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絶望と共に歩く少女  作者: 皇 欠
―幼少編―
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プロローグ

おはよう、こんにちわ、こんばんわ。「MUSIQUE OF MAGIE ONLINE」に続きまして転生物書いてみました。ストックはありますが、なくなったら1週間更新できなくなるかもしれません。ご了承ください。


また今回犯罪行為がありますが、皆さん絶対してはダメですよ!


それでは絶望と共に歩く少女……どうぞ。

私は絶望に魅入られていた。絶望が家族で、絶望が友達で、絶望が恋人で、絶望が夫だった。

人に絶望し、環境に絶望し、生まれに絶望し、世界に絶望した。希望を望まなかったわけではない。いや私ほど切に希望を願った人間もいないだろう。でもそれは全て徒労で無駄で、無価値だった。


私の絶望はある一点に起因している。それは私が生まれた時持っている不可思議な能力だ。何もない虚空から鉄の球体やただの土塊を生み出す事が出来た。いとも容易く手足を扱うよりも簡単に作りだす事が出来る。


そんな私に恐怖したのだろう生まれたばかりの私を孤児院の前に置き去りにした。もちろんこの頃の記憶は私にはない。自分で勝手に推測しただけだ。他に理由があったとしても親が私を捨てた事実が変わることがない。私を拾ってくれた先生達には感謝してる。だけどどうせならそのまま見捨ててくれたら私はこんなにも悩む事はなかっただろう。生きる事が辛いと思わなかっただろう。


きっかけは……なんだっただろう。確か、私と同じ孤児院の女の子が大事にしていた宝物を能力を使って直してあげたその現場を大人の誰かに見られたのだっただろうか。大人の態度は子供にも伝染する。大人が気味悪がって私から距離を取れば、子供も影響されて私から離れて行った。宝物を直してあげた子も気持ち悪いものを見るように距離を取っていった。それが10年間我ながらよく耐えられたものだ。


まぁきっかけなどどうでもいい。


時期は4月の夜、とにもかくにも私はその空気の中にいるのが嫌で10年間過ごした孤児院を飛び出した。財政的問題で学校には通う事は出来なかった。その代わりこの10年で生きる為に必要な知識を身に付け、自分の能力を理解するために全力を尽くした。


孤児院を出た私がまずした事は眠る場所の確保だ。私の心は早熟に育ったが、体はまだ10歳平均の成長よりも遅いくらいだ。外で寝泊まりしていようものならすぐに補導されるのがオチだろう。ゆえに私は裏通りを練り歩き、セキュリティが甘い建物を探して歩いた。歩く事15分目測よりも遥かに速く目的の建物は見つかった。築50年は経っていると思われる2階立てのボロアパートを見つけた。

その一階の一番奥の部屋、誰も住んでいない事を確認してドアの前に立つ。一度左右を確認して人影がないのを確かめて左手をドアノブに、右手を虚空で何かを掴むような手付きをする。


左手に触れるドアノブから中の構造を認識して、それに合う鍵を右手から生み出す。

簡素な持ち手の鍵を生み出した。


鍵を差しこみ解錠した。ノブはあっさり回り、ドアは開く。中は畳の六畳一間の狭い室内。流しとコンロが一つのキッチン、扉の向こうにはバスルームがあるのだろう。

小さく狭い部屋だが私くらいの子供が一人暮らしするには十分過ぎる部屋だ。


各種設備のチェックは後回しにしてとりあえず今日は寝ようと孤児院から拝借してきた毛布を体に巻き付け部屋の真ん中で丸くなりながら眠りに着いた。


――-翌朝


私は肌寒さで目を覚ました。どこからか隙間風が入って来ているのだろう。まぁそこら辺は後々改善して行くとして住む所は確保した(不法占拠)が次は資金の調達をしなければならない。このご時世お金さえあれば大抵の事に困る事はない。私みたいな10歳の子供を働かせてくれる場所などあるはずもない。ということで私はお金を手に入れる為に別の方法を使うべくまだ朝も早いうちに外へ繰り出した。これまた孤児院から軍資金として頂いたなけなしのお金で近くのコンビニで一番安いおにぎりを一つ買ってそれをゆっくりパクつきながら住宅街の中を歩く。


私を早足で追い越していくサラリーマン。友達同士楽しそうに話しながら登校する学生の姿。その全員が全員私に一瞥をくれるがすぐに興味なさげに去っていく。私は彼・彼女らを視界から意識的に除外して、目的に合う家を探す。狙いは3~4人家族で子供が学校に行き、両親が共働きしていて誰もいなくなった家だ。そういう家は経済力があり、また私が家に近づいたとしても不思議に思われる可能性が減るからだ。不審に思われたとしても子供の友達という事にしてしまえば誤魔化すのも容易い。


条件に当てはまる家を探してぶらぶらと歩いて行く。通りを人がようやくいなくなったところで私も目的の家を見つけた。二階立ての一戸建て。家の中には気配はなく庭には子供用の自転車がある。

私はアパートの時と同様の方法で作り出し、なんなく家の中に侵入する。


玄関に上がりこんだ私は後ろ手に鍵を掛けて家の中に入りこむ。ここで手当たり次第に漁ってしまっては空き巣が入ったと自らバラすようなもの。箪笥や机の下に隠してあったへそくりを1枚だけ抜き取り、各所から少量ずつ抜き取りその家を後にする。手に入れた万札を胸の内ポケットにねじ込んで次の家を探した。


日が丁度真上に達した所潮時として今日の資金調達を終えた。そこそこに稼げたと満足しながら帰路に付く。さっそくそのお金を使って朝取り損ねた分多く昼を食べる。


犯罪に手を染めているとはいえ、何もかも順調に事が運び、私はこれからもこうやって誰にも縛られず、蔑まれず、憎まれず、恐れられもしない人生を歩めるのだと考えていた。でも私は神様にどれだけ嫌われているのだろう。


気付いた時には手遅れだった。


プップー。耳に響く軽い音。その音がなんなのかはすぐに検討は付いたが、その後の事の帰結への予想が甘かった。音の発生源であろう方向に体を向けると私の視界を埋め尽くしていたのは、車のボンネットと恐怖に引き攣る男の顔だった。


私の体は高々と宙に舞い上がり、次いで地面に叩きつけられる。痛みはなくなぜか妙に冴えてる頭を使って生きる方法を考える。だが考える事は出来ても纏まらず霧散していくだけだ。

視界の端に見える赤色から自分がもう助からない量の出血をしている事が分かり、無駄な努力を諦めて潔く目を閉じた。


如何でしたでしょうか?

まだプロローグだけなのでそんなこといわれても困りますよねw?

必ず完結させますので長い目でいただけると幸いです。

ではまた来週お願いします。

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