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クリスマスイブの夜(その2)

クリスマスイブの夜(その2)


部屋に戻った私たちは、ピアノの調べの余韻で二人ともソファーで座り込んでいた。


クリスマスにピアノの調べは私たちの心に深く入り込んだ、ひろくんが「さすがに、久保田さんだね」っていうので、私も思わずうなずいた。


コンコン・・・ドアをノックする音は聞こえ「葵様。お届けものです」って女の人の声が聞こえた。


ひろくんがドアまで出て行って、確認する。ウエイトレスさんがワゴン車に私がお願いした箱を載せて運んでくれてきた。


ひろくんはすこし変な顔をしながら招き入れていた。ウエイトレスさんが引き上げた後、私が「へへへ」って、照れた顔をして箱を開けた。


どう見ても、シェフが作ったとは思われないケーキを前にして、ひろくんが「これって、結衣の手作りだね」って、満面の笑みを浮かべてくれた。


「ちょっと、不細工だけど・・・」って、精一杯の笑顔で答えた。


私はケーキをカットし紅茶とともにリビングに並べた。そして「味には自身があるんだ」って胸を張った。


顔を赤らめ「だって、ひろくんの好きな味に合わせて作ったんだもん」って心で語った。


そして二人並んで、窓から見える夜景を見ながら私の作ったケーキのデザートを食べた。もちろん、ひろくんは「おいしい」って言ってくれた。


そして「はい。クリスマスブレゼント」って言って、手編みの帽子が入った包みを渡した。


包みを開けたひろくんは「ありがとう」って早速かぶって見せてくれた。「よし。今度の学園のスキー学習でかぶろうかな」って満面の笑みも浮かべてくれた。


ひろくんからは、チョッとお洒落なブランド物のハンドバックだった。今私が持っているバックはお父さんが中学の入学祝兼誕生日プレゼントに貰ったもので、ずいぶん活躍したけど、だいぶくたびれているし、今の年齢からはすこしおさな目になっちゃていた。


「明日からはこのバックを使うね。ありがとう大事にするわ」って、お礼を言った。


でも今持って居るバックは宝物入れ行きにしよう。心で「お父さんありがとうね」ってつぶやいた。


私が、後片付けを行っている間に「ひろくん、先にお風呂に入ってね」って先に入ってもらった。


私は一大決心とともに、バスルームで念入りに体を洗って新しく買った勝負下着を着てベットルームに入っていった。


普通では絶対着ないスケスケの紐のようなスキャンティーと股下0センチのベビードールを着て、上にガウンを羽織ったんだ。


ベットルームにはひろくんが、ネットブックでパソコンを操作していた。私が入っていくと「ごくろうさん」っと言ってパソコンをたたみ、照明を落としてくれた。


ガウンを脱いで、素早くひろくんの横に滑り込む。ひろくんは「今日は楽しかったよ」って抱きしめてキスをしてくれた。


でも、抱きしめたときに私が着ているものを感じたようでビックって反応した。普段はパジャマしか着ない私が薄いものしか着ていないので、私の決心がすぐわかったようだ。


ひろくんが私の目を見つめてきた・・・私は、真っ赤になりながらコクンと縦に首を振った。


甘い甘いキスとともに私たちはひとつになった・・・・。ひろくん大好き!!


朝まだ暗いうちに目を覚ました私は身動きがとれずすこし体をよじった。なんと私はひろくんの抱き枕状態になっていた。しかも二人とも何も着ていない、夜のことを思い出し体中が熱くなる。


体をよじったことですこし隙間が出来たけどすぐに抱き寄せられて寝言を言われた「結衣・・・愛してるよ」そういわれた、私は真っ赤になって固まる・・・。


でも、抱いてもらっている感触が心地よく、しばらくしたら又眠りに入っていった。


二度寝した私が目を覚ましたときは、もう明るくなっていて、ベットの横には、ひろくんはもう居なかった。


キョロキョロするとシャワーを浴びていたらしく、ひろくんが頭をタオルで拭きながら現れて、「おはよう」って言ってきた。


私も「おはよう」って言いながら体を起こすと、ひろくんがニヤってした。起きた拍子でシーツが落ちて上半身裸の私がひろくんの目に止まる。


「キャー」慌てて、シーツで体を包んで、「エッチ」って言ってひろくんを睨んで頬を膨らます。


笑いながら「結衣もシャワーを浴びてきたら」って言われ、シーツで体を包みつつシーツを引きずりながら、バスルームに向かった。


向かう途中で抱きし締められて甘いキスをされると、すこし腰砕けになった。ひろくんが腰を支えてくれたのでへたり込まなくてすんだ。


ひろくんが「一緒にはいろうか?」なんて言ったので、慌てて首を横に振ってバスルームに駆け込んだ。


シャワーを浴びて、きっちりと目を覚ます。服を着てリビングに戻ると「朝食に行こうか」って言ったので、「うん」って、元気よく返事をして、ひろくんの腕に捕まりレストランに向かった。


朝食には少し遅い時間だったけど、結構人がたくさん居た。カップル・夫婦連れ・親子連れ三者三様でニコニコしている。


カップルのほとんどが皆眠たい顔をしていた。私たちも思わず一緒にアクビがでた。昨日の夜を思い出し顔が赤くなり下を向いた私だった。


朝食を取っていると、昨日ケーキを渡したシェフが現われて、挨拶をしてきた。「昨日のケーキはどうでしたか?」って、ニヤって笑った。


ひろくんが「しゃれたことをするんですね、オーナーの心遣いに感謝します」ってお礼を行った。


「いいえ。このアイデアは奥様からです。このアイデアを生かそうと奥様にアイデアを使う許可をいただきたくお願いに参りました」って告げる。


私は思わず「???」だった。そこにマネージャーが現われ、今回のオプションに付いてのアイデアの話を少ししてから、「事務所でお待ちしております」って言われた。


朝食を終え、しばらく休憩してから、ひろくんと一緒にマネージャーさんの元へ向かった。


内容はイベント用に手作り品などを持ち込み出来るアイデアでケーキなどはシェフが実地指導して手作りするって事だった。


発端はケーキを持ってきてくれたウエイトレスさんの「良いな手作りなんて、思い出に繋がるけど・・・・でも私はケーになんか造ったことが無いし・・・」って発言が元になったらしい。


こちらは、無理やり持込を頼んだぐらいで恐縮していたのに、ビックリした。「どうぞご自由に」って言うと、恐縮し「来年から、お菓子作りなど手作り教室を始めますので、参加ください。もちろん参加費は無料にいたします」ってマネージャーさんから言われる。


「ありがとうございます」ってお礼を言って、フロントでチェックアウトしホテルを後にした。


マンションに帰る途中に遠回りをしてスーパーに寄って腕を組みながら食材の購入をしてカップルぶりを発揮してマンションへと帰っていった。


しばらくぶりの二人での買い物に心がウキウキして、マンションに帰ってもルンルンの私だった。


マンション付近ではひろくんと腕をつなぎながらの買い物なんかは到底無理だから、遠くのスーパーに寄って貰って正解だった。


夕食は二人して一緒に作って楽しく過ごせた。


クリスマスのイベントが終わった。身も心も繋がったクリスマスイブだった。






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