表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
84/199

絆創膏 23

「シモジマに行かないと。う、うう……」


 公園から無理やり関心を引きはがそうとしたら、急に下腹に痛みを覚えた。

 便秘や下痢の腹痛とは違う刺すような痛み。

 こんな時に——

 辺りを見回す。公園のトイレくらいしか避難場所がない。

 何てタイミングなんだ。ちょっと前ならコンビニだってあったのに。

 トイレの場所は入口から近い。人目を気にしつつ走る。

 幸い個室は空いていた。


 ドアを閉めたとたんにホッとした。

 それですぐに痛みは収まった。

 じゃあ何だったのか。たぶん精神的ストレスというか、地味な俺には刺激強いことばっか続いてたから胃にきてしまっただけかもしれない。


「ともかく……よかった」


 用を足したわけじゃないのに習性で水を流してから個室の外に出た。


「姫せんせい」


 手を洗っていたら足元で子どもの声がした。


「ひやあ!」


 振り向いて下を見て情けないリアクション。

 最近こんなんばっかだけど、その子どもがワタルくんだったから驚きは倍増した。


「姫せんせい」


 今度は低音が響いた。男子トイレの入り口で佇む長身。

 そんな声でそんな呼び方するのは宍倉さんしかいない。

 ああ、心臓がまた──


「先生も良くこの公園にくるのか?」


 ハンドタオルで手を拭きながら言い訳を捻り出そうとしてる最中に聞かれた。


「え、ええ、園児のお散歩などで来たことはあります」


 答えながら目線を合わせず宍倉さんの脇をすり抜けた。


「俺は仕事じゃなくって今日みたいな休日もって意味で聞いたんだけど」


 背後斜め上に宍倉さんの声がくっついてくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ