードというか魔法については適性のあるものしか使うことができないのだが、それでも使用回数は1回減ってしまうとのこと。なので一度売ったカードを好感してくれることはないらしい。

つまりマジックカードを購入してもそのままゴミになってしまうこともあるとのこと。

このマジックカードは専門店――マジックショップがあるらしくそこに行けば販売されているとことだった。

取りあえずこの世界の魔法について学んだ竜治は実物を見るべくマジックショップを探して図書館を後にした。


それからあっさりとマジックショップは見つかった、というか利用している武器屋の隣だった。周りが見えているようで意外と見えていなかったようだ。

ドアを開け店内を見渡すとガラスケースに入ったカードたちに出迎えられる。その光景はも説いた世界のトレーディングカードを扱う店のようだ。

整然と並べられたカードたちを見てみるとそれぞれのカードには呪文の名前のみが書かれており、説明文などは一切書いていない。

ただファイエなど言葉から連想できるものも多いため買う時の混乱はほとんどないだろう、というか店員さんに聞けば教えてくれるだろう。

そしてこのカード達であるが皆それなりの値段がする。回数制限があるにもかかわらず最低値が銀貨1枚である。

回数制限については今はほとんど見ることのなくなったテレホンカードのように端に10、25、50と数字が書かれているため使うたびに穴でもあくのだろうと予想ができる。

取りあえずどうしようか非常に悩む。もとより所持金が少ないので最低銀貨1枚となると購入にためらいが生じる。

メイスなどはないと生活に困るため悩むことはなかったが、魔法ははっきり言って趣味になりそうだ。現状なくても困りはしない。

だがはっきり言って魔法はロマンである、使ってみたいと思うのは仕方のないことだろう。

ただそれでもゴミになるかもしれないものに銀貨1枚……非常に悩むところである。

延々と悩み続ける竜治の姿がその店にはあった。


結局その後悩みに悩んだ末ファイエのカードだけ購入した竜治。このカードを購入した理由はやはり魔法と言ったら炎だろうという勝手な憧れからである。

一応不安になって店員さんに確認したところこの魔法はバレーボール大の炎の玉を謝しつする魔法とのことで想像の中の知識で言うところのファイアーボールのような魔法らしい。

ただ買った直後はテンションの高かった竜治だが、さまざまな欠点を思い出すと次第にその足取りは重くなってしまった。

しかし買ってしまったものはしょうがない、もう後には戻れないのである。

取りあえず今はお昼を回ったぐらい、魔法も試してみたかったこともあり、その足で冒険者ギルドに向かうのであった。


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