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白い恋人たち(お誘い編)

白い恋人たち(お誘い編)


クリスマスから私たちは毎日一緒のベットで寝るようになった。


ひろくんが横に居るせいでほんわかと眠りに入れる。でも寝始めは二人ともきちんと寝てるんだけど、朝目を覚ますと、なぜか私は抱き枕状態になっている。


でも心地よいので、時々は私も抱きつくことにしている。


夕ご飯が終わり、ひろくんとリビングでテレビを見ていると「結衣。電話だよ」ってテーブルの上に置いた私の携帯が光っている。


相手を見ると、中学時代の菜緒子からだった。「もしもし。菜緒子珍しいね」って電話に出た。


菜緒子「結衣。今いい?」


結衣「うん!いいよ。今丁度テレビを見ているところなの」


菜緒子「クリスマスはどうだった?ちゃんと渡した?」


結衣「もちろん渡したよ」


菜緒子「如何だった、彼の反応は?」そんなことを言われたが、ひろくんが横に座っているので、言えない。


結衣「へへへ・・・」あいまいに答える私。


菜緒子が小さな声で「彼。そばに居るの?」


結衣「ううん・・・居ないよ」こう答えるしかなかった。


菜緒子「両親とじゃあんまり大きい声で言えないね。でも喜んだ?」


私は、ひろくんを見て、赤くなりながら「めちゃ喜んだよ」って答えた。


菜緒子「良かったじゃない。今度会わせてよ、皆で合同デートしようよ」


結衣「菜緒子。本題は?」菜緒子はいつも違う話をして中々本題に入らない。


菜緒子「御免・御免。結衣、アルバイトしない?」って聞いてきた。


結衣「アルバイト?・・・」って私は、ひろくんの顔を見ながら言った。


携帯を聞いている反対の耳に、ひろくんが「内容と期間を聞きなさい」って言ってくれた。


結衣「アルバイトってどんなの。それと何時からどのくらいやるの?」


菜緒子「御免。最初に言わなきゃね。内容はペンションの手伝いで、期間は28日から3日までなんだ。正月で忙しいんだって」


結衣「ペンションの手伝い?」


菜緒子「そう、手伝いなんだけど、実を言うとね、お母さんの従兄弟が長野のスキー場でペンションをやってたんだけど、改築して大きくしたんだ」


「でもね、正月に旨くアルバイトが集まらなくなっちゃって、私に助けを求めた、って言うのが理由なんだ」


結衣「ふう~ん。菜緒子の親戚ってペンションやってんだ。アルバイトって何するの」


菜緒子「うん。交代制らしいだけどメインはウエイトレスなんだって、ゲレンデの横に立っているから、改築した際にレストランを大きくしたんだって。売店もあるので、売り子さんにもなるんだよ。でもね、空いた時間はスキーしてて良いんだって、結構空き時間が有るらしいよ。しかも仕事は3日までだけど5日まで泊まって良いんだって」一気にまくし立てた。


「裕未や佐織も手伝ってくれるんだ、しかも、終わった後、皆彼氏が来るんだって、結衣も彼氏を誘って行こうよ。」って誘ってくれた。


結衣「う~ん。聞いてみるけど・・・」私は、ひろくんが気になりすぐに返事が出来ない。


菜緒子「結衣。頼んだよ、絶対にね」って念を押した。


結衣「聞いてみるけど、駄目だったら御免ね」


菜緒子「がんばって、説得してね。いい返事待ってるから、じゃあね」


結衣「うう~ん・・・」電話を切った。


ひろくんが「どんな話だった」って聞いてきたので、菜緒子の話をそのまま話した。


「結衣。どうしたい。アルバイトやって見たいかい」って聞く。


私は、旧友との話が楽しく「一回ぐらい菜緒子たちとアルバイトしてみたいな」って答えた。


少し考えて、ひろくんは「これも勉強かな・・・友達は彼氏も一緒なんだろ、3日あたりに俺も行ってあげるよ」ってOKを出してくれた。しかもしかも来てくれるので、菜緒子に自慢できる。


私は「ありがとう」って答えた。


「そういえば、結衣ってスキー出来る?」って、ひろくんが聞いてきた。


「少しぐらいは・・・小学校のときにお父さんが何回か連れて行ってもらったよ」って答えたら、「俺が教えてやるよ。それまでは変な虫を近づけるなよ」って言う。


「はあ・・・なに?変な虫って」って聞くと、ひろくんは苦笑して、「もう良いよ、諦めた。はじめから一緒に行こうか」って言ってきた。


「やだよ。菜緒子たちに恥ずかしいもん。菜緒子たちの彼氏と一緒の日で良いよ」って断った。


次の日に弘子に逢って、アルバイトの話をしたら「良かったじゃない。旧友と遊んできなさい」ってお姉さま的な発言で背中を押された。


一緒に映画を見た後、ファミレスで一杯長話をした。


もちろん、待ち合わせは弘子を待たせてしまった。(ひろくんの約束だもの)でも、よく事情を知っている弘子は笑って許してくれた。



***************************



アルバイトに行くとお正月に、ひろくんの実家に行けなくなるので、お正月に来れない事を話をする為にひろくんと実家に向かった。


お義母さんに、アルバイトの件をお話しすると「若いうちは、なんでも勉強よ。楽しんでらっしゃい」って言ってくれた。


バイト先を聞いた、お義母さんの目がキラっと光ったのを私は見落とした。ひろくんはそれを見逃さず、お義母さんに苦笑していた。


お義母さんが「ウェアーは私が見立てるわね」って言われ、後日最新のスキーウェアーが私の元に届いた。





*****************************



今日は27日。私は菜緒子の家に行こうと最後の準備をしていると、ひろくんが「待ち合わせの場所まで送ってやるよ」って言ってくれた。


待ち合わせの駅に着くと、もう菜緒子が待っていてくれた。でも駅前のロータリーは車が一杯で、ひろくんは菜緒子に一言言うと私を下ろして後ろの車にせっつかれるように帰って行った。


菜緒子のおじさんが私の荷物を車まで運んでくれて「紺野さん、アルバイトを引き受けてくれてありがとう」ってお礼を言われてしまった。


私は「こちらこそ、宜しくお願いします」って頭を下げた。


おじさんの1BOXカーに乗ると、後部座席には裕未と佐織がもう乗っていた。


私が乗り込んで菜緒子が私の横に乗ると、後ろから「「結衣の彼氏ってどんな人だった」」って菜緒子に聞いてきた。


菜緒子は「チラッと見ただけだけど、凄くカッコ良さそうな人だったよ」って言うと「「早く見たいな”結衣の彼氏”」」ってハモって言った。


私は「いいよそんな事気にしなくとも」って真っ赤になって言った。「だって気になるじゃん」「そうだよ、そう」って二人で盛り上がっている。


おじさんが「出発するぞ」って言われたので、私と菜緒子はあわててシートベルトをした。


おじさんが運転する車は都会の町並みを抜け高速道路で一路長野のペンションへと向かった。






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