連休の過ごし方
連休の過ごし方
今日から五月の連休が始まる。今年は日曜がうまいこと祭日の間に入ってすごく長い休みになった。
いつもだったら家族で小旅行の予定だけど。両親は海外へ出向しちゃって私は結婚したからいつもと違う。
今回は、ひろくんと温泉宿泊の予定2泊3日の旅行をする。後の残りの日はクラスメイトの裕子(速見 裕子)・絵美(後藤 絵美)そして私、結衣の三人でHIROのコンサートを見る計画を立てた。
もっとも旅行はひろくん任せになっているし、HIROのコンサートも裕子任なのだ。「へへへ・・・」HIROは芸能活動を少なくしているのでチケット取りは大変だったらしい。
最初は温泉旅行に出かける。ひろくんの運転する車で山奥の秘境温泉に向かう。山道をぐんぐん進むと、ぽつんと一軒宿が見えた。
玄関先につけると中から番頭さんが現れ、私たちの荷物を持ってくれて中に案内された。
玄関を入ると和服の似合う綺麗な女将さんに、「私は当旅館の若女将の静香と申します」って頭を下げて。「葵様ご夫妻ですね。ようこそお越しくださいました」と頭を下げた。
ひろくんは「無理言ってごめん。よろしくおねがいします」と言うと。女将さんが部屋まで案内してくれた。
道中の途中に、女将さんがひろくんの耳元でなにかつぶやていた。俺は少し赤くなったが結衣に見られないようにした。
離れの一軒家の部屋に案内されると、一旦女将さんは「又挨拶に来ます」と部屋を出て行った。
私はひろくんに少し嫉妬気味に「女将さんになんて言われたの?」って言うと。ひろくんは「結婚したんだね」って言われた。
「実は彼女と俺は大学時代の同級生で、同じサークルに入っていたんだ。彼女は結婚して、ここを継いで2年になるはず」って答えてくれた。
実は女将さんが言ったことはまったく違って、結衣には秘密だが「ひろきくん、可愛い奥さんじゃない。もう!堅物がどうしの?」って言われたんだ。
女性に関して堅物で通っている俺が、どう見ても二十歳以下しか見えない彼女(奥さん)連れだから、そんなことを言われても無理は無い。
しかも結衣は大人びた服装をしても、童顔の彼女は二十歳以下しか見えない。そりゃそうだなんだって奥様は16歳なんだ。
結衣は「ふうん~」て言ってなっとく?してくれた。
お部屋から外の景観はすばらしく、どこを見ても感激するばかりだ。
ひろくんは「お風呂に入ろうか」って言った後。「ここは個室の家族風呂だよ、夫婦なんだから一緒には入ろうか?」なんて追撃ちを掛けたので、私は舌を出し「いやです。べー」って私は浴衣を持って、さっさと一人で入りに行った。
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俺は冗談でお風呂の一緒に入ろうと言ったのに。すごく赤い顔をして、あかんべーをしてあわててお風呂に入っていった。
ばかなやつ、先に入れば後から入って行くとがで出来るのに・・・もっともそんなつもりはないが。
結衣が入って後俺が入って出てきたところで、料理が運ばれ女将が挨拶に来た。
ひろくんに女将さんとの関係を聞いていたので、にこやかにお話が出来た。
料理はすばらしく大変おいしくいただいた。女将さんの旦那さんが作ってるらしい、最後に少し顔を出してくれた。
現われた旦那さんは、すごくイケメンでびっくり・・・。旦那さんは女将さんに一言言って調理場に戻っていった。
女将さんと旦那さんは大学時代のサークル仲間だったそうで、おちゃらけて、ひろくんにアタックしたらしい。
もっともその時は婚約者同士だったそうで、ひろくんがあまりにも堅物なので、いじめでアタックしたらしいが見向きもされず不発になったらしい。
食事が終わり夜の散歩に出て夜空を見上げると満天の星空だった。おもわず「きれい!」って言ったら冬はもっと綺麗らしいよ。又来ようといってくれた。
この旅館はなかなか予約が取れないすごく有名な旅館だってことは後で知った。
部屋に帰ると、寝室に二組の布団が寄り添って引いてあった。”ドキ”ってしたけど知らない振りをして、たわいも無いお話をし眠ることにした。
ひろくんと同じ部屋で初めて眠る。心臓がバクバクしている。ひろくんは布団から手を出しそっと私の手を握ってくれた。ひろくんのやさしさにふれた気がした。
少しセンチになり「そっちに言っていい?」って聞くと「うん」って頷いてくれたので、そっとひろくんの布団に入った。
ひろくんはやさしくキスをして抱きしめてくれたけどそこまでだった。ほんわか暖かく眠りに着いた。
結衣が俺の布団の中に入ってきた。キスして抱きしめていると、心が落ち着く・・・。結衣が少しあくびをし眠りに入った。
かわいい寝顔を横目に俺も眠りに着いた。
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朝起きると、ひろくんが居ない?きょとんとしていると、ひろくんが帰ってきた。朝風呂に入っていたらしい。
結衣もどうだといわれ、入ってこようかなって思って支度をしていると、食事の準備をしようと仲居さんが聞いてきた。
私がタオルを持ってうろうろしていると。仲居さんが「少し遅らしましょう」と言ってくれたのでゆったり朝風呂に入ることが出来た。
朝風呂は又違って格別だった。仲居さんにわががまを聞いて貰いゆったり入らしてもらった。
次の日も同じところに泊まり一緒の布団で眠った。まだ俺は結衣にそこまでするつもりは無い。堅物の理性が勝っている。
でも、ここに無理を言って予約を入れてよかった。女将さんが、かなり無理して空けてくれたらしい。「静香ありがとう」って感謝した。
気分すっきり。二人の関係も近づいて。のんびり気分も上々の二泊旅だった。
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後半は裕子が、がんばってチケットを取ってくれたHIROのコンサートだ。
ひろくんは朝早くから出かけてしまって居ない。私は裕子たちとの待ち合わせの駅に向かった。
駅には裕子がもう来ていた。絵美はまだのようだ。しばらくすると「はーい」って絵美が駆けてきた。
三人そろったので電車に乗りコンサート会場がある駅に降り立った。コンサート会場に着くと熱気でむんむんしていた。
私たちは受付でチケットを見せて会場に入って行く。座席位置は・・・前列から五番目ですごくいい席だ 。裕子に感謝だ。絵美と二人して「「ありがとう裕子」」ってお礼を述べた。
HIROのコンサートはすごかった。途中でHIROが私に視線を合わせウインクしたように見えた。
周りの子は「「「「キャー!!!」」」」って大声を上げて喜んでいる。
私は頭に?が浮かんだ「私に?」どうして?裕子たちは判らなかった様だ。それでもみんなにつられて、盛り上がった。
私は裕子たちとハイテンションになり、コンサートが終わってからも、HIROの歌を口づさみながら岐路についた。
家に帰ってくると、まだひろくんはまだ帰っておらず、2時間後に疲れて帰ってきた。
私が、がんばって作った夕食を食べてくれて、バタン急で寝てしまった。「何して疲れたんだろう?」疑問符を浮かべながらも片付けて眠りに着いた。
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俺は結衣から「友人の速水がチケットを申し込んだ」って聞いたから。裏から手を回し俺の判り易い座席のチケットを速水に送った。これで結衣の位置がわかる。
途中で目を合わせウインクすると結衣がキョトンとした。「かわいいやつ!」さらに元気が出て、後半さらにテンションを上げてコンサートをこなした。
結衣のがんばった食事である程度の回復はしたが、久々でテンションをあげすぎた為。疲労が出、バタン急と寝てしまった。
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私たちのゴールデンウイークが終わった。
学校が始まるといつもの追っかけが始まった。これはこれで困ってはいるが・・・。
それでも私たちは旅行の日から時々一緒にベットで寝るようになったので安心感がふえた。