あぶない春休み
あぶない春休み
終業式に里美さんたちがなにやら打ち合わせをしている。
「葵先・・・・住所・・・・年賀・・・・・マンション・・・・皆で・・・・」
こぼれ聞く話を総合すると。私たちのの住所が解りマンションを訪問しょうと計画をしているようだ。
住所は先生方に送った年賀状からばれたみたい。何人かの打ち合わせをしているこの中にも知り合いが居るので後でどんな計画かを聞く事にしよう。
終業式が終わり帰り支度をしている時に、私は打ち合わせの中に居た由美ちゃんに声を掛け「由美ちゃん途中まで一緒に帰ろう」って誘ったら「うん、一緒に帰ろう」って返事が返ってきた。助かった道中にどんな計画かを聞こう。
由美と一緒に帰りながら門のところに行くと、弘子が門の柱にもたれて私を待っていてくれた。
そういえは由美と弘子は初顔合わせになる。私はお互いに紹介した。
「こちら小さいころからの親友で白鳥 弘子さん」そして「この人は入学式ではじめに声を掛けてくれた佐藤 由美さん」
お互いによろしくねって握手した。三人で一緒に歩きながら話をすると弘子と由美ちゃんは意外と意見が合い意気投合したようだ。
話が弾んでいるときを狙って話を切り出す「ねえねえ、教室の角でなんか里美たちと何か計画しいてた様だけどどんな話かな?」って振ってみた。
由美は私の思惑も気にせず、里美の計画を話し始める。内容はこういう話だった。
「えっとね、里美が田中先生に用事があって職員室に居るとき竹谷先生の机の上に載っていた年賀状を見たら葵先生のところから出されたものらしく、葵先生の住所が書いたあったそうで、記憶力のよい里美が覚えたらしい。そして春休みに皆で先生の家に押しかけ様って計画したの。たぶん里美が一番先生に会いたいだけとは思うけど私も先生の家は興味があるので一緒に行こうって考えているんだけど」って教えてくれて「家に行く日は3月30日に行く計画なの」とも教えてくれた。
弘子は私たちの関係はまだ知らないから「ふうん~色んな計画を立てるんだ」って気にも留めていないようだった。
私は帰ったら早速ひろくんに相談しなくちゃとんでもない計画に私はドキマギしてしまった。
ひろくんに相談すると「うん・・・」考え込んでしまった。
マンションの部屋は誰が見ても新婚仕様で来たが最後奥さんと住んでいる事がばればれでしかも私の愛用品が多数あり相手が女子高生だとわかってしまう。
しかもマンションの住人にでも合ったら学園服の私を見ているのでひろくんと学園の女子生徒が住んでいる事がばれてしまう。
雲隠れするにしてもマンションに来られ住人にでも合えば・・・まずい!!。
ひろくんに私たち旅行ってお義母さんのところへ避難したらって言ったら、ひろくんにマンションの住人に聞かれたらすぐばれてしまうし、特におしゃべりの多治見婦人なんかに合ったら完全にアウトになるよって困った顔をした。
そうだ私をよく知っている人をどこかに隔離しようってひろくんに相談した。
隔離?をれって犯罪?ん~どこかに招待しよう俺の知っている人がコンサートを開くらしいから、それに招待しよう今度チケットを持ってくるから説得してくれるかな?
それから俺は知り合いのピアニストの久保田かな子さんにお願いしてチケットを確保してマンションの住人の説得に当たった。
ほとんどの人は世界的に有名なピアニストのコンサートにひとつ返事で賛同してくれてコンサートを聴きに行く事にしてくれた。
行けない人は用事で一日中どこかへ出かけるって話だった。
これでとりあえずマンションの住人に尋ねられても大丈夫のはず。しかもセキュリティーはこのマンションは完璧のはずで。
このマンションの近くて事件が起きるとある程度収まるまで玄関先にガードマンが張り付く、偶然に左正面奥のマンションで不審者が出たようで今はガードマンが張り付いている俺は少し管理会社へ手を回し彼女たちが来る日まで延長するようにしてもらった。
これで彼女たちはマンション内に入れないはず、私たちはドキドキで由美たちが来る前に皆さんとコンサートへ向かう。
俺は実は結衣に内緒でガードマンの一人を俺の知り合いに頼んである。ある程度内容を話してあるのでうまく処理してくれるといいんだが。
少し早めにコンサート会場に着くと私たちは花束を持って控え室にお邪魔する。コンコン扉をノックすると中から綺麗な声で「どうぞ」って返事が返ってきて私たちは「お邪魔します」って扉を開け何に入った。
中に入ると小柄な私と同じくらいの身長の女の人が真っ赤なドレスを着て椅子に座っていました。
ひろくんは「かな子さん、今日は無理を言ってありがとうございます」って頭を下げたので私もいっしょに頭を下げた。
そして私は彼女に花束を贈った。かな子さんは「この人ね、ひろくんのいい人は・・・可愛い子じゃないしかもかなり若そう、あなたって何歳?」って尋ねた。
私は「16歳ですもうすぐ17歳になります」って答えた。
かな子さんは「やっぱり思ったより若いわね、お名前は?」
私「結衣です」
かな子さん「苗字は?」
私??「葵ですが・・・」
かな子さん「葵 結衣ちゃん?ひろきくんと一緒の名前なの?」
横からひろくんが「彼女俺の嫁さん、よろしく」って言ったら、かな子さんは目を丸くして「え~お嫁さん?結衣ちゃんて奥さんなの?」
私は真っ赤になりうなずいた。かな子さんは「ひろきくん、おめでとういつの間に?結婚したのかな、浮いた話などかけらもなかったのに」って笑って言った。
ひろくんは苦笑し、私はもじもじした。ひろくんが時計を見て「かな子お姉さまもうすぐ時間では?」って言うと。チラッと時計を見て「そうね・・・ゆっくり聞いてってね、終わったらまた」って私たちに言って控え室を一緒に出て私たちは客席へかな子さんはステージへと足を運んだ。
かな子さんのピアノコンサートはすばらしく聞きほれてステージが終わった。だけど何気にかな子さんはアドリブでウエディングマーチを爪弾いて私たちをドキドキさせた。
そんな事をやっているうちに、やっぱり里美さんたちは私たちのマンションまで来たようだ。
里美
駅で皆と待ち合わせをする。メンバーは佐藤 由美・佐伯 レナ・渡辺 佑奈・松田 彩・柴田 杏奈の全員で7人で先生の家に向かう。
レナや彩たちが里美ちゃんと住所覚えてる?って言うと里美は「任せなさい」って胸を張った。
先生のマンションは大体駅から15分位の所にある。駅からの広めの歩道を幅一杯使って歩いてゆく。
春休みなので全員が私服で来ていた。実はこれが功を奏していた誰か制服でも着ていたら私の関係がばれていたかもしてない。
里美はインターネットで調べた地図を持って先頭で歩いてゆくと、不意に立ち止まり「このコンビニを右へ回るとすくに見えるはず」って歩くのを早めた。
コンビニを曲がって少し歩くと30階建ての綺麗なマンションが見えた、私は地図を見てマンションを指差し「ここだよ」って言った。
皆々「葵先生すごいマンションじゃん」口々に言う、目的地が見えたのでさらに足早になる、玄関お入り口に着くとガードマンが立っていた。
里美がガードマンに「このマンションに葵先生っていらっしゃいますか」って聞くと、「お答えできません」って返事が返ってきた。
玄関で先生の部屋にインターフォンで連絡する「ルルルルル」出ない。三回位掛けても返事がない。居ないみたいだ。うろうろすると玄関から男の人が出てきた。
里美は「すみません、このマンションに葵って人住んでいますか?」その男の人は「そんなのは分からない」って足早に去っていった。
近くにファミレスがあるみたいだからそこで時間をつぶして出直そうって由美が提案した。里美はもう少し粘ろうとしたけど残りが由美に賛成したので仕方がなくファミレスに向かった。
ファミレスは駅寄りにあり後の打ち合わせをする。全員がケーキ付ドリンクバーを注文しウエイトレスさんに里美が何気に葵先生の写真を見せてここに来るかを尋ねる。
ウエイトレスさんは「カッコいい人ですね」っていって「奥で聞いてきてあげる」って写真を持っていった。しばらくするとウエイトレスさんが戻ってきて「誰も知らないって」写真を返してきた。
実はもしかしてって思ってマンションの近くの飲食店には寄っていない。気遣いが功を奏したようだ。
しばらく時間をつぶしてから再度マンションに向かうしかしインターフォンからは返答はない・・・。又ガードマンから不審者が出たらしいので気をつけるようにとも言われ全員が落胆し重足で岐路に着いた。
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私たちはコンサートが終わると会場前でマンションの人と別れてかな子さんの居る控え室へと向かう。マンションの招待客は「久しぶりに、よいコンサートが聞けて楽しかったわ、ありがとうね」って各自ばらばらに帰っていった。
控え室に入るとかな子さんは私服に着替えていて私たちを待っていた。私は「すばらしい演奏ですね、感動しました」って感想を述べた。
かな子さんは「ありがとう、じゃ約束の一緒に食事をしましょう、穴場を予約してあるの」って告げ「行きましょうか」ってさっさと控え室を出て行った。
私はひろくんの顔を見るとひろくんは苦笑して「これがチケットの条件なんだ」って私の手を握って控え室を出た。
ひろくんの運転でかな子さん指定の料亭へ向かう。一見様お断りって小さな立て看板がある小さな料亭へ入っていった。
意外と若い女将さんに案内され個室に入ってかな子さんは女将さんに「おまかせで」って告げ、女将さんが出て行くと、目を輝かせ早速私たちの馴れ初めを聞いてきた。
ひろくんと私は顔を見合わせ幼馴染からの話をすることになった。しばらくすると仲居さんが食事を運んできて後で女将さんが食事の説明をしてかな子さんの横に座った。
私たちは頭に?が出る、すかさずかな子さんが女将さんを紹介する。「女将の斉藤 祥子さん実は私と幼馴染で同級生周知の仲なんだ」ニコって笑って「今日はひろきくんを酒の肴にして盛り上がるつもりでここを選んだだよ」って笑って告げた。
結局二人にいろいろ聞かれ、私たちは酒の肴にされてしまい食事が終了になって料亭を後にした。かな子さんをホテルに送ってから岐路に着いた。
結構疲れた一日だった。帰るとひろくんがどこかへ電話をする。「もしもし、葵だけど山口、今日はどうだった、ん・・・やっぱり来たか・・・それで・・・んありがとう、めんどくさいこと頼んでごめん、埋め合わせはするわ。じゃまたよろしく」って電話を切った。
ひろくんはガードマンの一人の山口って人に状況を聞いたようで概要を教えてくれた。ほぼ私たちのことは判らなかった様だそうだ。
明日由美に電話を入れ探りを入れよう。次の日に由美に電話すると先生はいないし手がかりなしって教えてくれた。
私とひろくんは胸をなぜ下ろした。この手はこう使えないだろうな何かいい方法を間なえなければ・・・俺は頭痛い。