文化祭(二日目)
文化祭(二日目)
文化祭が二日目の朝をを迎える。今日は学園が一般にも公開されるんだ。今年は例年に比べ一般客が非常に多いと思う。
初日は学園内だけど廊下に整理する人が必要だったけど、外部に開放になる2日目はどうなるのか想像もつかない。まあこれは澤田君の受け売りなんだけど・・・。
去年のこともあり。門にはプロの警備員を配置するそうだけど、構内には入れないどうするんだろう?
私はいつもより早めにマンションを出ることにした。エレベーターを降りたところで、以前に交通事故での骨折事件があった西川さんと江口さんに出会った。
私は「おはようございます。」って頭を下げる。西川さんが「おはようございます。」ってニコって笑う。そして江口さんが「おーっす」って右手をすこし上げた。
西川さんが「あれれ。葵ちゃん今日は制服なんて着て?学校は休みじゃないの?」って問いかけた。
私は「学園で文化祭があるんです。もし暇があったら遊びに来てください。」っていうと。
江口さんが「どこの学校?」って聞いてきたので、私は「白鳥学園です。今日は一般公開します。時間は10時からですので・・・。」って言った。
江口さんは怪訝な顔をして西川さんの耳元で何か言っていた。すると西川さんが私に「葵ちゃんは何をやるのかな。」って聞いてきた。
私は「メイド喫茶です」って言って赤くなって下を向いた。西川さんは「結衣ちゃんは、さぞかし可愛いメイドさんになるんだね。誘惑や危険が一杯あるようだから、気をつける様に」って言ってくれた。
私は可愛いメイドさんに反応してぽっと赤くなって後の言葉の、誘惑?・・・危険?・・・文化祭をやるだけなのに何で?疑問のまま「はい。気をつけます。」って返事をして分かれた。
学園に着くと薫と弘子が「よ!。主役の登場ですね。」ってからかった。私は、苦笑いしつつ「うんもう、そんな事言って・・・おはよう」って返した。
そして弘子に手を引っ張られ、薫には後ろから押されて、ステージが代わった為に私たちは変更会場の体育館へと向かった。
体育館に入ると「あ・・・凄い。」って思わず声を上げた。もう移設が終わっていて、しかもエリアが拡大されいる。
中に入ると最終準備をした人たちが一斉にこちらを振り向き、女子は「結衣!おはよう」男子は「主役のお出ましだよ」って皆が私に手を振った。
わー恥ずかしい。穴があったら入りたい気分で真っ赤になっていくのが判る・・・。私は頭を下げて挨拶をした「皆さんおはようございます。」
そんな私を弘子と薫が背中を押して更衣室まで運んでくれた。ドアをノックして入ると、一之瀬さん・林さん・吉川さんが私を手薬煉を引いて待っていて、私は手を引っ張られて奥につれていかれた。
奥に行くとなんと桂木さんも居てくれてビックリして、慌てて挨拶をした。桂木さんは「凄いことになっているみたいね。だから私が手伝いをお願いされたのよ。」って軽く笑っていた。
私が「すみません」って謝ると。桂木さんが「そうね、貴女が一番の原因だもんね。」って苦笑しまくりだった。
そして次々に入ってくる彼女たちをテキパキと指示して着替えを進めていた。私がボーとしていると一之瀬さん・林さん・吉川さんが私をあっという間に制服を脱がされて着替えに入った。
数分後一之瀬さんの「はい。できあがり。」の言葉で自分が着替え終わったのを認識した。そして「今日は昼の休憩もこの衣装でね」って言われてしまった。
しまった昨日抜け出したことで大変だったことで念を押されたようで「へへへ」って苦笑して「今日は抜け出しません」って言った。
更衣室を出ると、ひろくんと学園長がなにやら話をしていた。私が出てきたことを学園長が見つけると、こちらに近づいて「貴女。葵 結衣さんですわね。今日は大変でけどがんばってくださいね。」って言われた。
私は「がんばります」って返事をした。
その時、澤田君が現れて「葵さん。カメラテストするから、そこの撮影場所に来てくれないかな」って言ったので、私は「うん。いいよ。」って場所に向かう。
撮影場所に来ると、澤田君がひろくんに「先生。すみませんが彼女の横で一緒にテストをお願いできませんか?」って言ってきた。
ひろくんは「俺なんかでいいかな?」なんて言いながら、私の横で撮影に応じるように並んだ。私は思わず「ラッキー」って心で思って笑顔が出た。
澤田君が「葵さん。いい笑顔だね。先生じゃー寄り添って」って言いながらテスト撮影を始めた。もちろん、ひろくんは私の肩に手を置いて撮影に応じた。
すると、写真部の人たちが集まってきて「俺たちも彼女でテストをさせてよ」って私たちを写そうとすると、周りにいた女の子たちが「結衣だけずるい。私たちも撮ってよ」ってポーズをとり始めた。
澤田君が写真部の人たちに「悪いけど彼女たちを撮ってあげて」って言ったので、しぶしぶ彼女たちでテスト撮影をし始めた。
よく見ると絵美が彼氏(岩田君)と一緒に寄り添って撮影をしていた。澤田君がテストを終わると、横から稲波さんが「おい。澤田君。俺と葵さんとのを撮ってくれよ」って言ってきた。
澤田君は私に「いいかな?」って聞いてきたので、私は「いいですよ」って答えたら、稲波さんが私の横に来た。澤田君は「では撮ります」って数回シャッターを切った。
すると他にも人が現れて「俺も一緒に撮ってくれよ」って言ってきたけど、澤田君は「テストはお終い」って言って、私を撮影場所からはずしてくれた。
横に居た学園長さんが「貴女って人気があるのね」って言われてしまったので、私はポット赤くなってしまった。
テスト撮影が終わると、澤田君が「皆!!そろそろ始まりの時間だから配置について」って皆に言った。皆は「はーい」って言いながら配置へと向かった。
学園長さんが「皆さん。がんばってください。」って声を掛け園長室へ戻っていった。
そして時間も10時となり文化祭二日目がスタートする。
実に学園始まって以来の出来事が・・・。それは開門前に一般の長蛇の列が出来たって事だった。開門と同時に一杯の人が入ってくる。
もちろん目当ては二年A組のメイド喫茶で一番の目当ては私らしい。30分も経つと体育館の中の待合の列は一杯になってしまった。
昨日のうちにあっちこっちに声を掛けて整理をお願いして人たちも必死で列を乱さないように頑張ってくれている。
もちろん私たちメイド要員は店舗が広くなったので初めから全員出動で事に図る。入り口で「お帰りなさい。ご主人様。」って声が絶え間なく続く。
2ショット写真の指名が一番多い私たちの衣装は撮影で手一杯で店舗を手伝うことも出来ない。
集客の決め手は。コウノデザインスクールの衣装の出来とファッション雑誌ジュジュのメインモデルの私らしい。目も回る忙しさなので結構疲労が溜まる。
さらに皆は一時間ごとに5~10分の休憩をもらえるんだけど、私はお昼の40分と午後の一回の5分の休憩しかもらえないらしい。「あ~ん。ひろくん助けて・・・。」って心の中で叫ぶ私だった。
私たちの文化祭は一般の人も入れるから、通常は学園の周りの人たちと交流会がある学校ぐらいがせいぜいなのを、今回はそれに加えて結構遠くの知らない学校の人たちや、なんと学園始まって以来のテレビロケでの内部の撮影があるらしい。(以前に一度だけ学園前で文化祭での催しのテレビロケがあったらしい)
忙しくて、いつの間にか私の昼の休憩時間になった。皆はいったん着替えて食事の後で学園内を回ることが出来るんだけど・・・。
私は昨日の事件で澤田君からきつくお叱りを受け外出を許可されなかった。休憩用のスタッフルームにはいると、思わず笑みがこぼれた。「先生も休憩ですか?」なんと、ひろくんがいた。
ひろくんは私が入ってくると、手を上げて「ここが空いているよ」って、ひろくんの隣を示した。私は「はい」って答えて、ひろくんの隣に座った。
ひろくんの前には他のクラスからの差し入れが一杯並んでいる。澤田君が顔を出し「葵ちゃん。悪いけど休憩時間をすこし短くしてくれないか」って言われる。
私は思わず頬を膨らまして「え~私だけ?」って拗ねる・・・。澤田君はそんな私がわかってるかのように「いいや。メイドさんはおろか全スタッフの休憩時間の短縮をお願いしているんだ」って苦笑した。
そして私の前に「はい。スペシャルランチ」ってカルボナーラスパゲティーが置かれた。さらに「これは葵ちゃんの為に渡辺さん(親友の薫)に特別にお願いして作ってもらったんだ」って言った。
私は「うん・もう・・・」あきらめの顔をする。澤田君がさらに「学園NO,1の先生にもお相手をお願いしたんだよ」って、澤田君は「葵ちゃんの執事役をお願いします」ってひろくんに告げた。
ひろくんも調子に乗って「まかせておけ」って言って、自分の前の差し入れを示して「お嬢様どれからお召し上がりします」って微笑みながら告げた。
私は、苦笑し休憩中のスタッフからは笑いが出た。「結衣。よかったね先生が執事役なんて」ってからかった。
ひろくんが耳元で「甘えていいよ」って囁いた。私は開き直って、ひろくんにカルボナーラを食べようと「スプーンとフォーク」って命令した。
ひろくんは「はいお嬢様」ってスプーンとフォークを渡してくれると、皆から冷やかしが出た。そんな中、私は赤くなりながら食事を進めた。
昼食が終わり早めに戻ると弘子が「遅い」って笑ってからかう。又大忙しの撮影が始まった。
そして私の午後の休憩をとる時間に事件が起こった。
帽子にサングラスのお客さんが突然メイドさんを突き飛ばす。男性スタッフが倒れたメイドさんに駆け寄り「お客様」って言うと、突然にお客さんが私を見て「葵 結衣だな。てめいのおかげで!!」って言いながら光るものを持って私に突進してきた。
私は光るものを見た瞬間慌ててあとづさるが、すぐ後ろの壁に当たり思わす固まる。そして「や~」って声を出し思わず目をつぶる。
周りから「キャー」って悲鳴が聞こえる。恐る恐る目を開けると絵美の彼氏の岩田さんが倒れており腹部にはなんとナイフが刺さっていて周りには血がにじみ出ていた。
なんと岩田君が私をかばってくれたようだ。刺した張本人はビビってナイフから手を離し逃げ出した。そこに稲波さんが駆けつけて犯人を投げ飛ばす。
丁度出口付近にいた、ひろくんも駆けつけて犯人を取り押さえる。さらに携帯を取り出して119に電話を入れる。「こちら白鳥学園です。救急車をお願いします」って告げた。
絵美が泣きながら駆けつける。澤田君が慌ててナイフを抜こうとすると、ひろくんが「抜いちゃいかん!!」って制止する。慌ててナイフから手を離す澤田君・・・。
岩田君が絵美に「葵ちゃんは?」って聞くと、絵美は彼の手を握り「無事だよ」って告げると、彼はすこし微笑んで意識を失う。
しばらくして救急車が駆けつけて岩田君が運ばれて行き、絵美が同乗して病院に行った。
犯人は稲波さんによって連行されていった。呆然とする私を、ひろくんが私の腰に手を回しスタッフルームまで連れて行ったくれた。
澤田君が事の収集に当たる。
とんでもない文化祭になっちゃった・・・・・・。