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白い恋人たち(アルバイト本番編 その2 )

白い恋人たち(アルバイト本番編 その2 )


奈緒子サイド



「佳代子おばさん。実は彼女は・・・」って結衣に付いて話し始める。


「中学のときの親友なんだけど、裕未や佐織は同じ高校なんだけど彼女はは別の高校へ行ったのよ。それで高校に行ってからスカウトに逢ってモデルをやるようになった。でも本人はあまり積極的じゃないみたいなの」って言うと。


佳代子さんが「モデルのそれって、たぶんジュジュじゃない?」って言う。「そのとおりよ、でもその事は私しか知らないんだ」って告げる。


「やっぱり・・・なにげにお客さんが話していたのを聞いたのよ「ねえねえ、あのこってジュジュの白鳥 葵に似ていない」ってね」


さらに「最初に見たときにどこかで見たような気がしたんだ」とも言った。「え・・・佳代子おばさんもジュジュ見てるの?」ってびっくりする。ファッション雑誌のジュジュの読者ターゲット層は中高生を目指して発行されている。


「や~ねえ、私の友達も結構見てるって話よ。あの雑誌って主婦層にも結構人気があるんだから」って笑った。


「私たちは、中学から結衣を見ているから、あまり意識がないけど知らない人から見ると判るかも。だって裕未たちはきずかないんだもん」って話した。


佳代子さんは「明日からは結衣ちゃんは裏方に回そうかな。昼食時はアルバイトの子が大変だったらしいのよ」って悩んだ顔をした。


「いいと思うよ。彼女裏方でも平気だから」私が言うと、佳代子さんは「そうだね、彼女料理も上手のようだしそうしようかな」


「でも、いつの間にか料理が上手になってたんだけど。不思議なんだ」って疑問を佳代子さんにぶつける。


「そうね。でも彼女はたぶん毎日家で作っているみたいな感じだよ。いわゆる主婦ってやつね」って笑う。


私は「結衣が主婦?・・・考えられないよ」って不思議がった。「でも、手の動きは主婦そのものなんだけどね」って佳代子さんがいまさらに言った。


二人して結衣の調理していた姿を思い出し「ぶ・・」って笑って、「悪いけど、結衣ちゃんには裏方に回ってもらうわ。よろしく伝えてね」って解散した。



奈緒子サイド 終わり


****************



今日も朝から昨日と同じように朝のお手伝いから始まる。


朝食の準備が終わると、佳代子さんから「結衣ちゃん。今日は厨房のお手伝いをお願い」って言われて、厨房へと入っていった。


レストラン内はお客さんでごったかえしており、裕未や佐織が忙しく走り回っている中厨房の私は比較的楽チンだった。


昼の少し前から厨房が忙しくなる、地元の女子高生たちと休憩していると私が厨房に呼ばれた。今日はかなり忙しくなりそうながんじ。


そして私は、小田さんの旦那さんの指示に従い料理のお手伝いをする。そして祥子さん達は着替えて裕未たちと一緒にウエイトレスを始めた。


なにげに、店内を見ると座席は満員で外にも待っている人がいる様だった。「本当に今日は忙しいようだ」って気合を入れなおした。


黙々と、調理していると。厨房に佐織が現れて佳代子さんになにやら耳打ちをした。


佳代子さんが困惑の顔をした。そして私のそばに来ると「結衣ちゃん」って声をかけられた。


「結衣ちゃん。相談があるんだけど、今レストラン内が大変になってるの」って困った顔をする。


「え、何故ですか?」って聞くと、佳代子さんが事情を説明してくれた。


「結衣ちゃん。奈緒子から聞いたけど、貴女モデルやってるんですって」って言われた。


私は、小さく「はい」って答えると、佳代子さんが「昨日貴女がウエイトレスやったときに、貴女がジュジュのモデルじゃないかって、ことが噂で流れたらしいのよ。しかも明美ちゃんが「結構似てるじゃないかな」なんて言ったもんだから、さらに口コミが広がちゃったみたいなのよ。」って苦笑した。


「では・・・私は如何すれば良いのでしょうか?」って尋ねると。


「貴女をモデルとして出すと、雑誌契約などで引っかかるはずだから、全面否定ね。何とか違う人ってことにしなきゃね」って妙案を練る。


「私。お義母さんに電話してみます」ってポケットから携帯を出してお義母さんに電話を入れた。


佳代子さんは「お母さんには私も事情をお話しするわ」って言う。


数回のコールでお義母さんが出てくれた。


結衣「もしもし。結衣です」


お義母さん「あら、結衣ちゃんめずらしいわね、どんな御用かな」


結衣「お義母さん。今、長野のペンションでアルバイトしてるんだけど」って、今起きている様子を手短に話した。


佳代子さんが「結衣ちゃん。代わってもらえるかな」って言ったので、私は携帯を渡した。


佳代子「結衣さんのお母さんですか。このたびは大変なことになってしまいまして申し訳ありません」


お義母さん「いいえ。アルバイトの話を結衣から聞いたときに、こうなることは予想がつきましたわ」


佳代子「ええ!!・・・」びっくりして声を上げる。


お義母さん「大丈夫ですよ。ちゃんと手は打ってあります」って、なにやらいろんな話を佳代子さんに話したようだ。


佳代子はびっくりしながらも「すみません。ではそうさせてもらいます。よろしくお願いします」って私に携帯を返してくれた。


お義母さん「結衣ちゃん。佳代子さんの言うことを聞いて行動して頂戴。お話は全部しといたから心配しないように」


結衣「はあ・・・判りました」って携帯を閉まった。


お義母さんと、佳代子さんがどんな話をしたのか全然判らず、佳代子さんの指示を仰ぐことにした。


佳代子さんは「祥子ちゃんと交代してもらうことにするわ。貴女はウエイトレスの服に着替え来て頂戴。」って言われて、私は慌ててロッカールームへと向かった。


着替えを終えて下に降りてゆくと、祥子さんもエプロンを調理用のものと着替えなおして調理場へ入ってゆくところだった。


「あ、結衣ちゃん。お店の中すごいから頑張ってね」って声をかけられ「うん。解った」って答えた。


お店に出ると。3/4位のお客さんが一斉に、私を見た。思わず苦笑いをした私だった。佐織が私に駆け寄って「来てくれたんだ。助かるわ」って、ホッとした顔を見せた。


祥子さんが「これ、7番テーブルに」って、ワゴン車に載った料理を運んでいった。


ざわついた中、ワゴン車で料理を運んで「お待たせしました」って料理をテーブルに並べ「ごゆっくりどうぞ」って、また次の料理を運ぶように戻る。


佐織は言ったように、みんなの視線が痛い・・・。


女子高生と思われる、テーブルに行った時「あの~・・・貴女ってジュジュのモデルの白鳥さんですか」って聞かれた。


う・・・言葉に詰まる。でもこういうとこの対処を佳代子さんから聞いて「違いますよ。でもよく似てるってみんなに言われます」って答えた。


周りから、ため息が聞かれる「え~違うんだ。でもそっくりじゃない」「そうだね。でもモデルさんがこんな所でウエイトレスさんをやるわけないよ」って、私の一言で、大きく波紋が広がった。


でも男性陣からは「そうだな、モデルさんが居るわけないものな。でも似てるだけあって、可愛いや」「よし!俺交際を申し込もう」って言う人が増えた。


敷居が高いモデルさんじゃないってことで、一気に押し寄せた感じだ。予期しない弊害に佳代子さんが慌てる。


料理をとりに戻る私を捕まえて、佳代子さんが「ごめんね。結衣ちゃん、余計大変になちゃったみたいね。」って、手を合わせて謝ってくれたけど、思わず「大丈夫です」って答えてしまった。


でも内心は「あ~ん。どうしよう」動揺しまくりだった。その時、奈緒子が「結衣。彼氏が居るのでしょう。きちんと断らないとだめだよ」って言ってくれて、なんとか私は「うん。解った」って答えたが言うことができなかった。


お誘いに「お仕事中ですから」って、まずは一般的回答をする。もちろん終わりの時間など聞かれるが「プライベートは申し分けありません」って、答えなかった。


本人じゃないってことが知れわったったおかげで午前中よりは少しはお客さんが減ってきた様な感じだった。


全員がアップアップの一日が終わり、アルバイト全員が集められて、佳代子さんが今後の話をすることになった。


佳代子さんが全員に私の秘密をばらす。「みんな。薄々気づいていると思うんだけど、彼女は本物です。これを知っていたのは奈緒子だけなんだけど、ここまで大きくなると皆さんには隠せないと思いましてお話します。」って苦笑した。


皆口々に「やっぱりね。めちゃ似てるもん、”あ!本人か・・・”でも、そっくりさんって言った時はビックリしちゃった。」って、意外と驚かなかった。


佳代子さんが「彼女が白鳥 葵ってことは、正月中は秘密でお願いします。」って頭を下げたので、私も一緒に頭を下げた。


男子高校生からは「OK。でも一回はデートしたいな」って、全員が言った。すかさず奈緒子が「だめだよ。結衣はちゃんと彼氏が居るんだから」ってだめを出す。


女性陣は「良いけど。友達に自慢できるし・・・でも仕事忙しすぎ、もうくたくたよ」って、笑いながら言う。


佳代子さんは「忙しいのは分る、今日も2日分の食材が無くなっちゃった。仕入れが大変になりそうなのよ。でも売り上げ倍増で、あなた達のアルバイト代も五割り増しにするわ。しかも」ってところでいったん区切る佳代子さん。


そしてビックリするお話を始めた。












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