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放課後の掃除時間


ガヤガヤ…ワイワイ…ガヤガヤ…


「お前数B何点いけそー?」


「……計算ミスったからワンチャン赤点かも、」


「まじかよ、…実は俺も、」


「「ハハハハハ!!」」



クラスメイト達が談笑している声が聞こえてくる。

今日はテスト最終日、なので3時間しか学校が無い。テストが終わった事で朝はピリピリしていた教室がいつもの穏やか教室に戻っていた。

今は掃除の時間で、僕はもうこの黒板消しをバンバンっと叩いて粉落としたら家に帰れるのだ。

「でもこの作業粉飛んで制服に付いたりするから嫌なんだよなぁ、」

と小声で独り言を言いながら僕は黒板消しをバンバンした。あー早く帰ってゲームやったり動画みたりしたい…


「田中さーん!田中さーん!」

廊下の水道でバンバンした後に散った粉を流す為に水道の蛇口を開けていると、誰かの駆け寄ってくる足音が聞こえて来た。

「田中さん今回のテストどうだった?上手く行った?」

廊下で掃き掃除の当番をしていた鈴木さんだった。


「…け、結構上手くいきましたよ」

大嘘である。

前回、テストを舐め切っていた僕はノー勉で挑み殆どの教科で赤点ギリギリの点数を記録した、流石に次は頑張ろうと大好きだったゲーム、動画視聴、趣味の絵描き、2週間前から封印して勉強に励んだ。のだが…普通に難しかった。特に数II、物理、化学が特に酷かった、惨敗という言葉が相応しい。その他の教科もお察しである。


「へー良いなー!私も田中さんみたいに勉強できる頭なら良かったのにー、」


「……」

感心している表情でこっちを見てくる、どうでも良い事で嘘を付いた事に対して良心が痛んだ感じがした。


「うーん、」

「あ!田中さん!私に勉強教えてくれない?」


「ちなみに…な、なんの教科を教えて欲しい感じですか?」

何やってんだ僕はアホか。僕は教える側じゃなくて教えて貰う側だろどう考えても、頼む…歴史か保健のどちらかであってくれ、唯一の得意教科なんだ、


「今回の物理結構難しかったんだよねー、恥ずかしい話なんだけど私あんまり解けなくてさー、」

鈴木さんは照れくさそうに前髪を触りながらそう言った。


「今回70点切っちゃうかも知れないんだ、

      だから!!

      田中さん!!

       に! !

      物理を!!

    教えてもらいたいのです!!」

ドドンッ!と吹き出しが付きそうな勢いで段階を付けながら僕に迫ってくる。

さて…どうしましょうか、

①後で話そうと言って黒板消ししてバンバンを持ち帰る。

②何かしらで鈴木さんの注意を引いてその隙に撤退。

③見栄を張った嘘だったと素直に謝る。

……………

よし、②の案で行こう。(田中ハジコホシンニハシッタ)


「勿論良いで__あっ!鈴木さん後ろにクマバチが!」

鈴木さんの後ろを指さす、よし、これで本当は承諾する意思があった様に演技する事ができた、頼む…後ろを向いてくれ鈴木さん!


「えっ?!うそっ!ドコドコ!」

物凄い速さで振り向いてキョロキョロと辺りを見渡している!今のうちにダッシュで!ウサイン・ボルトの様に!


「んー?田中さんクマバチなんて居ないよー?

って…えぇっ!!」


「スズキサーン!ボク!ショクインシツニイッテサッチュウスプレートッテクルアルネー」ビューン

フェイドアウトする様に廊下を走っていく僕を認識する鈴木さん


「ちょっと田中さん大丈夫だってクマバチ居ないよー!?

…………もー、逃げられちゃった、

あっ!田中さーん!!この先には赤崎先生が居る教室がっ!」


へへ、申し訳ない鈴木さん!何か言っている様だけれど僕は突き進むぜ…このお詫びはいつか必ず返__


ガラゴラゴラ……

「おいゴルァ!!!!

   田中ァ!廊下走ってんじゃねぇぞ!!!」

僕はおわった。











「田中お前なぁ、廊下走るなって先週の朝礼でも教頭の浅野先生から言われたばっかりだろ?」


「はい……」


「もう忘れちまったのか?この前も2年の奴らがふざけて廊下走って時に他の生徒にぶつかって問題になったの学級委員のお前なら知ってんだろ?」


「ハイ………」


「お前なぁ学級委員ならもっと生徒の見本となる様な行動を常日頃からやってなきゃいけないんだよ」


「すみませんでした、」


この後、僕は赤崎先生に廊下を走るなと廊下で公開説教を赤崎先生直々で10分間ほど続けられた。


「はぁ、やっと解放された…」

赤崎先生の説教からようやく解放された僕に鈴木さんが話しかけて来た。


「田中さん……大丈夫? 怒られちゃったね」

「あ、あはは……まあ、学級委員としてあるまじき行為だったからね……」

僕は平然を装っていたけど多分顔が赤くなっていたと思う。鈴木さんに公開説教をずっと見られていたと考えると死にたくなるほど恥ずかしい、


「あ。田中さん!そういえばさっきまで持ってた黒板消しは?」


「ん?あれ?どこに置いて……あ」

今度は怒られないように小走りでさっきまで居た水道を除くとそこには水に浸かっている二つの黒板消しの姿があった。まるで水に沈みゆくタイタニックの様だった。


「僕のバンバンが………」


「僕のバンバン、?」

鈴木さんに奇怪な目で見られながら僕はバンバンをバンバンして水を落とした。


「田中さん田中さんバンバンってなに?」


「………」


「田中さーん?田中さーん!無視しないでよー!」

この日を境に鈴木さんは僕にバンバンは何なのか聞いてくる様になった。


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