絆創膏 23
「シモジマに行かないと。う、うう……」
公園から無理やり関心を引きはがそうとしたら、急に下腹に痛みを覚えた。
便秘や下痢の腹痛とは違う刺すような痛み。
こんな時に——
辺りを見回す。公園のトイレくらいしか避難場所がない。
何てタイミングなんだ。ちょっと前ならコンビニだってあったのに。
トイレの場所は入口から近い。人目を気にしつつ走る。
幸い個室は空いていた。
ドアを閉めたとたんにホッとした。
それですぐに痛みは収まった。
じゃあ何だったのか。たぶん精神的ストレスというか、地味な俺には刺激強いことばっか続いてたから胃にきてしまっただけかもしれない。
「ともかく……よかった」
用を足したわけじゃないのに習性で水を流してから個室の外に出た。
「姫せんせい」
手を洗っていたら足元で子どもの声がした。
「ひやあ!」
振り向いて下を見て情けないリアクション。
最近こんなんばっかだけど、その子どもがワタルくんだったから驚きは倍増した。
「姫せんせい」
今度は低音が響いた。男子トイレの入り口で佇む長身。
そんな声でそんな呼び方するのは宍倉さんしかいない。
ああ、心臓がまた──
「先生も良くこの公園にくるのか?」
ハンドタオルで手を拭きながら言い訳を捻り出そうとしてる最中に聞かれた。
「え、ええ、園児のお散歩などで来たことはあります」
答えながら目線を合わせず宍倉さんの脇をすり抜けた。
「俺は仕事じゃなくって今日みたいな休日もって意味で聞いたんだけど」
背後斜め上に宍倉さんの声がくっついてくる。




