彼の正体は・・・
彼の正体は・・・
12月の初旬お義母さんが立ち上げたファッション雑誌“ジュジュ”が発売になった。
発売前から女子高生の間でうわさが広がっていたらしく、初日からすごい売れ行きらしい。私のクラスの由美も朝一で買って来たらしく大勢囲んで雑誌を見ている。
横目で表紙を見ると「え~私が写っている・・・」おもわず口をふさいだ。皆口々に私の写真を見て「このモデルの子可愛いね専属の新人のモデルさんだって」
「名前は・・・」「う~ん・・・書いていないよ、なんていう人だろう?」皆誰だろうって思いをはせいている。いくら見た目がずいぶん違うとはいえドキドキだ。
昼休みに親友の弘子が私の教室に来てこっちに来てって呼び出されちゃった。一緒についてゆくと屋上へと向かった。弘子の左手には例の雑誌が握られている。
屋上につくと弘子はこちらを向き雑誌を見せにニコって笑った。
今日は曇りでこの時期でも日差しがあり暖かいと少しは誰かが居るのだけど少し肌寒く誰も居ない。
弘子が私に微笑し「説明してもらいましょうか」私の写真を指差し私の目を見た。
弘子は小さいころから私を知っているので、写真を見て私とすぐ気づいたそうだ。
私はまだひろくんとの関係を知られる訳にはいけないので、歩いていたらスカウトされたって嘘をついた。そしてこんなすごい雑誌だとはぜんぜん知らないとも言って、弘子をあきれさせた。
弘子は呆れた顔をしながら「あんた、こればれたら大変でしょう?仕方がないなあ、黙っててあげる、ん・もう天然なんだから・・・」
結局この件はちょっとしたきっかけで・・・。
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ひろくんは谷竹先生から忘年会の誘いがあった。むげに断ることが出来ないので結衣にメールを入れることにした。
「先生方に忘年会に誘われた一次会で済むとは言えないので、先に寝ていいよ」って送った。結衣からは「わかった無理しないように」って返事が返ってきた。
場所は駅前の居酒屋で行う。ここは料理も結構うまいんだ。結構大勢で盛り上がり一年のクラス担任たちで2次会へ出かけた。
格安のクラブで愚痴に言い合いだ。とくに竹谷先生は年齢も高く独身なので女生徒に不満たらたらだ。
感心よい生徒の名前は数人しか出てこない。その中に結衣が混ざっていた。
「おお、がんばっているんだ」って陽気になって少し深酒になってしまった。タクシーでマンションまで帰り千鳥足で玄関まで向う。
セキュリティーをアンロックすると、玄関が開いて結衣が心配そうに覗いてきた。リビングに座り結衣から水を貰って飲んだ後、頭を搔き揚げめがねを外して・・・不覚にもその場で眠りに落ちた。
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ひろくんが帰ってきた。セキュリティーが解除されてので、あわてて玄関を開けると、かなり酔ったひろくんがいた。千鳥足でリビングに向かい「水」って言ったので持っていくと、ぐいっと人飲みしソファーで寝てしまった。
そのままじゃ風邪を引いちゃうって思い、毛布をもって掛けようしたところで・・・。ひろくんの顔を見ると、あれれどこかで見たような・・・。
そういえば出合った初日以外にめがねを外しているひろくんを見た事が無かった。ひろくんがめがねを外している時は私も外していて視力の悪い私はまじまじに顔を見た事が無かった。
「ううんあれれ?この顔ってHIROじゃない!!!」「なんでひろくんがHIROなの?」
事情を聞こうと、ひろくんを揺らして起こそうも完全に眠って起きそうも無い。仕方が無く毛布を掛けて部屋を暖かくして、寝ることにした。
私はドキドキ興奮して余り眠れなかった。
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俺は包丁の音で目を覚ました。あれれ、俺こんなところで寝たっけ。
ソファーから起き寝ぼけ眼でめがねを探す・・・。「あれれテーブルの上に無い」ふぃにキッチンのほうを見ると、結衣がこっちを向いてめがねを手にしていた。
結衣は「めがねをチラチラさせ、ひろくん説明してもらえる?」って言ってきた。何をいうのかな?ふと頭に手をやると髪の毛が73になっていない。
ばれた?昨日不覚にも正体をさらして眠ってしまったらしい。俺は覚悟を決め結衣に説明することにした。リビングに結衣を呼び、あい向き合いに座り、こうなった経緯の説明を始めた。
まず結衣の近所から引っ越してからの話からはじめる。引っ越してから町を知ろうと周辺を徘徊していると、事務所の人に声を掛けられた。
けど面倒だったので断ったら、どこで調べたのか母さんを説得して・・・最初は強引にやらされたんだけど。HIROをやっているうちに芸能活動が徐々に好きになって今に至ったんだ。
結衣をだましていたことは「ごめん」って頭を下げた。顔合わせのとき結衣が気がつかなったので余りびっくりさせたらって思って・・・。
まあ、すこしは、いたずら心はないことはなかったけど教師をやることになったので、生徒たちに対してだます練習のつもりもあったんだ。だけど結衣への気持ちは変わらないよ。
俺は芸能界で活躍中のHIROであることを結衣に話したので。これからは家の中では普通で居られる。
たぶん結衣は分かっていると思うけど、学園でばれると大変なことになるので「そこのところよろしく頼む」って立ち上がりもう一度頭をを下げた。
結衣は「もう」って立ち上がり俺の胸の辺りを両手で軽く叩いた。「私がHIROを好きって分かっていて騙したんだ」”とんとんとん”と叩くと、ひろくんに抱きしめられた。
俺は「だますつもりはなかったんだ。こんな俺だけど結衣を愛してるよ」って抱きしめキスをした。結衣はてれて赤くなり・・・かすかにうなずいた。
私は、好き(ひろくん)好き(HIRO)と二つ好きが重なった。(はあと)
あとで、ひろくんのめがねを掛けたら度が入っていなかった。「なんだ・・・こんな落ち?」