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クリスマスの前哨戦

クリスマスの前哨戦


私は久しぶりに前に住んでいた近くのケーキやさんに足を運んだ。


シャルドンって言うケーキ屋さんなんだけど、ここは併設のカフェがあってケーキセットが食べられるんだ。


昔はよく友達と一緒に紅茶を飲みながら色々だべって過ごしていたんだけど、結婚してからはぜんぜん行けなかった。


なぜって言うと、ひろくんが急遽仕事が入り、暇になっちゃて、テレビを見ていたらケーキ番組が有って、急にケーキが食べたくなってよく知っているシャルドンを思い出し電車を乗りついて来ちゃったんだ。


久々のシャルドンのケーキに舌鼓を打って食べていると、肩を叩かれた。


振り向くと・・・制服姿の菜緒子たちが立っていた。菜緒子達は「結衣。久々だね、元気してた?」って聞いてきた。


私は「お久しぶり。もちろん元気だよ」って話した。菜緒子は「こっちの広いほうに座ろうよ。向こうでの話も聞きたいし」って、4人が座れる丸テーブルのほうを示した。


私は中学の旧友に会ったので、皆で積もる話に花が咲いた。佐織が「結衣。今何所に住んでいるの?前を通ってら違う人が住んでいたよ」って聞いてきた。


私は「今は○×に住んでいるの、白鳥学園に近いから楽チンなんだ」って言うと、今度は裕未が「結構離れちゃったね。だからぜんぜん見かけなかったんだ」って言った。


私は「菜緒達って青葉台高校だね、どうそちらは」って聞くと、菜緒子が「私たちの高校は青葉中学出身が多くて、あまり中学と違和感がないの」って苦笑いした。


菜緒子たちが4人掛けのテーブルを示して「こっちで一緒に話そうよ」って、二人掛けに座っている私に言いながらも、ウエイトレスさんに「この子もこちらにします」って告げた。


ウエイトレスさんが飲み物とケーキを持ってきてから、さらに話に花が咲いた。当然女の子が集まれば恋バナしかなく、あっと言う間に私が皆に告白って事になっちゃった。


菜緒子が私の左手の薬指の指輪を見て「結衣。その指輪って年季が入っていない?その指輪って卒業式のときにしてのでしょう。」って指輪をしてるのを見つかって、私の告白タイムが始まっちゃった。


私は皆に「クラスの皆には内緒ねって言って、実はこの指輪は婚約指輪なの」って言葉に、菜緒子たちは、大きな声で「「え~・・・」」って言うと、お客さんたちが一斉に私たちを見た。


でももう結婚してるって事は伏せないと、とんでもない事になりそう・・・。


大声を出した為にお客さんの冷たい視線を受け、私たちは罰が悪くなり「すみません」って、頭を下げた。そして佐織が「いつ婚約したの?」って聞いてきた。


私は「・・・三年生のお正月なの。彼は小さいころの幼馴染なの」って答えた。


菜緒子が「三学期の始業式のときにはもう婚約してたんだ。だったら車に乗せてもらった彼が婚約者だったんでしょう」ってニヤニヤ笑いながら言う。


私は赤面して「ごめんなさい。あの時はうそをついちゃった。その彼なんだ」って言うと、菜緒子が「やっぱり。私の思って通りだったんだ」って私を肘でつついた。


私は「へへ・・・」って苦笑いをした。裕未が「いいな、結衣の彼氏一度見ただけだけどカッコいいもん、私の彼もそれ位カッコ良かったら良いんだけど」って愚痴った。


裕未は中学のときからの付き合いの彼氏で両親とも公認らしい。裕未に話を振ろうとしてけど又戻って、佐織が「裕未はわかってるから良いの、結衣。ちゃんと話して。彼とはどこまで行ったの?」って聞いてくる。


私は「キスまでだよ。」って答えると、全員が「「うそおっしゃい」」って、突っ込まれる。


さすがに、結婚して一緒に住んでるなんていえないから「私たちは清い仲なんだ」って剥れて言うと、疑いの目で見られたけど、菜緒子が「結衣はたぶんそこまでだね」って断言するように言った。


菜緒子達は全員が現在彼氏が居るって話だった。横に座っている菜緒子の紙袋を見ると毛糸が見えた。私は「あ・・・菜緒子って何か編んでるの?」って言うと。


前に居る佐織が「マフラーだって・・・彼氏にクリスマスプレゼントなんだって、休み時間や昼食後なんか一生懸命に編んでる」って菜緒子をからかう様に言った。


私も「え~菜緒子も彼氏が出来るとこんなになっちゃうんだ」って言う。菜緒子は頬を膨らまして「佐織や裕未だって去年渡してたじゃん」って言い返しながらも私を見る。


私は少し笑いながら「私も去年マフラーを編んだんだ」って言うと、全員で「「定番だね」」って言い合った。


「裕未や佐織は今年はどうするの?」って聞くと二人そろって「「内緒」」って言われちゃった。


さらに「でも、ジュジュのクリスマス企画が取りやめになっちゃったから大変だったんだ」って言う。


「どうして?」って私が聞くと、「メインモデルにアクシデントが遭った様で・・・それで企画がなくなったんだって」って教えてくれた。


私は「皆。ジュジュを読むんだ」って言うと、皆は「当たり前でしょう、ジュジュを愛読するのは乙女は必修よ」って言いながら「結衣は読んでないの?」って振られた。


思わず「読んでるよ」って答える。(実は、お義母さんが送ってくるけどあまり真剣に読んでないし、最近は読んでなくリビングに置きっぱなしだ)ばつが悪い。


そして二人は「「結衣は自分の体にリボンつけて、はい。プレゼントっていえば~」」ってからかわれちゃった。


真っ赤になる私を見て、三人が「「「結衣。本当にやる気?」」」ってビックリした。


「へへへ」思わず考えた私は罰が悪くなり下を向いて小さくなった。そんな私を見た佐織が「そんな仲なんだ」ってあきれた顔で行った。


全員で笑って、又逢おうねって別れた。帰る途中、ひろくんへのプレゼントのことを考えていると携帯が鳴ってきた。


ひろくんかな?って見ると、なんとお義母さんだった。「もしもし」って出ると、お義母さんの元気な声が携帯からこぼれる。


「結衣ちゃん。今何処? 今から迎えに行くから場所を教えて」って矢継ぎ早に話してきた。


私が場所を言うと「その場所を動かないで」って言って通話か切れた。


しばらく道端で待っていると、男の人が声を掛ける「ねえ。彼女、誰待ってるの?俺と付き合わない」って私の手をつかむ。


私は左手を見せて「私、結婚しています」って指輪を見せると、男の人は「いいじゃん、不倫しよう」って私を引っ張ろうとする。


突然。その男の手に綺麗な手がつかんで私の行動を守る。「え」思わず手の持ち主を見ると、「お義母さん」だった。


お母さんは「その手を離してくれる」って男の人を冷たい目で睨む。男の人は慌てて私をつかんでいた手を離す。そして怪訝な顔をしてお義母さんを睨んで、お義母さんの掴んでいた手を振り払おうとした。


「わ・・・」男の人があっと言う間に空中で一回転して地面に倒れこんだ。「この子は、私の大事な娘なのよ。あんたみたいな悪い虫は退治してあげる」って腕を捻り上げた。


「う・・・助けてくれ」って男の人は悲願した。お義母さんは、笑みを浮かべ「もうこんなことは、二度としないことね」って腕を放す。


「ちぇ・・・おぼえてろ」って舌打ちし捨て台詞を言いながらその場から慌てて逃げ出そうとした男の人は、駆け出したとたん大男の胸にぶつかり大男の腕がむんずと男の人を掴んで捕まえる。


男の顔から血の気が引くのが解った。大男は「奥様。しばらくお待ちください」って言って、ナンパ野郎を軽く抱えて路地に入っていった。


「結衣ちゃん。遅くなってごめんね」ってお義母さんは言いつつ「車で待ちましょう」って一緒に車に乗った。


しばらくすると、運転席に大男さんが乗ってきて「お待たせしました」って車を走らせた。お義母さんが「彼は。私の運転手兼ボディーガードなの大林くんって言うの」って教えてくれた。


大男の人は「大林です。お嫁さんのボディーがーとも兼務したしますので、以後お見知り義理をお願いします」って挨拶してくれた。


私は、何も判らず「結衣です。お願いします」ってとりあえず挨拶した。


「結衣ちゃん。又アルバイトよろしく」ってニコニコしながら言う。私は「はあ・・・」としか答えれなかった。


やっぱり・・・車は写真スタジオの地下駐車場に入ってゆく。三人でエレベーターに乗ると、お義母さんが「今日はバレンタイン特集なの、いつものようによろしくね」って言われる。


お義母さんには、いつも突然に拉致される。ここしばらく無かったのは文化祭の出来事を傷かっての事のようだ。何気に「クリスマス特集はお流れになっちゃたもの、今回は気合を入れるわよ」って肩をたたいた。


撮影はもちろん順調に進み、マンションまで送ってもらった。


別れ際に、お義母さんから「これ。今までの分全部入れてあるから」ってカードを渡された。そして「流れちゃった企画書。参考にね」って封書を渡してくれた。


マンションに入ってから勉強机の上に企画書の封筒を置いてから、夕食の準備に取り掛かった。


ひろくんと夕食を済ませ「私、宿題するね」って自分の部屋に入って、お義母さんに貰った、企画書の中身を見ることにした。


月間ジュジュ、クリスマス企画って表紙に書いてあり中身を見ると、彼とのクリスマスの過ごし方やプレゼント企画と渡し方など一杯書いてあった。


私は、プレゼント企画の部分をめくって真剣に読み始めた。






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