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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

百合短編

放課後の弁明(べんめい)

作者: 転生新語

他サイトでの企画で、777字ジャストの百合短編を書いてみました。

英子「貴女(あなた)は私というものがありながら、美子と浮気(うわき)しました。(みと)めますね?」

私「(みと)めません」

美子「ええっ!?」


 いや、『ええっ!?』って言っちゃダメでしょ、美子ちゃん。私が()(わけ)してるんだから調子(ちょうし)()わせなさいよ。可愛(かわい)いなぁ、もう。

 女子三人しか()ない教室で、裁判(さいばん)ごっこが()(ひろ)げられている。卒業を(ひか)えた私達は、学校に遊びに来てるようなものだった。


私「再確認しましょう、まず英子。貴女は昨年、私に『好きです。付き合ってください』と言いました。そうでしたね?」

英子「はい、その通りです」


 言い訳してる私が、何だか裁判長みたいになっている。別にいいよね? 三人しか居ないし、全員が当事者(とうじしゃ)なんだから。


私「その時、どう答えたかは、お(たが)いにテン()ってたので記憶に無いですが。確か、『お友達から始めましょう』という結論になったと思います。ですよね?」

英子「はい……そんな感じだったと思います」


 英子は(おぼ)えてないけど、これは(うそ)である。私は恋人として、英子と付き合うと実際には約束したのだ。


私「そして英子が今回、『浮気(うわき)』と言った件は、私と美子が二人で映画を観た事です。しかし私と美子は友達同士。何の問題もありません」

英子「……冷静に考えたら、そう思います」


 英子が()()いてくれた。彼女は映画館の暗闇(くらやみ)で、私が美子の体をあちこち触ってた事を知らない。美子には『友達同士(どうし)のスキンシップよ。普通、普通』と言っておいた。


美子「裁判長、異議(いぎ)あり!」

私「何ですか、美子さん。まとまりかけたのに」

美子「私も英子さんみたいに、裁判長と仲良(なかよ)くなりたいです。英子さんみたいに、お友達から始めてください!」


 私は裁判長では()いんだけど、そう言われた。「じゃー、三人でカラオケ。(みな)(なか)(ふか)めましょう。閉廷(へいてい)!」と私。「賛成(さんせい)!」と英子と美子。教室を出ながら、次は最近、気になっている椎子(しいこ)も友達に(くわ)えようと私は思った。

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