夏の出来事(1/2)
夏の出来事(1/2)
私がひろくんの実家で着せ替え人形状態になって少し立ってからひろくんのライブツアーが終わった様で帰ってきた。
「ただいまー」私は「おかえりなさいご苦労様でした」玄関先でひろくんが抱きついてきた。
私もひろくんの胸の中に納まって上目遣いで見つめるとひろくんが私の唇を奪おうと・・・。
「む?」視線が・・・その先にはお義母さんが「私の娘に手を出さない!!」っていった。
私たちは「「え~」」・・・「「は~」」そんな私たちを見て笑って「早く入りなさい」って居間にくるように行った。
二人で居間に入るとお母さんが私たちの前に企画書を見せ「これ明日の予定でだからちゃんと準備するように」って言って表紙をめくった。
“ジュジュとHIROのコラボ葵ちゃんの瞳にキス”私とひろくんは「「なに?これって」」
お母さんは「実は結衣ちゃんにCMのオファーがあってしかもその挿入歌をひろくんと一緒にってことなの」
私は即座に「むり・絶対無理です」って首を横に何回も振った。ひろくんはあきれ顔だ。
そしてお義母さんは私たちに楽譜を見せ「この音楽よ」ってデジタル再生機をONにした。
軽やかな音楽が流れるひろくんが「これって、まさか根津木 大輔さんの作曲?」(根津木さんはカリスマ作曲家でCM音楽の大御所だ彼の歌は100%ヒットする)
お義母さんは「もちろん根津木 大輔さんなのだってこの話は彼から持ち込まれたのよ。もちろん作詞は彼お抱えの秋野 祥子さん、凄いでしょう」
私は理由が解らない。ひろくんはビックリして目を白黒して口が開きっぱなしだ。
さらにお義母さんは続けていった「彼を断ると色々大変なのよ知ってるでしょ絶対悪いお話じゃないから」って両手を合わせ私たちを拝んだ。
ひろくんは覚悟したように私の肩を抱いて「わかったよ、お袋その話受けるよ、結衣諦めよう」って私にあきれ顔で言った。
ひろくんは私を奥のオーディオルームに連れてきて音楽データーをセットして楽譜を見ながら口ずさんでどんな歌かを歌って見せた。
2回目は私も一緒に口ずさむとひろくんが上手いことハモってくれる。
「うん、心に入る音楽と歌詞だね」って私が言うと。ひろくんが「どうやって調べたんだろうこのパートと音程や幅って結衣にピッ足し。
結局夜遅くまでひろくんと歌の練習をする事になってしまった。はっと時間を見ると夜の11時になっている私たちは明日もあるからもう寝ようかって言ったので私たちはお風呂に入ってひろくんのベットで一緒に寝た。
だってひろくんが居ないときはお義母さんに捕まって必ず隣に寝かされるんだもん・・・。
つきの日の午前中又オーディオルームでひろくんと練習をしてからCMの撮影スタジオへと向かった。
スタジオに入り「「おはようございます」」スタジオ内の人に挨拶をすると奥からちょっとカッコいい男の人が現れた。
「葵ちゃん~ようやく来たね」って男の人が言うと。ひろくんが「根津木さん、お世話になります、妻の結衣です」ってあっという間に私が結婚している事を暴露した。
根津木さんは「こら、ひろきそんな事はもうお前のお袋さんから聞いてるぜ」「せっかく口説こうと思ってたのに」おまえら親子は・・・って笑って握手を求めた。
私は握手しようと近づこうとするとひろくんが私の前に割って入り両手で根津木さんの手を握って「お世話になります」って挨拶した。
根津木さんは「おまえ、ここまでする?」笑って言った。そのあとお義母さんが現れて「根津木さんあんまりいじめないでくださいな家の可愛い娘なんだから・・・」って笑いながら入ってきた。
根津木さんは「洋子さんにはかなわないな」って「じゃ行こうか」ってスタジオへ向かいかけた。
「まって~」って女のお人の声が振り向くとモデルさん?って凄く綺麗な人が駆け寄ってきてひろくんに抱きついた。
私は「や~」あわててひろくんの元に近寄る。ひろくんは「祥子さん、やめてくださいよ」って祥子さんの肩をつかんで引き剥がした。
そして祥子さんは私を見て「可愛い」って私にも抱きついた。私はわけが分からず固まってしまい見動きが取れない。
お義母さんが「祥子さんは可愛い子が大好きなのそう簡単に離して貰えないよ」って笑いながら私とひろくんに言った。
私は「たすけてひろくん」って小さい声で助けを求めた。そして、ひろくんは「秋野さん、俺の奥さん返してくださいよ」って嘆願した。
けれど彼女は私の手を握って「や~だ」って衣装室へ連れて行かれた。そしてなぜか秋野さんが私の衣装を選び始める「貴女を見てると創作意欲が湧くわ、そして貴女って着せ替えがいがあるのね」って言いながら次々と私に衣装を合わせようとしている。
そこにお義母さんが現れ「そうなのよ、この子って着せ替えがいがあるのよ」って一緒になって衣装を選び始める。
私はがっくりうな垂れなすがままになった。一時間以上かってやっと衣装が決定した。
俺はスタジオでイライラしながら結衣を待つ。プロデューサーは「彼女が気に入ったらあきらめな」黙々と準備をしている。
やっと結衣が現れた「可愛い」めちゃくちゃ可愛い・・・可愛い衣装と合いあまって可愛さ倍増になっている。少女のような大人のような微妙な感じで・・・。
スタジオ内がざわつく、そこをお袋が「ハイハイ」ってを叩きながらスタッフに開始を即す。
私はチャラ系の衣装を着させられ恥ずかしくて下を向いているとひろくんが私の手を取ってセットの中に入っていったセットの中のブランコに座るとひろくんが私の後ろでスタンバイすると監督さんの隣にスポンサーさんと根津木が現れ。私たちを見つめてきた。
監督さんは「彼女をよく説得したね10年に一人出るかで無いかの逸材だよ」って根津木さんに言っている。
スポンサーさんと後ろに居る秘書と思わしき人は慢心の笑みを浮かべている。そして「彼女は?」って根津木に尋ねた。
根津木さんは「ジュジュって雑誌知っていますか?」って尋ねている。すると「その雑誌なら娘がよく読んでいるらしく居間のテーブルに在る物を見たことがある」って私を見つめてきた。そして「そういえばその雑誌の表紙の子によく似ているようだが」って根津木に尋ねた。
根津木は「彼女ですよ。名前は“白鳥 葵”って言って私たちにも評判が良いんです」って答えた。
すると「白鳥 葵って娘たちからよく聞く名前だ。そうなのか彼女がそのモデルなんだ」彼は後ろの秘書向かって「柚木くん悪いけど色紙を手に入れてきてくれ。彼女にサインを貰いたい。娘たちが喜ぶ土産が出来る」
秘書さんは「はい、分かりました」ってスタジオを後にした。
私はそんなやり取りが合ったなんてことは露も知らず。ただCMの撮影演技を聞いているので精一杯になっている。
CM内容は私がブランコに乗ってひろくんが少しゆすりながら二人で根津木作曲の歌を口ずさむ企業のイメージCMなんだって。
練習をすると数回でなぜかOKが出た。そして本番が・・・足元にドライアイスのスモークを張り巡らし撮影がスタートする。
スタジオに音楽が流れ撮影開始する順調に始まるけど最後でひろくんが耳元で「結衣可愛いよ」なんて言うもんだから最後で赤くなり下を向いてしまった。
その直後、監督さんが「カットOK」なんて言うもんだから私は赤い顔を思わず上げた。
そんな私に監督さんが「葵ちゃん、さすがだね根津木の指名だけある本番一発で決めるなんて」って言った。
私は思わず「え~?」って頭に?マークを浮かべる。さらに監督さんは「葵ちゃん最後の下にうつむくシーンは最高だったよ」褒めてくれたけどさらに?マークがでる。
実はひろくんは最後のシーンを監督さんや根津木に聞いていたけど自然を出すために私に黙っていたって事らしい。
しかし最後の演技なんてもう一回は絶対出来ない最後に近づけば先に反応が出てNG連発になるはず。
監督さんが私たちの演技の動画を再生して皆で見ると周りのメンバーは感心しきりだ。その時スポンサーさんが「白鳥さんご苦労様でした」って言って秘書さんから受け取った色紙を私に渡し「悪いけどこれを私の娘にって書いてくれないかな」って言ってきた。
実は私はサインを書いた事がない。「ごめんなさい私書けないんです」って告げた。横に居たひろくんが色紙を受け取り「私が書きましょう」って書き始めた。
そして「娘さんのお名前は」って聞いた。すると「HIROくん悪いね、彩乃と真央って言うんだ」って告げると二枚にさらさらと書き私に渡し「ここに普通に書いてあげて」って言った。
私は「やっぱ書くの?」って言うとひろくんが「くづし字は書かなくていいから普通に名前を書くよううに書いたらいいよ」って言ってくれたのでひろくんが空けてくれた場所に名前を書いた、慎重に”白鳥 葵”って・・・。
スポンサーさんは満身の笑みを描いて大事に受け取った。そして「葵ちゃんファーストサインをありがとう」って告げた。
その後音楽スタジオに入り挿入歌を二人で歌うひろくんが横に居るので安心でスムーズに声が出るCMソングなので普通の歌でなく短いのでボロが出ないうちに終わる。
良かったこれで終わりだって思っていたら根津木と秋野さんに打ち上げの食事に誘われてしまった。
そして根津木さんが用意した乗る所の長い車に乗って根津木指定の料亭へ行く事になった。