絆創膏 3
男の保育士。ゲイの保育士。ゲイと保育士。
三つ目がインパクトあるな。
このどれもが自分に当たってるけど、三つ並べて園児の保護者に温かく受け入れてもらえる気がしない。
そんなどうでもいいような。どうしようもないようなことを考えながら歩いた。
駅に近づくほど道も広く人が増えて明るくなっていく。
生地屋は以前よりは数が減ってしまったけど、人気店の(トマト)は生地の種類が豊富だし、尾久橋通りを渡ってすぐのとこの(レモン)は子供服が安い。
繊維街の通りの左右にトマトは本館以外にも数店舗構えている。
道幅広くて人通りはまばらだけど、チャリを降りて引いた。
新宿の大通りの賑わいと華やかなネオンには興奮したけど、玲央と一緒でなければ場違いな気がして楽しめなかっただろう。
でも日暮里は違う。生活圏だからというのもあるけど、駅の反対側の谷中も含めて一人でも人目が気にならない。
繊維街の生地や手芸用品、駅向こうの谷中銀座の雑貨小物、大正を残す町並み。
都会の目映いネオンよりも馴染める。
買うものがあるわけじゃないのに、五階まであるトマトの本館の前にチャリを止めて店内に入っていた。
保育園から自宅の間にはスーパーかコンビニくらいしかない。
繊維街は自宅を過ぎて駅寄りだから、数週間は利用してなかった。
たくさんの色んな生地が置いてあって、これでどんなもの作ろうかと想像してるだけで楽しい。
部屋のカーテンの生地はトマトで買った。
男の一人暮らしだからシンプルな紺色でどこにでも売ってそうだけど。
店内を回る。
太いレースの生地の模様が複雑でカラフルで目を惹いた。
テーブルランナーとして使ったらキレイだろうな。
用途に悩む生地ほど見ていて楽しいけど、実用的な生地もせっかく寄ったんだから見ていきたい。
例えば保育園で使うエプロン用のとか。
二階に上る。




