表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

1 目覚め

「ここは………どこだ?」

目が覚めて最初に目に入ったのは見慣れた天井ではなく、雲ひとつない空だった。

周りを見てみると人、人、人だ。

ただし、普通の人間だけでは無かった。

獣の耳や尻尾を着けたやつや、毛むくじゃらのやつ。

果ては全身を鱗で覆われた蜥蜴みたいなのもいた。

だけど、それらには全て首輪がつけられていた。


「なんだ夢か」

すぐに夢とは気付けなかった。

夢と言えば、それは悪夢だったからだ。

大抵は大勢から袋叩きに合う夢。

寝ても覚めても地獄。

いよいよ明日は決行日だ。

気の高ぶりからおかしな夢を見ているのかもしれない。


ここは大通りのようだ。

道行く人が俺のことを見ては顔をしかめている。

ふと、自分の姿をみるとどこもおかしいところはない。

いつも通りのボロい服を着ている。


「おい!」

しかし、リアルな夢だ。

いつ覚めるのだろうか。

「おい!!お前聞いているのか!!」

えっ!!

前を見ると、大柄の騎士風の男がこちらを睨んでいた。

「お前そこで何をしている。通行の邪魔だ」

「あっあー、すみません」

慌てて道の端に移動する。


「その奇妙な格好はなんだ?お前特区の人間じゃないな。どうやって潜り込んだか知らんが、カードを見せてみろ!」

んっ?カード?何のことだ?

「早くしろ!!」

「いや、早くしろと言われても…」

俺にどうしろと…。

「貴様抵抗する気か!」

してません。

「もしや、汚れた血か!許せん!!」

いや、何それ。俺に喋らせろ。

その瞬間警棒で殴られ、再び俺の意識は闇に消えていった。



「ここは………どこだ?」

俺は今日2度目となる言葉を吐いた。

暗い。臭い。汚い。

そんな言葉しか出てこない場所だった。

ここは部屋か?

部屋には扉と隅にトイレのようなスペースがある。

換気口のようなものもあるが、この臭さだと本当に機能しているのか疑問だった。


「トイレってこれじゃ丸見えだろ………」

周りにはたくさんの人?がいた。

ほとんどが外見がおかしい連中ばかりだった。

20人はいるだろうか。

全員多分男だろう。

俺のような人間は他に2人だけだった。


大通りで見たように、皆首輪をしていた。

そして、何故か俺の首にも首輪があった。

声を出したことで何人かがこちらを見たが、すぐに興味無さげに寝だした。


ガンガンガン

「お前ら仕事の時間だ!早くしろ!!」

さっきと同じような騎士風の男が激を飛ばす。

それに、呼応するように周りの奴らがのそのそと移動しだした。

俺もそれに習って移動する。

こういう場合は極力目立たない方が良い。

経験則でそれを知っていた。


暗い通路を移動すると、突然広い洞窟のような場所に出た。

ゴツゴツした岩肌が所々に見え、首輪をつけた奴らが黙々と掘っていた。

「お前らも早く掘れ!貴様らのような卑しい血でも我々のために生きられるのだ。感謝するが良い!」


そこから俺の新しい生活が始まった。

続きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ