表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/78

ひろくんのツアーと私の小さな親切

ひろくんのツアーと私の小さな親切


俺は結衣がお袋と仲良くなっているのをチャンスに、結衣をお袋に預けてツアーを行うことにした。


この夏は教師と・芸能活動と・旦那さんの三役の内、おろそかになっている芸能活動にメインをしたかった。


運よく、お袋と結衣が仲良くして結衣を手元から離さない。結衣はお袋のおもちゃ状態だ。


まあ昔から結衣を娘にほしいって耳にたこが出来るぐらい聞かされたので、今回の実家訪問で現実になったから結衣には申し訳ないが・・・お袋に捕まっててほしいので都合がよかったが余りの溺愛ぶりに少しは結衣が可愛そうにも思えた。


今がチャンス実家訪問中に夏休みツアーを決行しようって計画だ。


事務所の社長は大変喜んで押さえてあった会場の確認をして、すぐミニライブツアーを計画した。


地方には申し訳ないが大都市のみのしかも夜は開催しないという変則ライブを開催することになった。


基本は結衣が一番なのだ。そして夜は結衣が心配するかもしれないのでトンボ帰りできる場所を選んだ。



かなり芸能生活を抑えていたので各地でのライブはファンにとって大喜びで大変盛況の内ミニライブは終了した。


どこに行っても多くのファンに囲まれ、ライブの楽しさを体で感じた。今回のツアーだった。


ドラマの話しも、もち上ったが時間的に無理だったので断らざるを得ない。ただラジオなどのゲスト出演などは少しずつ続けることにする。


久々に黄色い声を聞いて気合が入り充実したライブをこなす事が出来た。


少しはお袋に感謝かな、結衣の相手をありがとう。




******************


私は、ひろくんが出かけている間にマンションに用事が出来た為一度戻ることにした。


マンションの前までくると勢いよく車が出てきた「危ないな」って思っていると、勢いよく出てきた車を避けようと、オートバイが「キー」って音を立てスリップしマンションの入り口に向かって転んできた。


オートバイに乗っていた人が足を抱えて蹲って痛そうだ、私は駆け寄り声を掛けたが痛くて返事が出来ないみたいだ。


救急車を呼ぶべく119に電話を掛けているとマンション内から多治見夫妻が出てきた。事情を話すと旦那さんが俺が警察を呼ぼうって携帯から電話を掛けてくれた。


私は救急車が来るまでの間にライダーさんの擦り傷の手当てをした。結構痛いらしく「う・う」って唸っていた。


肝心の勢いよう出てきた車の持ち主は車は降りて来たがおろおろして何も出来ないようだ。


多治見婦人が「あ、あなた15階の西川君のところの透君じゃない?」って言うと、ようやく口をきいた。


「はい、そうです」「車で出かけようとして道路に出たら、急にオートバイが・・・」


救急車が到着しオートバイのライダーさんを乗せて病院に向かっていった。私は部屋に戻り用事を済ませて下に降りると、警察が来て多治見夫妻が相手をしていた。


目撃者って言うことで私が説明をして後は西川君にも現場確認してその場の処理は終わった。


多治見夫妻が西川君に「透君お見舞いに行ったほうがよいよ」って言ったけど、彼は中々行動を取れなかった。


私は傷のことが少し気になったので「多治見夫妻に皆さんで行きましょう」って西川君をフォローすべく多治見夫妻を誘った。


「乗りかかった船ね」って多治見婦人は言い、旦那さんに車を用意するように言った。旦那さんは苦笑いをして車のキーを取りにマンションに入った行った。


多治見婦人は西川君の肩をたたいて自分の車を車庫に戻してっていって出かける準備を整えた。


旦那さんがワンボックスカーに乗って現れ全員が乗り込み救急病院に向かった。


途中で西川君にお見舞い用のフルーツを買わせ、私は花束を購入して病院に向かった。


病院に着いて受付で多治見婦人が「先ほど交通事故で運ばれた人はどこに入院してのでしょうか?」って言うと、どなたですか?って聞かれたので西川君を指差して関係者ですって答えると。


「外科病棟の202号室で名前は江口さんです」って教えてくれた。全員で202号室に向かうと・・・202号室名前は江口正・・・さんネームプレートを確認すると中から「きゃー」って声が聞こえてきた。


中に入ると看護師さんが赤い顔をしてお尻を押さえつつ中から出てきた。中に入ると江口さんと思われる人が罰の悪そうな顔をしてこちらを向いた。


多治見さんの旦那さんが「元気よさそうですね」って言ってメンバーを説明すると、江口さんは左足を指し麻酔が効いてるし「骨折してる、熱が引くのを待ってギブスだ」って答えた。


西川君はお見舞い品を置き頭を下げ「申し訳ありませんでした」って謝った。江口さんは「ふん・・・」ってそっぽを向いた。


そうすると多治見婦人が「そんな事言うもんじゃありませんよ」「せっかく見舞いに来ているのに」しかも私を前に押し出し「こんな可愛い子も来ているのに」言うと


江口さんは私をちらりと見て赤くなりそっぽを向いた。私は「葵です、早くよくなって下さいね」って言って持ってきた花束を花瓶にさした。


たいした話もせず、病室を後にした。マンションに帰ると西川君の両親が待っており、お礼を言われた。多治見夫妻は中に入り私はひろくんの実家に戻った。


実家に着くとお義母さんが心配して玄関まで迎えに来てくれた。連絡が遅くなったことを詫び事情を説明したら「親切したね」ってほめてくれた。




この親切が後になって・・・。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ