新婚旅行はシンガポール?(準備編・前半))
新婚旅行はシンガポール?(準備編・前半)
ひろくんの実家からマンションに帰ってきて一息ついていると、ひろくんが「結衣の両親に元気な顔を見せに行こうか」って言ってくれた。
そういえば一年半以上両親に逢っていない。私はそう簡単に逢いに行けないしお父さんも忙しいらしい。時々電話で話す程度でやはり少しは寂しい。
私は満身の笑みで「うん、ありがとう」ってひろくんに抱きついたって言うより胸の中に飛び込んだ。
ひろくんは私を抱きしめてくれ「実は、もう旅行の予約は入れてあるんだ三日後から一週間の予定だよ」って教えてくれ、やさしく甘いキスしてくれた。
それからの二日間は両親への頼まれ物や旅行の準備でばたついた。一日目は両親への頼まれ物を購入するためにショッピングタウンに出かけるんだけど、なんと弘子と薫が付き合ってくれた「弘子・薫、ありがとう助かります」。
私はかなり早めに着いてしまいショッピングタウンの入り口で待つことにすると色々な男性が声を掛けてきた。
「彼女~一人~、俺とお茶しない」私「友達と待ち合わせですので結構です」って告げるすると「待ち合わせ時間は?少しぐらい時間はあるでしょう、ちょっとそこのサテンに行こうよ」ってしつこく言ってくる。
さらに三人組が現れ「彼女、遊びに行こう」って声を掛けてくる。さらに他の二人組みが私の手を引っ張ろうと手を伸ばす。
私は「やー」って言いながらしゃがんでちじこまるとさらに一杯の人に囲まれてしまった。
余りの人だかりに警備員さんが駆けつけてくれて、野次馬や周りを囲んでいる人を解散しようとしてくれた。
警備員さんは「すみません、他のお客さんの通行の邪魔となりますので集合はもっと広い場所でお願いします」って解散を即した。
野次馬さんは解散したけど未だ私の周りには未だかなりの人が居る。さらにその人たちは「てめえ、邪魔するんじゃねえよ」って警備員さんに悪態をつきさらに何人かの人が私の手を引いて連れ去ろうとする。
私は、ようやく「いやです」って言うことが出来た。警備員さんは私の顔を見て「あれ?葵さん」って声を掛けた。
すると男の人たちは怪訝な顔をして警備員さんをにらんだ。しかし警備員さんは彼らの私をつかんでいる腕を強引に引き剥がし「お客様が迷惑しています。お引き取りください」って大きい体で高圧的に言い、私を彼らから引き剥がしてくれた。
彼らは周りの冷たい視線を感じ「うるせいやつだな」って捨て台詞を残しどこかへ行ってしまった。
私は警備員さんにお礼を言っていると、人ごみの中から弘子と薫が駆け寄ってきた。
「「結衣、この騒ぎって貴女だったの?」」ひっくりした顔で話しかけた。警備員さんが事情を説明すると、弘子たちは警備員さんにお礼を言って頭を下げた。
警備員さんは気持ちが落ち着くまで警備員室の奥で休むと良いよって私たちを休憩室へと連れて行ったくれた。
休憩室で座っていると先ほどの警備員さんが冷たい缶入りのお茶を持ってきてくれて「これどうぞ」って渡してくれた。
私たちは「「「すみません、ありがとうございます」」」って受け取ると「君たち白鳥学園の二年生の生徒だろ俺白鳥学園出で大学一年の間宮って言うんだ。いまアルバイト中、そこの囲まれていた君は一年のとき結構運動会で活躍した“葵”って子だろう」って言ってきた。
弘子が「間宮さんって柔道部の主将をやっていたんじゃないですか」って彼に聞いた。
「おぉ俺って意外と知られているのかな」頭を掻きながら「そうだよ三年のとき柔道部で主将をやらしてもらった今は稲波って言うのがやっているはず」って答えてくれた。
彼と話をしていると年配の警備員さんが「間宮君、君ってもうすぐ早朝の部は終わりの時間だろうもう良いから早めに着替えて彼女たちに付き合ってガードしてやったほうが良いのでは」って言ってくれた。
間宮君は「君たちさえ良ければ今日の買い物は僕がボディーガード引き受けるよ」って言ってくれた。
私たちは三人で相談しお願いすることにした。「「「すみません。よろしくお願いします」」」って頭を下げた。
又彼は「君たちって可愛いし綺麗だからこれからは余り一人での行動は止めといたほうが良いよ。ところで君たちって防犯ブザーって持ってる?持っていなければ早めに購入を勧めるよ」って助言もしてくれた。
私と薫はそんなもの持ってないけど弘子は持っているそうだ。落ち着いたらすぐ買いに行こうって薫と話し合った。
私は弘子と薫のおかげでしばらくすると落ち着きを取り戻したので皆で買い物をする為に休憩室を出た。もちろん私たちの後ろには私服に着替えた間宮先輩が付いて来てくれている。
私は弘子たちに予めシンガポールへの両親の頼まれ物の購入を話してあるので、真っ先にと思ってけど間宮先輩の話を思い出し彼に「すみません。防犯ブザーって何処で売っています?」って聞いた。
稲波先輩は「判った。俺が案内するよ」って先頭で歩き始めた。しばらくすると看板に“護身・防犯用具の店 ボディーガード”って書いてある店に入って行った。
中に入いって防犯ブザーのコーナーを見ると色んなカラフルな防犯ブザーが並べてあった。
私と薫は「あ・・・これ可愛い・・あれこれも良いかも」って悩み始めた。やはり女の子向けなのでカラフルで可愛い特に小学生向けはキャラクタータイプなんだけど私たちにはちょっと合わないかな。
それでも私たちは定番のキャラクター付きの物を購入してしまった。後で弘子に見せてもらったら何も無いシンプルなものだった。私と薫は自分たちが買った防犯ブザーを見てお互いに苦笑してしまった。
それから私たちは両親への頼まれ物を書いたメモを頼りに最初のお母さん指定の化粧品屋さんを目指す。ちょっと装飾の綺麗な店舗にお母さんの指定するメーカーを取り扱うショップに入る。
中に入ると綺麗に化粧をしたお姉さんたちがこちらを向いて「いらっしゃいませ。本日はどの様な御用でしょうか」って聞いてきた。
私はお母さんから聞いたメモを店員さんに見せ「この掻いてある物を揃えて下さい」ってメモを渡した。店員さんはメモを見て「判りましたしばらくお待ちください」って店の奥に入っていった。
他の店員さんが私たちに「お客様は高校生ですか」って聞いた来たので私たちは「「「はい。そうです」」」って答えると私に「貴女お化粧ほとんどしていない様だけど本格的にしてみない」って言ってきた。
私は「結構です」って断ると弘子たちが「結衣、そんなこと言わないでやってみたら」って言うので弘子たちに小声で「駄目だって、私がモデルやっていることがばれちゃうよ」って言うと納得して店員さんに「「結衣はやっぱり止めた方が好いかな」ってあわてて否定した。
どうのこうのしていると店の奥に入っていた店員さんが一杯の袋を持って「お待ちどう様でした。これがお客様の指定の品物です」ってテーブルに広げて説明してくれる。
私は「はい、それでよいです」って告げると店員さんは又きちんと袋に詰めなおした。私は「代金はこのカードで」って黒いカードを差し出した。
店員さんはびっくりした顔で「はい、わかりました」って機械にカードを通し私はシートにサインをすると店員さんが「メンバーズカートを作成しませんか」って言ってきたので迷っていると間宮さんが私たちが遅いので店の中を覗いてきた。
私は「これからまだ回らなければならないところがあるので又の機会にします」って商品を受け取り皆で店の外へと出た。
表に居た間宮さんが「やはり男は荷物係りでしょう」って私から荷物を取り「次は」って聞いてきた。私はメモを見ながら「次は雑貨屋かな」って言うと間宮さんはそれならこちらだって行き先を案内してくれた。
不意に弘子が「そういえば結衣の両親って何が好きかなあ」って聞いてきた。私は「ん」そういえばどんなんだろう・・・「どうして?」って聞くと弘子は「両親の好きなものを一個ずつお土産に持ってゆくと喜ぶよ」って教えてくれた。
私は「うん、そうする」って私は考え始めた・・・・・・。
ふぃに私は中学一年のときに小ぶりな財布を送った覚えがあるのを思い出した。そういえばお母さんはすぐその時に使っている財布と取替え「ありがとう。大切にするね」っていつまでも使っていたはず又お母さんは物持ちか良いのでいまでも使っていてボロボロなのを見た覚えがある。
私は「そうだ、お母さんに財布をあげよう」って弘子たちにどんなのが良いのかを相談した。
すると薫が「私この近くでお母さんの系列の店があり、そこならお気に入りが見つかるよ」って教えてくれた。けど時計を見るともう12時を大きく過ぎていた。
私は「皆 時間も過ぎているので向うに見えるイタリアンレストランでお昼を食べない? 間宮さんも一緒にどうぞ」って声を掛けた。弘子たちはすぐ賛成してくれたけど間宮さんは「俺は良いよそこのハンバーガ屋さんで食べるから」って断りを入れてきた。
弘子が「間宮先輩そう遠慮しないでください。せっかく結衣が誘っていますのに・・・ボディーガードは?」って笑って間宮さんの手を引っ張ってレストランに向かう。
弘子に引きずられながら間宮さんは「ちょっと待ってくれ、今手持ちが・・・」ってポケットの財布に手を当てた。
弘子は「大丈夫、先輩はボディーガードでしょう代金は全部結衣が持つから大丈夫」って繰り返し言った。私は間宮さんには午後からもお願いしなければならないので「遠慮しないでください、助けてもらったお礼やボディーガードもお願いしていますのでそれくらいは当たり前です」って告げた。
間宮さんはすこし苦笑したが弘子が強引に引っ張るのであきらめた様に弘子に引っ張られレストランに入っていった。
店に入るとウエイトレスさんが「いらっしゃいませ、何名様でしょうか」って聞いてきた。私たちは「4人です」って答えると「4名様ですねご案内いたします、こちらへどうぞ」って通りが見える広めの席に案内された。
席は私の右隣に間宮さん私の前は弘子でその隣に薫が座った。間宮さんは少し顔が赤い。不思議に思いながらも皆でメニューを見る。
一番最初に間宮さんがメニューを置いて「俺ランチで良いよ」って言うと弘子と薫が「間宮先輩遠慮しちゃ駄目ですよ」って再びメニューを手渡しもっと選ぶように即した。
私は「私カルボナーラにしようかな」って言うと弘子は「私は本日のパスタランチで」ってさらに薫は「私はペスカトーレにしようかな」って最後は間宮さんだけになってしまった。
間宮さんが迷っていると弘子が「先輩は好き嫌いはあります?」って聞くと「べつに・・・嫌いなものは無いけど」って言うと弘子と薫が「私たちで決めてあげる」ってメニューを見ながら次々と注文した。「ほうれん草とパンチェッタのペンネとデミグラスソースのオムライスとゴルゴンゾーラとグリーンサラダそれから食後のコーヒーひとつとレモンティー3つ かな以上でお願い」ってウエイトレスさんに告げる。
間宮さんは「おいおいそんなに注文して」って言うと薫が「あれ先輩これくらい食べられないんですか?」って言うと間宮さんは「そんな事はないが・・・」弘子が「じゃいいじゃないですが」って締めくくった。
三人で次の行き先を打ち合わせをする。間宮さんは罰が悪いのかあさっての方向を見てため息を付く。そうしているうちに料理が運ばれてきて全員で「いただきます」って食べ始めた。
さすがに運動部のことはある間宮さんは次々と口へ運び私たちが2/3ぐらい食べたところで完食してしまった。
なにげに外を見ると外の通りを歩いている人たちがちらちらと私たちを見ているようだ。間宮さんは顔が赤くなってきている。
間宮さんは「コーヒーが来るまで外でタバコをしてくる」って外の灰皿があるところへ向かっていった。
私たちが食べ終わっる頃に間宮さんが戻ってきたところでウエイトレスさんが飲み物を待ってきた。
飲み物を飲みながら今度は薫が間宮さんに話しかける「間宮先輩って鳳さんと同じクラスだったんでしょう」って言うと間宮さんが「鳳を知ってるってどういう関係?」って尋ねた。
「彼とは幼馴染なんですよ、両親とも仲がよくよく遊びにくるし友人の話も聞かされているんです」って薫が答えて、さらに「私、彼に・・・間宮さんのことすこし聞いたことがある」って微笑むと、間宮さんがあわてて「ちょっと・・・例の話はやめてくれ」って言ったので弘子がそれを聞き薫に「駄目だよ隠し事は・・・」にやって笑った。
間宮さんが「その話はもうしないでくれ」って嘆願してきた。しかし薫は「せっかく隣に思い人が居るんだから」って結局暴露することになった。間宮さんはあわててコーヒーを飲むと真っ赤な顔をして「もう一服してくる」って席を立って行ってしまった。
私は意味がわからず?を頭に浮かべるばかりだ。弘子は薫に「どういうことかな私にも判る様に説明して」って薫に迫った。
薫は「さっきので結衣には判ると思ってんだけどね」笑って理由を説明する「結衣には彼が言ったんだけど結衣が一年の運動会ですこし目立ったでしょうそのとき間宮先輩が結衣のことを気に入ったらしいの告白するチャンスも窺ったらしいのよ」一気に薫が喋った。
私は「えぇ~」って驚き。弘子は「ふ~ん」って鼻で笑った。私たちは飲み物を飲んで会計を済まし(もちろん結衣のおごり)レストランを出ると罰の悪い顔をして間宮さんが立っていた。
私は赤くなり弘子は私を肘で突付きニヤニヤしながら「じゃ次に行きましょう」って次の目的の店に向かった。