絆創膏 18
土曜日を迎えるまで今週は異常なほど長く感じられたし、おまけに濃密だったと思う。
今朝の爽やかな目覚めは、疲労困憊で熟睡したからこそ得られる貴重なものかもしれない。
紺色のカーテンを引くと、射しこむ光の中でキラキラ白い埃が舞った。
埃なのにキラキラ。冷静に考えると恐ろしい。
掃除しないと。布団も干したい。
今日は週間天気予報を裏切って晴れだから、洗濯掃除日和だ。
浅草橋のシモジマにも行ってみないと。つい頭の片隅に追いやりがちな問題だけど、自分にとっては雪だるま式に膨らむ危険性をはらんでる。
シモジマでそれっぽいのを見つけられたら、新しく作り直すというコマに進むとして、言い訳はどうしよう。
猫飼ってれば猫に破られたって言えるのにな。
もう薄々バレても仕方がない。
間違って洗濯機に入れてしまったとか。
苦しいウソでもしらを切りとおせばいいんだ。
ああ、だけど俺にはそんな勇気はない。小さな嘘も吐けないタイプなんだ。
追及されて話が雪だるま式に膨らんで、ゲイでラブホに置き忘れたことまで正直に話してしまいそう。
立ち上がって洗濯機に洗剤をセットして標準コースでスタートさせた。
敷布団も掛け布団もベランダの手すりに掛けて干す。また埃がキラキラ舞った。
「あああ……」
せっかくの爽やかな朝の光景がため息で曇ってしまった。
活気を借りたくてテレビを付ける。休日の情報番組はグルメに映画、レジャーのおすすめを垂れ流していた。
世の中は視点を変えればオススメのものばかりらしい。
現在の俺の目に映るそれらは、どれも同じテンションで響き心惹かれない。
食パンをトースターで焼く。ジャムなしのマーガリンだけ。
オムレツにカップスープの定番メニューで朝食を済ませた。
「コーヒーは後だ」




