ストーカー?
ストーカー
文化祭が終わってからひろくんと一緒に通学している。あんなことが遭ったばかりだから最初はおっかなびっくりだ。
もしものためにしばらくの間、各出入り門にガードマンを付けるそうだ。
ひろくんと一緒だから里美の視線がきつい、でも理事長の公認だから仕方が無い。ほかの友達からは羨ましがられて冷やかされた。
しばらくするとひろくんがいつもの道を通らず違う道を走り始めた。「どこに行くの?」って言うと「少し寄り道」ってひろくんは答えてくれたけど・・・。
その日から学園から帰るとき色々な道を通って家に帰ったり時にはひろくんの実家にも寄ったり泊まったりした。
そんな寄り道が何日か続いた後事件が起きた。概要はこうだ。
ひろくんはいつもはそんなにスピードは出さないのに今日は高速道路をかなりの勢いで飛ばしている途中に、ハンズフリーでどこかに電話してから少し走ると高速を降りていった。
ETCを通過すると警察が検問をしていてひろくんが一旦停止して警察にお話をしようとした時に突然後ろの黒塗りの車がが追い越しを行い警察を振り切ろうと蛇行運転をした。
なぜか振り切ることが分かっていたように警察隊が大勢居て、しっかりガードされていたのであっさり捕まった。私の頭は?が飛んでいた。
後で真相を聞かされゾッとした。実は文化祭での出来事がきっかけで私に襲い掛かった男子高校生の命令で私をストーカーしているって事だった。
一人歩きをしていたら誘拐されていたかもしれなかったらしい。
つきの日に、ひろくんは「大丈夫きちんと話をつける。任しといて」と言ってどこかに出かけていった。
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俺はまず警察へ顔を出し事情を聞いた。やはり山田組の連中で運転手の真壁信吾とカメラ係の野市小太郎の二人組で山田組の若の命令で後を付け回したと白状したそうだ。
警察が山田英二を呼び出そうとしても、雲隠れしたようで呼び出しに応じなかったそうだ。まったく困ったやつだ。
俺は色んな公演でお世話になった飯沼組の親分を訪ねる事にした。飯沼組は公演などする時に地元などに色々便宜を図ってスムーズに公演を進めてくれる頼もしい人だ。
山田組みたいに土建業を隠れ蓑にしている暴力団でなくテキ屋的な存在で色々な所にネットワークを持っており頼もしい組織だ。もちろん暴力団関係にも顔が広い。
今回申し訳ないが結衣の事件でお願いをすることにした。
飯沼組の事務所に行くと、若い衆の蔵本くんが顔を出してきた「あれ?葵さん今日はどうなされました」俺は「武さん居ます?」って言うと。
蔵本くんは奥に案内してくれ組長室の前で「社長、葵さんがお見えです」って言うと、中から「おぉ、入ってくれ」って声が聞こえ蔵本くんがドアを開けて
中に入るように手を差し出した。俺は「ありがとう」って中に入っていった。中に入ると武さんがこちらに来て手を出して握手を求めた。
俺「しばらくぶりです、武さん」
武「しばらくぶりだね、仕事抑えてるんだって?」
俺「ええ、私事であまり活動が出来なくなってしまいました」
武「今日はどういうことで?」
俺「すみません、今日は俺の嫁さんの件でお願いしたいことがありまして」
武「ええー、お前いつ結婚したんだ?それでもって用事とは?」
俺「結婚は4月に相手は幼馴染これは内緒でお願いします」「用事とは、嫁さんが山田組の若に目を付けられているので、とりあえず警察は介入してもらっていますが・・・」
「あの組は警察を無視する輩が多すぎますので、ご足労おかけしますが口利きをお願いしたいのですが」
武「わかった、葵君の頼みだ聞かないわけには行かないだろう、内の横山・桜井コンビに調査・対処させよう」
「詳しい話は彼らを呼んでお話しよう」って電話掛け始めた。
俺は部屋に入ってきた2人組に事情を説明し、頭を下げてお願いした。彼らは和やかな顔をして快諾してくれた。
これでひと安心だけど用心することには越したことが無い。一人になったら影で用心棒をお願いしよう。
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しばらくすると寄り道をすることがなくなった。クリスマスソングが佳境に入ったころ、自分ひとりで通学できるようになった。
でもなんとなく視線を感じることかあるような・・・まあいいか!!