よろしくお願いします
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俺は結衣の机においてある写真立てを見た。あれれ俺の写真があるのはどういことかな?写真立ての中身は芸能人のHIROの写真だった。
結衣、もしかすると俺に気づいてないな、結衣が判るまで俺がHIROであることを隠す決意をした。
私はHIROの写真立てを見られ、あわてて伏せた。
HIROは私の一番好きなアイドルなのだ。このときめがねが壊れていたため本人とはしばらく気がつくことができなかった。
だってこのときのひろくんはHIROの姿だったのだけど・・・。
俺は、結衣に尋ねた「結衣ってHIROって好きなの?」
私は「うん、憧れの アイドルだよ」て少し頬を赤らめて、答えた。
間違いない、俺がHIROだってことが、やはりわからないようだな。
俺は微笑んで、俺がHIROだってことはしばらく伏せようと考え、「ふうん〜そうなんだ」と結衣に微笑みながら言った。結衣はすこしほほを染め下を向いた。
俺たちは、たわいもない話をして時間をつぶした。俺は彼女が小学校の低学年のとき俺は親父の都合で引越しをした為それ以降は会っていない。当然、結衣は俺が芸能界に入ったことも知る由も無い。
結衣のお母さんから後で聞いたのだけど俺が引っ越したあと、それを知った結衣は泣き崩れてすごかったらしい。
私はひろくんと自分の部屋で昔のお話をした。
昔のひろくんは、私にとってスーパーヒーローだったけどさすがにその話をするのは恥ずかしく、そこの部分は話を濁した。
幼稚園でいじめられた時にもちゃんと守ってくれたお話や、運動会の走り会で一等を取って褒められた事を、話すにつれ、次々に思い出し、話に花が咲いた。
そういえばひろくんに無理やり結婚を迫ったこともあったな・・へへへ。時々、恥ずかしいことも思い出し、赤くなったりもした。
しばらくお話をしたら。お母さんが夕飯ですよと、リビングから声がかかった。
私は 「ハーイ」 と返事をして彼と一緒に食卓に向かった。
お母さんは私の耳元で小声で言った。「どう?ひろき君ってカッコいいでしょう」と言われ、ぼやっとしか見えない彼をちらりみして「う・うん」と答えた。だけどめがねが無いとよく見えない。
輪郭はHIROに似て、カッコよさそうなんだけど・・・。
家の中は目が悪い私でも余り支障なく生活が出来る、あ〜明日は眼鏡のレンズを入れにいかなくっちゃと思った。
そいうえば、ひろくん私のめがね姿まだ見てないね。私は特別なことが無い限りコンタクトはしない。一度、長く装着しすぎて、眼球を痛めたことがある。
それ以来コンタクトはあまりしない様にしているって理由なの。
私たちは食卓に座り「いただきます」と声をかけ、いま食べようとしたときに、お母さんが「これからは結衣がひろくんに食事を作るんだよ」といった。
「えぇ〜」思わず私は叫んでしまった。私は料理が得意でない、いいや家事一般が不得意だ。しかしひろくんはそれはたのしみだななんて、ニコニコしている。
私は頬を膨らまし、「知らないよ!どんなものが出てきても!!!」と、心の中でつぶやいた。
そう考える私は、もう彼の奥さんのつもりのようだ、急に恥ずかしくなり、慌ててごはんを口に入れた。
食事が終わり四人してリビングでくつろいでから、彼が「そろそろ失礼します」と私たちに声をかけて立ち上がった。
両親は彼に「ひろくん結衣をお願いね」って彼の手を握って頭を下げた、彼は「とんでもないです。こちらこそ、よろしくお願いします」と答えた。
両親は玄関先で私はひろくんの車のところまで見送りに出た。
俺は車を暖機運転すべくシートにいったん座ってアクセルを少しあおってキーを回した。
セルの音ともにエンジンがかかり、暖気モードに入った、すこし安定したところで見送り来た結衣を引き寄せ「これからよろしく」と唇にキスをして「じゃあ」と言って俺は駐車場から自宅へと発進させた。
バックミラーを見ると結衣は手も振らず固まっているようだ。かわいいやつと思いながら自宅へと2000GTを進めた。
私はひろ君にいきなりキスをされ固まってしまった・・・あああ~私のファーストキッスが!!
何分か固まってしまった。私にお母さんに肩をたたかれようやく我に帰った。その姿は全身真っ赤のようだ体が火照っている、私はあわてて家の中に戻った。