入学式 新任教師は?
これからが、学園騒動のメインです。
葵夫妻は秘密を守れるのでしょうか。
入学式 新任教師は?
今日4月5日は白鳥学園高等部の入学式
私はいつもの朝もより早くに起き、ひろくんに朝食を作った。(最近は和食が多い)そして、ひろくんを送り出してから私は制服に身を包む。
少し早めにマンションを出るためエレベーターを降りると、マンションの住人とすれ違った。
私「おはようございます」 住人「おはよう、あらその制服って白鳥学園ね新入生?」
「はい、そうです。今日入学式なのです。あ・・私3001号室の葵です。よろしくお願いします」
「あらあらご丁寧に、210号室の多治見です。貴女その制服に合ってるわよ」って階段を上がろうとした。
私は「ありがとうございます」って頭を下げマンションを出て行った。学園までは徒歩で20分ぐらいだ。
学校に着いて門をくぐろうとすると、桜吹雪が足元を舞った「キャー」私は少し短いスカートを抑えた。
白鳥学園の女子の制服はブレザータイプでスカートはチェック柄の短めのミニだ。卒業生の有名なデザイナーがデザインしたらしい。
たしか”コウノ・ジュン”って言うデザイナーのはず。女子憧れのデザインだそうだ。
中に入っていくと、後ろから肩を叩かれた。後ろを振り向くと弘子がニコニコ笑って「おはよう」って声を掛けてくれた。
「同じクラスになると言いね」ってクラスの書いてある掲示板を見に行った。
1年A組・・・・・・二人の名前は無い
1年B組・・・・・・私は無いけど「あ! 弘子の名前がある」
私とは違うクラスになっちゃった。
次々と見て行くと・・・E組に“葵 結衣”の名前があった。
「弘子、私E組」って言って、E組の名前を見に来る弘子に名前がばれないように、掲示板を見られない様に手を引っ張って足早に講堂に向かった。
離れたクラスでよかった。私が葵って事がわかると大変だ。普段は名前でしか呼ばないので判り難い。とりあえず、ばれるまで黙っていよう・・・。
講堂に入ってクラスごとに整列する。並んでいると後ろから肩をたたかれた。振り向くと鼻の辺りに少しそばかすがある可愛い子が叩いていた。
「私、佐藤 由美 由美って呼んで」って声を掛けてくれた。「私は、葵 結衣 こちらこそよろしくおねがいします」由美は「葵さんって堅いね、結衣って呼んでいい?」って聞いてきたので、「うん、いいよ よろしく由美」って答えた。
由美は私の左手の指輪を見て「彼氏っているの?」って言ったので「う・うん彼氏はいない」って答えてしまった。
旦那さんは彼氏じゃないはず。由美は「なんだ、魔よけか」って言った。以前、菜緒子が「指輪をすれば魔よけになるよ」って言ったのを思い出した。
旦那さんは彼氏と呼ばないもんね。意味がわからす。魔よけって言われてしまったので、そのままにすることにした。
魔よけってどう有意味だろう・・・。天然の結衣には意味も判らず使ってしまっただけだった。
周りを見ると20~30人に1人ぐらいの割合で左手に指輪をしている。後で聞いた話だけどお金持ちや有名人の子供が多いようで許婚の関係者が多いって話だった。
講堂で入学セレモニーが行われ、校長先生の挨拶の後に教員の名前が呼ばれ挨拶をする。
「1年A組を担当する谷竹 澄矢です・・・・・・・・・・・・。
「1年B組を担当する田石 行隆です、教科担当は英語です判らない事はどんどん聞いてください」って挨拶した。かなりの女子の目がハートの形をしている。
弘子のクラス担当イケメンじゃん。いいな、そしてC組・D・・・そしてE組の番になる。
「1年E組を担当する田中 久晴です。教科担当は現国です。そして私のクラスには副担任が付きます」と言った。その後びっくりする事が・・・。
なんと、ひろくんが壇上に上がり「1年E組の副担任をすることになった新任の葵 ひろきです。教科担当は物理と情報補佐です主に物理を担当します。新任ですので皆様お手柔らかに」ってあいさつした。
私は、あまりにもびっくりして固まってしまった。後ろで由美が「葵先生って格好よくてかなりのイケメンじゃん。ラッキー」って言った。
私はあいまいに「う・うん」って答えるしかなかった。
入学式が終わり自分たちは各自にクラスが書いてある教室へ入る。席順は男女混合のあいうえお順だ。“あ”行は私葵と青山君しかおらず、私が先頭になる。席は廊下側の一番前になる。
担任の田中先生とひろくんが教室に入ってきて挨拶をする。
「え~私が担任の田中久晴です」黒板に名前を書きながら「現国の担当します」「次、葵先生挨拶を」そして、ひろくんが表壇に立つ。
「E組の副担任になりました。新任教師の葵 ひろきです。初めてですので、よろしくお願いします」といった。
田中先生が「出席をかねて名前を呼ばれたら自己紹介をしてください」「それでは一番葵さん」わ!私が一番だ。
「え~っと、葵 結衣です。青葉中学から来ました。よろしくおねがいします」一番なのであたふたして答えた。
「二番青山君」
「青山 正美です。白鳥の進学組です。得意はスポーツ一般、彼女募集中です」周りから、くすくすって笑い声が聞こえた。
三番伊藤君・・・上野さん・・・次々に進み。
最後、渡辺 薫さん
「私は渡辺 薫です。西條中学出身です。得意はお菓子つくりです。それと(少し赤くなり)婚約者がいます」と左手を上げ薬指の指輪を見せた。
田中先生は「おぉ、おまえか、例のお話は」って言うと。みんな「「「え~なんですか?」」」って聞いた。
先生は「渡辺は三年生に鳳って言う婚約者がいるんだ」って田中先生が言うと、渡辺さんが真っ赤になってうつむいた。
田中先生は「次は俺だな、講堂で言ったように担当は現国。年齢は45歳で家内と3人の子供。上から女・男・女、下二人は双子だ。なにか質問は?」
クラスの女子が「「「無いでーす。早く葵先生をお願いします(はあと)」」」ってひろくんの挨拶を即した。
え~私は「ひろくんもてるんだ」っと、その時はそれしか頭に浮かばなかった。
当然次は、ひろくんの番で「新任の葵 ひろきです。教壇に立つのは教育実習以来ですが皆さんと仲良くやって行きたいと思います。よろしくお願いします」って言うと。
「「先生、年齢は、誕生日は、彼女いるんですか?住んでいる場所は?」」次々に質問が飛ぶ。
「年齢は26歳」「生まれは9月」「彼女はヒミツ」「住所は・・・個人情報なのでNGです」って答えた。
再度女子生徒たちが「「「「「彼女は?」」」」」って言うと。ひろくんは「それはヒミツって答えましたよ」
上野(上野 里美)さんが手を上げ「でも私は、彼女に立候補します」って言い切った。クラス中がざわついた。
田中先生が「もうこれまで、次は、クラス委員の選任に入ります」「立候補者は?」・・・どうもこの学校の委員は大変のようだ。積極派が多いと思ったのに、意外と立候補しない。
田中先生は「・・・まあいい。葵さんと青山君でお願いしたい。葵さんは他校出身だから副委員をお願いします」って言った。
青山君は私に手を出して「よろしくお願いします」って言った。私は戸惑いながら握手を交わし「こちらこそ、判らないことばかりですが、おねがいします」頭を下げた。
本日はこれで終わりとします。各自書類を忘れないように。後購買で教科書など在りますので、それを受け取って本日は終了です。
すぐ購買に行く人や、こんでるので少し遅く行く人などで、教室内が少しずつ減ってゆく。
教室で皆が雑談しているとき、私に渡辺さんが声を掛けて来た。「あなたも指輪してるけど私と一緒?」
私は佐藤さんに言ったのと同じに「魔よけなの。これってイミテーション」って左手を見せた。渡辺さんは「本当?」って疑っている。
「へへへ」私は結婚しているのを笑ってごまかした。仲良くしようって手を出してきたので両手で握って「こちらこそ、よろしく!」って答えた。
(実はこの時点で渡辺さんは指輪が本物のダイヤモンドってことを見破っていた。後で解るのだが彼女のお母さんは宝石のデザイナーだった。)
その時後ろで「葵さんって青葉中学出身ですって」速水 裕子さんと後藤 絵美さんが声を掛けてきた。
「私たち青葉中学校下なのよ、小学校は青葉東小なの」って言った。私は「青葉西小出身」って答えた。
四人で紹介しあった。ひろくんの葵って苗字が一緒なのを聞かれたとき。しら~っと同じ苗字なんて珍しいねって自分で言ってごまかした。
後は渡さた各種書類をまとめて、皆と雑談してから購買で用意された教科書を受け取ってから、もう一度教室に戻った。
教室に戻って休憩していると・・・ブブブブブ携帯を見るとひろくんからのメールだ。「一緒帰ろう後一時間ぐらい待って」って内容で、私は「OK」ってメールを返し教室で待つことにした。
皆は、大半の人が両親たちと、帰っていて校舎には残っている生徒はほとんどいない。椅子に座って、ぼ~っとしていると、大分たってから教室にひろくんが現れた。
ガラガラガラ・・・ひろくんが「葵さん」私は「ひろくん」って言うと、ひろくんは唇に人差し指を当てて「シー・・・ここでは葵先生だよ」って言った。まだ何人かは学校に残っている。
私はプーって頬を膨らませると、ほっぺを突いて「帰ろうか」って言って、荷物を持ってくれて教室を出た。以外にも誰にも会わず車にたどり着いた。
ひろくんに「聞きたいことがいっぱいあるんだけど」って言うと「あとで・・・」って言われた。家に帰ったら、じっくり聞こう。岐路に着いた。
つたない小説を読んでいてくださる読者様。
私事及び社の都合で更新が遅れます。早くて12日遅くなると15日以降になりそうです。
下書きはそれなりですが、読みやすくするための修正作業が・・・。
次回は結衣の?にひろくんが答えます。「では更新日に」