ゴールデンウイークのお泊まり会(1/3)
ゴールデンウイークのお泊まり会(1/3)
今年のゴールデンウイークは飛び石状態で連続した休みではなかったけど前半はひろくんの実家へ後半は皆で薫の家にお泊まり会をすることになった。
ひろくんの実家に着くとお義母さんが私を引っ張って一杯衣装がある部屋に連れて行かれイブニングドレスに着替えさせられ全員で豪華ホテルのパーティーに連れて行かれた。
雑誌”ジュジュ“主宰の新作発表会だそうだ。エスコート役はもちろんひろくんだ。このような会へ出る場合は必ずエスコートしてくれる。
もちろんひろくんも広告塔の役目もあるそうだ。この手の雑誌では常識はずれの発行部数で他者のやっかみも多いって話だ。
もちろん結衣はそんな事は知らない。結衣は必ずこういう席では一人にしない。お袋か俺が必ず横に居るようにしている。
実は結衣宛てに色んなオファーが来ているらしいがすべてお袋のところでシャットアウトしている。
前に結衣が独りになったのを見計らってオファーの話をしてきた人が居たときは結衣自体の認識が甘くわかりませんの連発していた所で、すばやくお袋がフォローに入り事なきを得た。
俺もこんな結衣とのエスコートで周りには女性に対する堅物さが少しは丸くなっているのでは?ってことでその方面の印象も少しはアップしているそうだ。
以前だったら、ドッキリを仕掛けられたときに相手の女の人に懇々と説教してその女優がドッキリを仕掛けたにもかかわらずその気になって説教されたってこともあって、現在の俺が作り上げられている。
私はひろくんと居ると色んな人が声を掛けてくるその仲に知っている人が、以前ストリートモデルをやった店長の小峰さんだ。
小峰さんは「結衣ちゃん久しぶり、あの後大変だったのよ。そのとき貴方の着た服はあっと言う間に完売しその後の予約でてんやわんや未だにその後遺症が残っているのしかも妹が送って貴方の着た写真を店に飾ったら問い合わせて電話回線がパンクしちゃった。うれしい悲鳴だわ」って楽しく会話した。
小峰さんとの会話に横入りで小峰さんと同じ歳位の人が数名「結衣ちゃん小峰さんの所だけじゃなく私たちの所もお願いできないかな?」私は勝手がわからず「え~」って顔をしていると、すかさずひろくんが「その話は彼女のマネージャーのあの人に話を通して」ってお義母さんを示した。彼女たちはわれ先とお義母さんに向かっていってた。
ほっとしたのもつかの間今度はひろくんに「やあ、HIROその子を紹介して」ってイケメンが話しかけてきた。よく見ると俳優の山口 啓太だ、テレビで見るより一段とカッコいい。クラスメイトの由美のお気に入りだ。
ひろくんは「よお、やつは啓太はしってるだろう彼女は白鳥 葵ちゃん俺はボディーガードこいつ俳優のいま連続ドラマ出演中の山口 啓太」
山口さんは「よろしく」って手を出してきたけど私は「白鳥 葵です」って両手を腿にあわせ頭を下げて握手はしないでいた。山口さんはばつ悪く手を引っ込め頭をかいて「ハハハ、硬いのはHIRO似だね」って笑った。
そして同じように次々と色々な人が挨拶に来た。私は同様に挨拶を繰り返した。
ジュジュの編集長が来て「HIROくん今度は君と結衣のコラボを組みたいんだけどマネージャーさんにお願いできるかな?」ってひろくんの近くにいた白石さんをひっぱて来て三人に言ってきた、ひろくんは「まあ、そのうちに・・・」お茶を濁した。
編集長は「近いうちに良い返事を待っているよ」ってほかのグループのほうに行った。
私はこういうパーティー形式は好きじゃない精神的に疲れる、ため息をつくと、ひろくんが外に出て風に当たろうかって気がって会場を離れさせてくれた。
テラスで休んでいると山口さんが声を掛けてきた「あれ、主賓がこんな所にいて良いのかな?」ひろくんと私の間に割り込もうとした。
ひろくんは思わず私の腰に手を回し自分の後ろへと私を隠した。「悪いな、彼女はなれていないし、慣れさせたくもない」
山口さんは「結衣ちゃんそんなにつれなくしないで」って又手を出してきた。
ひろくんはその手をぽんと叩く「こんなのがいるので俺がボディーガードを引き受けたんだ」って笑ったら、山口さんも「お前がボディーガードなら今日の所は諦めるよ」って背中を向けて手を振って去っていった。
しばらくして会場に戻るとお義母さんが「どこに行ってたの皆さんお待ちかねよ」って割腹のよい人がいるところに連れて行かれ、得意じゃない挨拶をする事になる。
その中には私をよく写してくれるカメラマンさんもいてその人からカメラマンの巨匠“藤堂 卓”さんを紹介された。
藤堂さんからは「今度は僕のモデルをやってくれないかな?」って社交辞令?でいわれた。
後から聞いたけど実は社交辞令でもなくお義母さんにかなり強くオファーをお願いしていたらしい。
会が終わり帰宅途中にお義母さんが「結衣ちゃん今日はご苦労さん色々大変だっだけどゆっくり休んで頂戴」「これからはあまり今日のような事はしないようにするわ」って言ってくれた。
やはり疲れたのか実家のベッドに入るとあっという間に眠りに着いた。
俺は眠りについた結衣にキスをしてお袋の居る居間に向かった。
俺はお袋に「結衣はあっという間に寝ちゃったよかなり精神的に疲れたみたいだ。出来れば余り大きなパーティーは少なくしてほしい」ってお袋にお願いした。
お袋は「ひろき本当は私もしたくなかったんだけど今回は藤堂さんの口利きなの無碍に断ると支障をきたす事もあるし、モデルの件もあるから彼ならばらしても良いかも」「彼って以外に口は堅いのよ、女たらしって言うのもまったくのうそだし」
俺は「本当?」って言うと「その通りなんだけど彼は女の子のヌードを撮りたがるから結衣の件はキャンセルだね」ってお袋は言った。
俺はため息をつきつつ部屋に戻って結衣の寝顔を見ながら眠りに着いた。
朝起きると隣に結衣はおらずキッチンに行くと元気な顔をした結衣が居た「おはよう」「おはよう、今日は私が朝ごはんを作ったのよ早く着替えてきて」って結衣がエプロン姿で言った。
可愛い・・・俺はしばらく見とれていたが「おぉ、」って着替えに部屋に戻って準備した。ダイニングに行くとお袋や親父も席に着いていて「遅い」って言われてしまった。
結衣も腕を上げたので朝食はうまい。結衣はもう一泊し俺はコンサートに出かける。お袋と仲が良いので助かる。嫁姑戦争は無縁なのだ。
次の日私は一度マンションに戻り薫の家にお泊りの準備をして出かけた。
いつも泊まりのコンサートのときはお義母さんにお願いしてお泊りするんだけど、今回は薫さんの所にお泊まり会をするので楽しみだ。一杯お菓子作りを聞こう。
俺は今回、結衣が2泊するって言ったから、全部で3日家を開けられる。余裕があるので地方コンサートを回る事にした。久々の地方コンサートでファンも盛り上がってくれた。
俺としてはファンサービスも踏まえ充実した活動だった。