第十一話 フォレストリザード討伐
誤字脱字ありましたら、教えてくださると助かります。
悪い顔したフェレナさんから「ねぇ、アユム君のあの鉄の箱出すやつって自由自在に出せるのよね?」
「店舗出店の事ですか?」
「店舗出店がなんだかわからないけど、その事よ」
「はい、出せますよ」
「良し!ならあたしが合図したら出して貰える?」
「え!何するんですか?」
「フォレストリザードを倒すのに使おうと思って…」
「えーー、嫌ですよ」
「えー、いいじゃない、少しは協力してくれてもぉー」
「そもそも、あれはお客様をもてなす為の店舗なんですから、そんなことには使えないです」
「ちぇっ、ケチ!」
「フェレナさんも喜んでくれたじゃないですか、それにあの箱が壊れたら美味しい食事できなくなりますけど、それでもいいんですか?」
「グヌヌ……」
フェレナさんと店舗出店のスキルを使うか使わないかで揉めていたとき…
「解」「店舗出店で出した店舗が壊れても、収納すれば元に戻ります」
久々にレストの声を聞いた気がする……元に戻るとは言っても、タイミング良く出してフォレストリザードを押しつぶすとかできない気がするが…「解」「渉様のイメージによってタイミングよく店舗を出すことが可能です」
「マジで!あ、やべっ…」
思わず声に出してしまって、慌てて口を塞ぐ…フェレナさんがびっくりした顔をしている。
「急に声あげてどうしたの?」
「いや…気にしないでください」
「まぁ、いいわ。それで、どうすんの?鉄の箱出せるの?」
「わかりました。タイミング任せますね 」
「良かったわ、じゃ、今から行ってくるから合図したらよろしくね」
そう言うとフェレナさんは短剣を構えてフォレストリザードの住処の場所に向かっていった。
離れてフェレナさんを見ていたとき、フェレナさんがいきなり短剣を見えない場所に振り下ろした、すると見えてないはずなのに地面に真っ赤な鮮血が飛び散った…「ぐぎゃっ…」微かな声が聞こえるが姿は見えない…俺は恐怖しながらも、フェレナさんからの合図を待つ…あれ?合図サイン聞いてないんですけど…フェレナさん…どれが合図ですかぁ?
合図を聞いてないので、どうしたらいいか迷っているとフェレナさんがこっちに向かって走ってきた…
「アユム君!3、2、1数えるから、あたしの後ろに出してね、タイミング任せるからね」
「わかりました」
そう言うと再び元の場所に戻って行った…
ようやく合図を教えてもらい、ひとまず安心したもののすぐにフェレナさんから合図が来た。
「3、2、1」
ゼロのタイミングで店舗出店のスキルをフェレナさんの後ろに出るように店舗を出現させた。
「グシャリ」と気味が悪い音がしてフォレストリザードの頭が潰れて横たわっていた…その数3体。
「アユム君、バッチリだったよ」
「うまくいって良かったです。それにしてもエグいですね…」
「まぁ、それは仕方ないでしょ」
「後、2体討伐しないといけないんですよね?」
「フッフッフそう思うでしょ?あっちの方を見てみるのだ」
そう言って指を後ろに向ける。指を向けた方を見ると2体のフォレストリザードが横たわっていた。
「凄い!いつの間に…流石Cランク冒険者」
「さてと、討伐の証拠を取って、残りはアユム君アイテムボックスにしまっておいて」
「わかりました、この後の行動はどうしましょう?」
「この後は、すぐ移動して取り敢えず森から出よう」
この後、2人で急ぎ森の入り口に向かって歩き出し、森林を抜けた頃には日が落ち始めていた…
フェレナさんと話しながら歩く帰り道、クタクタになりながらも今日の荷物持ちとして取り敢えず頑張れたかな…明日も依頼受けると言っていたし、しばらくは冒険者の荷物持ちとしてお金を稼ぐ生活になるだろうと俺は思っていた。
パナットの町が見え、門番のナットさんに通行料をフェレナさんに出してもらい、中に入ったあと宿に着き、フェレナさんは冒険者ギルドへ討伐依頼の達成報告に向かっていったのだった…。
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