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白い恋人たち(イベント編 後半)

白い恋人たち(イベント編 後半)


俺が気持ちよくベットで二度寝をしているとき・・・。



************************


結衣サイド


ひろくんのホテルからペンションに戻り、そーっと中に入って、菜緒子たちの部屋に戻ろうとした時、後ろから「結衣ちゃん」って呼ばれる。慌てて振り向くと。


「え! お義母さん」階段の下にお義母さんが居た。そして手招きで私を呼ぶ。


怪訝な思いでお義母さんの元に行くと、こっち・こっちって私を大広間に連れて行かれた。


大広間には佳代子さんや知らない人が数人いた。私が入ると、そのうちの一人が「白鳥 葵さんですね。私はここの青年団の代表をしている佐橋です。今回はお母さんの了解のもと正月イベントの参加ありがとうございます。」って頭を下げた。


私は「???」お義母さんの顔を見る。お義母さんは、私に耳打ちをする「私に合わせて」。


仕方がなく、佐橋さんに「こちらこそよろしくお願いします」って頭を下げた。


「今回のイベントのスペシャルゲストとして出演をご承諾を受けこちらとしてもうれしい限りです。後に控える撮影での協力は全力で協力させてもらいます」って改めてあいさつをされた。


私は恐縮しきりで困惑した・・・まてよ・・・「あ・・・でも私ペンションのアルバイトも頼まれているんですけど」って困った顔をする。


お義母さんが「結衣ちゃん大丈夫よ。ちゃんと助っ人を用意してあるわよ。って奥に座っていた二人の女の人を手で案内した。」


奥に座っていた女の人が立ち上がりこちらを見た。あれれ・・・見たことがある「ジュジュのモデルの朝倉由布さんと橘悠さんのダブル”ゆう”さんだ!!」って思わず声を上げた。


この二人はジュジュがメインで活躍するモデルだけど最近はあっちこっちで活躍する俳優もやっている。


朝倉さんは可愛い系で橘さんは美人系だ、ともにジュジュのトップモデルだ。


お義母さんが「彼女たちがあなたの代わりを引き受けてくれたのよ」って告げた。


私は思わず目が点になってしまう、だって私みたいなペイペイのモデルなのに、しかも私のアルバイトの代わりなんて恐縮してしまう。


びっくりしている私を尻目に、朝倉さんが「一度ウエイトレスやってみたかったんだな、勉強にもなるし葵さんの代役を務めるなんて名誉なことよ」


橘さんなんかは「そうよ。私たち二人かかりでも白鳥さんの代わりが務まるかわからないのに。HIROさんと意気がぴったりなんて私たちにはとっても無理よ」なんて私を持ち上げる。


困惑する私だけど、息がピッタリなのは判る・・・だって夫婦なんだもん。


おろおろしていると、佳代子さんがドアを開けて入ってきた。「皆さん。おはようございます。え~・・・」朝倉さんと橘さんを見て「貴女たちね」って言って頭を下げてあいさつした。


もちろんモデルの二人も「葵ちゃんには到底かないませんがお手伝いさせていただきます。」って頭を下げる。


お義母さんが「貴女達。よろしくね」って言うと、佳代子さんが「説明や準備準備がありますので、失礼します」って言いながら、三人して部屋を出て行った。


「さて、今度は貴女の打ち合わせよ」ってHIROとの絡みなどを打ち合わせした。


基本は私はスペシャルゲストで参加し彼との対抗戦で盛り上がるっていうアイデアだった。


しかも、私が出るのはひろ君には内緒ってことだった。びっくりさせるんだって・・・。


打ち合わせも終わり、お義母さんと朝食をとり出演準備前の休息になった。


お義母さんとの雑談で今回の計画の一部始終を語ってくれた。


私は朝が早かったので(ひろくんのホテルで泊まっちゃった為)二度寝することにした。





結衣サイド終わり


*********************


目覚まし代わりの携帯が目覚めの時刻を奏でる。携帯を開けて時間の確認をする。


コン・コン・コンドアをたたく音だ。たぶん白石さんだろう時間には正確な人だ。


時計を見ると9時10分だった。さらにドアを叩く音がしてベットから降りてドアロックを外してドアを開ける。


ドアを開けると、白石さんが「おはようございます。そろそろ準備をお願いします」って部屋の中に入らず準備を即した。


俺は「了解」と言って仕事の着替えをして出演準備をする。


そして部屋を出てラウンジでモーニングコーヒーを飲んていると、白石さんが「時間です」って呼びに来てくれたので席を立ち会場に向かった。


横目で結衣のアルバイトしているペンションをみると、あいも変わらず人がいっぱいだが思ったほど混んでいないようで「結衣も今日は少しは楽かな?」ってほほ笑んだ。


会場はかなりの人出だ。スキー場で正月を過ごす人でごった返している。


青年団の司会者がイベントの開始を告げる。俺の名前が呼ばれ舞台に現れると、かなりの数の拍手に包まれた。


手を振って司会者の横に行くと会場に向かってあいさつする。「あけましておめでとうございます。皆様もよいお年をお迎えください」って観客席に手を振った。


皆もあいさつを返してくれる「「あけましておめでとうございます」」会場は大みそかと違い男女比が半々だ。いつもの場合は男女比が5:4か4:3で女性のほうが多いけど、今回は若い男性陣もかなりいる。


今回の催しは、チームを二つ作って対抗戦を行うらしい。俺と青年団チームの二つかななんて思っていると。


司会者が「皆さん今日はHIROに対抗しましてスペシャルゲストをお招きをしております」って言うと、男性陣から「ウォー」って声がする。


司会者が俺が入ってきた反対の入り口を示すと、女性ゲストが恥ずかしそうに顔を出した。


・・・?結衣?・・・。


なんと、そこに現れたのは、妻の結衣だった。観客の見える位置まで出てくると、観客席から盛大な拍手が出る・・・俺の時より多いや!。


「スペシャルゲストはジュジュの専属モデルの”白鳥 葵”さんです」って紹介する。さらに大きな拍手で会場は唸りを上げた。


結衣が挨拶する「あけましておめでとうございます。白鳥 葵です。今回はこのようなイベントにお招きくださりありがとうございます。このようなイベントの参加は初めてですが、皆様のご声援を背にがんばりますので応援お願いします」って挨拶をした。


司会者さんが「HIROさんと白鳥さんで紅白対抗戦を行う予定です。お客様の参加もお願いしますのでぜひ参加ください。」って呼びかけた。


結衣が俺の横に来て挨拶する「あけましておめでとうございます。対抗戦お手柔らかにお願いします」って握手を求めた。


結衣はほほ笑みの中「こんなになちゃった」って目をした。


俺は、びっくりしたのを隠しながら「こちらこそ、よろしくお願います」って握手した。


司会者さんが「皆さんに御協力をお願いします。対抗戦の選手参加者の募集です。人数はHIROさんチーム10名 白鳥さんチーム10名の計20名です。我こそはと思われる方はHIROさんチームはこちら私の右手方向そして白鳥さんチームがいい方は私の左手方向に集合ください。」って話すると、各所から「よっしゃー」とか「私出たい」などの声が上がる。


「尚、大勢の場合は抽選や選考を行いますのでよろしくお願いします。では今より各場所へ集合をお願いします」って告げると、各チームに大勢の人が集合した。


「むむむ・・・俺より結衣のチームのほうへの参加者が多いようだ。」しかも7割方が男性だった。

俺のチームのほうは、やはり女性陣が多く結衣と逆で7割以上が女性陣だった。


まずはスタッフが人選して両チームとも20名に絞り、さらに私たちが最終選考する。という手順で結構時間が掛ってようやくチーム構成ができた。


両チームとも男女各5人ずつの構成になった。


対抗戦は、スキー競技の簡易版や雪遊びの定番の雪合戦や新雪10m走など、バラエティーに富んだ構成となっていて、両チームとも一進一退のシーソーゲームになっていった。


色々あったけど、個人戦での新雪10m競争は俺と結衣との一騎打ちになった。


結衣には女性ってことで、ハンディーがついていた。足にロングのスノーブーツに最新式のカンジキが装備され俺は雪が入らないだけのノーマルのスノーブーツだ。


俺は「結衣は走るのは早いんだけど・・・」なんて言えなくて、悶々としている間にスターターの合図が鳴りスタートを切った。


結衣はスタート直後はカンジキに戸惑ったけど、次第に慣れて1/3も過ぎたあたりからぐんぐん加速してゴールに向かう。


俺は・・・・スタート直後大きく新雪に足を取られて何回も転びながら進むしかなかった。


俺と結衣では大きく体格が違い、俺の方が一見早く見えるが雪の上しかも新雪なんかは軽いほうが有利に決まっている、しかも相手は最新式のカンジキ仕様だ。


結果は・・・・当然結衣のぶっちぎりで勝利だった。これのおかげで俺のチームはかなり点差を広げさせられて、最後の雪合戦で結衣のチームを全員倒さなければ勝利できなくなってしまった。


最後の対戦は全員による雪合戦いわゆる雪玉のぶつけ合いである。俺はリトルにも所属したことがあり、雪玉投げには自信がある。


スタートの合図で、次々と相手をやっつける・・・って訳には行かなかった。どうも相手に野球のうまいやつがいるようだ。


仕方がなくリトルで覚えたジャイロボールにスライダーを加えてなんとか男性陣を撃破した。しかし相手も強く我がチームも男性陣が全滅し女性陣が2名だけ残っていた。


しかし相手チームは結衣だけに成っていた。やった俺の勝ちだっと思った瞬間、空から雪玉が落ちてきて結衣の編んでくれた帽子にあたってアウトになってしまった。


結衣の手を滑らした投げぞこないが偶然に俺に当たってしまったのだ。結衣の超ラッキー雪玉に当たってしまい、大将(俺)が当たって負けてしまった為、結衣のチームが総合優勝になった。


優勝トロフィーを受け取った結衣が俺の横で「端いる女の子を狙って投げたら手がすぺってね・・・あさっての方向の上に投げちゃった。そしたらちょうどひろ君がいて・・・えへへ」って小さな声で言い訳した。


まぐれでも勝ちは勝ち「優勝おめでとう」って大きな声で祝福した。


結衣の参加でイベントは大きく盛り上がり大会委員にいっぱいお礼を言われ、盛況のうちにイベントの幕が下りた。


次の日はジュジュのモデルが来ているらしくその人たちに交替して俺たちのイベントの役目は終わった。


後で聞いた話だが、彼女たちが結衣の代わりのアルバイトをやっていたらしい。そのおかげか次の日のイベントもそれなりに盛り上がっていた。


マネージャーは帰ったが俺はそのまま宿泊し結衣と合流するまでをのんびり過ごすことにした。







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