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白い恋人たち(アルバイト本番編 その3 )

白い恋人たち(アルバイト本番編 その3 )


佳代子さんはビックリする話を始めた。


「皆聞いてくれる。実はね、ジュジュの企画でこのペンションでコマーシャルの撮影をするって話が在ってね。もう受けちゃったんだ。」って、まじめな目をして語る。


私を除く全員が「え~!!」って、言った。私は下を向いて「お義母さんに、やられた」って、心の中で叫んだ。


さらに、佳代子さんは「明日、打ち合わせにジュジュのスタッフが来るから、当然皆さんも出演よ!よろしくね。」って笑った。


全員の、顔色が変わる。そして皆が一斉に私を見て「結衣!」「紺野さん」って私に言い寄った。いつも強気の奈緒子も呆れ顔になっていた。


私は両手を合わせて「皆さん。御免なさい、お義母さんは一度言い出すと絶対曲げない人だから、お願いします」って頭を下げた。


佳代子さんも「よろしくね」って、お茶目に舌を出した。「「は~・・・」」全員がため息をつく。


奈緒子が「結衣のお母さんのお願いらしいから、付き合ってあげるよ」って、賛成してくれた。裕未や佐織もうなずいて、残りのメンバーも渋々引き受けてくれることになった。


「では、よろしく」って佳代子さんが解散を告げ、高校生のアルバイトの人たちは帰る支度をはじめた。


帰り支度をしながら祥子さんたちが私に「今年はすごい正月になりそうだね」って、笑って言ってくれたので、少しほっとした。


そして皆は、なにやら口々に今回の事での雑談をしながら岐路についていった。


跡に残された私達は慌てて、夜の仕事に入った。


宿泊客からも私に質問が飛んだのは当然のことだったが、お客さんには、ばらすこと大変になるので「友達にもよく言われるんですよ」って、他人を装った。


部屋に戻ってから、裕未と佐織に質問攻めに在ったのは当然のことだった。もちろん黙っていた、奈緒子も槍玉に上がったから、少しは攻撃が少なくなったのは、助かった。


「こら! 結衣・・・あんた私達に黙って」って強い口調で佐織が言うと、「まあまあ、あまり強く言うことはないじゃない」って奈緒子が助け舟を出すと「あんたも、知ってて!!」って今度は、奈緒子が裕未に怒られる。


私は、奈緒子に話したことを佐織達に話した。「あのね・・・」


「だから、あの時変な態度だったんだ」裕未が手芸ショップへ行く時の事を思い出して頷いた。


唯一の救いは、奈緒子たちは私のお母さんに余り会っていなくて顔の覚えがなく、お義母さんをお母さんと勘違いしているようで、このまま結婚したことは黙っていよう。


そしてトイレに行くって言って、お義母さんに連絡を取り、話を合わせてもらう事にして貰った。


「では、お義母さん、仕事は引き受けるから、話を合わせるようにお願いします。」って通話をきった。


通話を切った後「あ~つまんない。折角お披露目で脅かそうとしてたのに・・・まあいいか、次の機会にしようか。」ってお義母さんは、にやって笑った。


一杯白状させられて「「おやすみ」」って眠りに着いた・・・って言いたいけど明日のことが頭に浮かび私一人だけが眠れぬ夜を過ごし明け方に浅い眠りには入った。






********************


結衣がひろきにアルバイトを話した後の話。



お義母さんサイド




ひろきから電話が入る「もしもし。俺だけど、今年は結衣はそちらに行けなくなくなった。結衣が友達に誘われて、アルバイトをやるんだって」


「アルバイト?・・・」


「そうアルバイト。なんでも中学時代の友達に誘われたらしい。」


「ふ~ん。どんなアルバイト?」


「なんでも、ペンションでウエイトレスだって、長野のスキー場って言ってたな。・・・えっとなんて名だっけな?」ってメモ帳を広げる。


「志賀高原のペンション・ビッグフォレストって言うらしいよ」


「ふ~んペンション・ビッグフォレストねえ、判ったわ、でひろきはどうするの?」


「予定は未定だよ一度事務所に顔を出したからかな。でも正月明けの四日には俺も呼ばれているから、そこに行く予定だよ」


「わかったわ。」って電話が終わると、早速ニヤニヤしながら、編集部に電話を掛けた。


「もしもし。私だけど、いい案が浮かんだわ」って話し始めた。



お義母さんサイド終わり



*****************


ひろきサイド


結衣が友達とアルバイトしたいと言ってきた。俺は社会勉強にと思いアルバイトを許可した。


結衣は友達と一緒なのがうれしいのか喜んでいた。


ちょうどいい機会なので社長と今後を話そうと、お袋に正月は帰らないことを電話で告げて次の日に事務所に向かった。


事務所の駐車場に着くと携帯が鳴った。電話の主はマネージャーの白石さんだった。


ひろき「もしもし。ひろきですが」


白石「あ!HIRO、今どこに居ます?」


ひろき「今、事務所の駐車場に着いたところ」


白石「よかった。今急ぎの事後とが入ったのよ。急いできてくれる」


ひろき「了解」って電話を切って早足でエレベーターに乗り込んだ。


事務所に入って白石さんと合流し社長室に入っていった。


社長室に入ると、満面の笑みを浮かべた社長が居た。びっくりして思わず二人して後ずさった。


「葵君。今年の正月はどういう予定かな?」って社長が聞いてきた。


「社長。いつも迷惑をかけています。今回は急用って話ですが・・・」って尋ねた。


「正月は空いているんだろう。君に正月の番組での出演依頼とCM出演依頼が入っている。ともに同じ場所だから移動はなし、ぜひ君にって依頼なんだ」ってプロジェクターに内容を写した。


「これの依頼主は・・・」ってプロジェクターに映し出されている内容を見ながら話した。


「ひとつは観光青年団プロジェクトだよ。まあひとつはボランティアみたいなもんかな」って内容を説明する。


「もうひとつは、バレンタインチョコレート推進協会で」って再び内容をプロジェクターで映し出す。


俺は、見たとたん首謀者が分かり苦虫を浮かべる「はめられた」って心で思う。


俺は呆れ顔で「社長。断れそうもありませんね」って両手を広げた。


社長は、にやって笑って「白石君頼んだよ」って告げると、白石さんも「了解しました」って微笑を浮かべた。彼女も依頼人か分かったようだ。


「では。打ち合わせに行ってきます」って白石さんは部屋を出て行った。


「社長!・・・」笑いながら「すまんすまん。彼女からの依頼は断れないんだ」って両手を合わせる。


そして次の日に事務所を訪れると白石さんが「早速詳細を打ち合わせしましょう」ってやる気満々で俺を迎えた。









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