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1+はんぶんこ✕2  作者: 春野わか
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絆創膏 4

 無地の生地が並んでいる通路から、隣の通路をのぞいて声をあげそうになった。

 見間違えようのない青と赤のツートンのツーブロ。

 保育園でもだけどトマトの店内でも浮いてる。

 と、いってもお客はあまりいないけど。


 何してんだろう。

 そう考えて、自分こそ何してんだとツッコむ。

 隠れる必要ないのに。

 だけど声をかけるのもかけられるのも嫌だから、こうするしかない。

 ワタルくんは宍倉さんの足元にいてキョロキョロ楽しそうに周りを見回してる。

 長身の宍倉さんの側だと余計に小さく見えて可愛い。


 宍倉さんは棚から反物を引き出しては熱心に見入ってる。

 その姿はとても貴重で何だか尊い。

 ファッションは尖り過ぎだけど手足が長くてスタイルいいし、無防備な横顔はケチの付けようないほどイケメンなんだよな。

 勤務先は確か建設会社だったっけ。

 あの髪色に髪型でオッケーということは、現場で働くトビ職なんだろうか。

 

「あ、そっか……」


 朝の会話を思い出した。

 お昼寝用の布団カバーの生地を選んでるのか。


 そんなに考えることじゃなかった。

 似合わな過ぎて気付くの遅れた。


「ワタル、これでいっか」

「うん」


 ワタルくんとのやり取りが聞こえた。

 車とクマの柄の生地に決まったらしい。

 宍倉さん、裁縫できるのかな。家にミシンあるのかな。

 まっすぐの長方形だから手縫いでも作れるとは思うけど。

 妄想を脳内で処理できなくなってきて笑いが込み上げる。


「じゃあ、レジに持ってくか」


 宍倉さんが反物ごと担いでこっちを向いたから慌てて隠れた。

 俺、何やってるんだろう。

 まるでノゾキじゃないか。人んちの会話盗み聞きして妄想して。

 宍倉さんには踏み込むなって境界線を引いておきながら。

 二人に見つからないように店の外に逃げ出した。

 急いでチャリに跨り、店の前から離れる。

 結局、自分の生地買ってない。また買いにこないと。

 そうだ。ラブホにも問い合わせないと。

 問い合わせても無いと言われたら。

 玲央に聞くのは──怖い。

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