第十話 俺のスキルは規格外のスキルだった件
少し短めです。
固有スキル(レストラン)を使用し、倉庫タイプの店舗を使って食事を終えて外に出てきた。
「もぅー、意味がわかんない」
「えーと、何がですか?」
「この部屋の事と、料理についてよ」
「やっぱりまずかったですかね?」
「いや、すっごく美味しかったよ」
「いや、そうじゃなくて…スキル使用したことに関してですけど」
「え?そっち?んー、多分だけどあたし以外にはなるべく見せないほうが良いと思う」
「やっぱり…なんかそんな感じしました。フェレナさんめちゃくちゃ驚いた顔してましたし…」
「そりゃ驚くよ、目の前に鉄の箱が急に現れて、部屋になってるとか常識外れもいいとこよ」
「それに、あんなに美味しい食事ができるなんて。あたし料理はただ、お腹を満たすだけのものって考えで生きてきたのに、どうしてくれるの?」
「え…そんなこと言われても……」
「嘘、嘘 、冗談よ〜やっぱりアユム君荷物持ちにして正解だったって思えたもん」
「あはは…まだ、依頼何もしてないですけどね…」
「よし、お腹も元気もバッチリだし、森の中に入ろうか!」
「はい、よろしくお願いします。」
そうして、俺達2人は森林の中に入るのだった…。
★
森林の中に入ると、森の外でフェレナさんが言っていたように、様々な魔物が現れた。
ゲームの定番であるスライムやゴブリン、ホーンラビットなどのモンスターが現れる度にフェレナさんが瞬殺して行く。
渉は魔物が現れる度に顔が引きつり、心臓が破裂するんじゃないかと思うくらいの恐怖しながらフェレナさんにくっついてまわった。
「ねー、こんな雑魚の魔物にびびってどうすんのさ、まだEランクの冒険者が倒せるくらいの魔物だよ?」
「いやいや、無理言わないでくださいよ」
こちとら平和な日本に住んで、○ーターラビットとかメルヘンチックなものに慣れ親しんできたんだから、いきなり現れた魔物にビビるなと言う方がおかしい!なんて言えないのを歯噛みしながらフェレナさんに言われ放題にされるのだった。
「倒した魔物は解体とかしないんですか?」
「んー、時間もかかるし、目的の依頼の魔物を解体して持って帰りたいから、そのまま放置していくしかないね」
「そうなんですか、あの…スキル見せた後で言うのが非常に心苦しいのですが…アイテムボックスも持っているのでそれに入れちゃって大丈夫ですか?」
ポカーンと口を開け固まってるフェレナさん…あちゃー、また、やっちまったか…
「ア、ア、アイテムボックス!アユム君持ってるの?」
「はい…持ってます。後…ついでに言うと鑑定スキルも持ってますね」
「はぁ…もう規格外ねアユム君は…もう無い?隠し持ってる規格外スキルは?」
「無いです。もう全部言いました。」
「わかったわ。アユム君、君のスキルは貴族とか私利私欲の為に動く冒険者などに狙われる危険なスキルだと言うことを覚えておきなさい。」
ゴクリとツバを飲み込んでコクコクと頷く…
「わ、わかりました、肝に命じます」
「それなら、アイテムボックスに片っ端から入れておいて、後で解体するから」
「わかりました」
そう言って、俺は片っ端から魔物の死骸をアイテムボックスに入れていく、チャージを押さなければ、普通にアイテムボックスに残るので取り出しも自由自在。
それにしても、すごい数の魔物が現れるがこれが普通なのかな?
フェレナさんに聞いてみたら、この森では普通とのこと、怖すぎる…一人でポッテ村から、寄り道しながらパナットの町まで来たことを思い出して顔が青くなる…。また思い出してしまった…
しばらく魔物を倒しつつ、森の奥へと進んだときにフェレナさんから、止まってと手で遮られた。
「フォレストリザードの住処についたみたい」
緊張が走る…フェレナさんから教えてもらい魔物の能力を知っているけど、知ってるだけで俺には何もできない。
そう思ってフェレナさんの顔を見てみると、なんだか悪い顔をしていたのだった…
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