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会いたい　６

「おやすみにkissにハートとか。あしたが楽しみだよ、とかかな」

　深夜にスマホ眺めてニヤニヤしてイタい妄想。一人言の独り者。ヤバいのは承知してる。でもキュンが勝る。とりあえず既読を避けて通知内容から送信相手とだいたいの内容を拾ってみた。

「うわ！　漆原じゃん」

　思わず大きな声で呼びすてして落としそうになった。LINE開かなくても通知にしてるから冒頭が読めちゃう。　

　ぜんぶ読まなくても想像つくありがたーくないダメ出しが数件も。

　ダメだ。就寝前に読んだらダメージが五倍になる。気づかなかったことにしよう。

　衣装作りに夢中になってて、と。それでごまかそう。

　残念ながら玲央のメッセージはなかった。

　でも明日は玲央に会える。デート。会える。

　呪文のように唱えながらシャワーを浴びる。

　ドライヤーをあてた頭を枕に沈めるころには、明日のデートのことで気分はピンク色に染まっていた。